方言と郷土愛
2023年3月。
南予一期座だんだんの第3回公演「風の音リンリン」を観覧しました。
坊ちゃん劇場所属の方が演技指導を行い、八幡浜や近隣地域在住の方々が地域を題材にしたミュージカルを演じる市民劇団の公演です。
第1回、第2回の公演も観覧しており、今回も楽しみにしていました。
劇中、会場全体が一体となって大いに盛り上がる場面がありました。
「てやてや音頭」を踊る場面です。
これは夏祭りの際などに踊られる盆踊り風の音頭で、語尾に付けて強調や断定を意味する「てや」という八幡浜方言をまちの象徴として繰り返し歌っています。
このまちに生まれ育った人は誰しも耳に馴染んでいる旋律。
会場は手拍子の大合奏に包まれました。
また、ところどころの場面で人一倍会場の笑いを誘う出演者さんがいらっしゃいました。
その方は「よもだ」(屁理屈、の意) など八幡浜の特徴的な方言をセリフに組み入れており、そうした方言が発せられる度に、特にご年配の観客の方々から親しみのこもった笑いが起こっていました。
八幡浜では「八幡濱方言番付表」というポスターも、昨年末ごろに発売されて以来静かに話題となっています。
郷土愛と、同じまちに暮らす人同士の親しみの感情を呼び起こし、共有させるキーワード。
方言にはそんな役割があるのかもしれません。
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