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そうやって先生を潰すんですよ。

2024年5月14日。
職場で泣いた。



国語科の教員として働き出して3年目に入った。授業は大変だけど、生徒と話すのは楽しい。愛おしいと思う。


ただ、職場環境はあまりいいと言えない。


私の学校は毎年時間割を見直し、カリキュラムを変え、現代社会の動きに合わせて教育を変えてきた。


その結果、これまでやってきた授業とは一風変わった授業を任されることになり、教員の負担は増える一方だった。


その日も、英語を理解できない国語科教師の私の授業にネイティブ教員を入れて授業しろ、と急に上司から言われた。


空きコマに事務作業をしながら、休みの日、頭が動く時間は全て授業構成を考えた。

しかし、沢山アイデアを出して上司に伝えても、「そうしなくてもこんなふうにやれば・・・」と、否定された。


「ネイティブの先生と英語話して、伝えられなかったことをあなたが一緒に確認していけばいい」


上司からの案は、教育という点ではしっかり成り立っていると思う。


ただ、英語なんて話せない。正しい英語の文法も知らない。一緒に調べたって、英語科の先生に聞くと少し違うと言われる。



なりより、私はネイティブ教師と意思疎通がまともに出来ていない。
その授業には英語科の先生が入れないため、2人で回さなければいけないのに。



そんな状態の私にできるような業務ではなかった。


もちろんそれ以外の授業のことも考えなければいけない。

今年私が持つ授業は、1時間目から6時間目まである1週間の時間割30時間中、20時間分あった。

自分の担当する専攻もある。
もちろん生徒対応、保護者対応、広報活動、事務作業、外部の企業や行政とのやりとり・・・
挙げたらキリがないくらい常に仕事に追われている状況。


自分の専門分野では無い場所を授業を回せるくらいまで理解するためには、休みの日、仕事終わり、寝るまでの時間全て使っても足りない。



さすがに無理。



積み重なる重圧、無理難題、膨れ上がるストレス、それでもやらなきゃいけない仕事。




限界だった。




上司との話が終わり、職員室に事務の先生と二人っきりになるのと、涙が溢れて止まらなくなった。


事務の先生が慰めてくれ、なんとかその後の授業を進めることが出来た。



「ねぇ、私まだ大丈夫なのかな」

何度も自分に問いかける。
応えはまだ返ってこない。



私の学校は今でこそ人手不足だが、私が入職する前はまだマシだったらしい。


それから、連絡なく休んだり、他の学校に異動したり、辞めていったりして人が徐々に減っていたらしい。


5年以上働かれている非常勤の先生は私の状態を見て、「そうやって先生を潰すんですよ、全然変わらない」と憤った。


たとえ私が辞めても、きっと学校は変わらないんだろう。


人手不足になっても、なあなあで適当でも、中途半端でも、その緩さでなんとかやれた。
そのやり方に慣れてしまってもう変われないんだろう。


たった2年で私もそれに染ってしまった。


もう分からない。
自分がおかしいのか、それとも環境がおかしいのか。



行きたくない、嫌だ、しんどい、辛い、消えたい。



でも仕事なんていつでも辞められる。
決定権は常に私にある。



溢れそうになる涙を塞き止め、吐き気によるえずきを堪え、今日も電車に揺られながら1日が平穏に過ぎることを祈るばかり。

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