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内に秘めて挑んだ戦!結果は伴わずともさらなる飛躍の糧となる!

公開日2019.05.17

はじめに

 2019年3月15日〜17日まで大分県別府市で開催された全国女子選抜フットサル大会、トリムカップ。大分県選抜のキャプテンとして出場したGK梅村南選手(27)、MF斉藤結選手(16)背番号10。グループリーグは最後抽選にまでもつれ込むもなんとか突破。準決勝、おしくも日本選抜戦で1-0で敗れ第3位となる。斉藤選手はグループリーグでは決勝弾を入れ、攻守に渡ってチームで躍動!梅村選手はゴレイロ(キーパー)として大会MVPに輝くという大会史上異例の優勝チーム外からの選出となる!そんな大分県選抜、躍進の立役者、両選手の原動力とは何だったのだろうか?サッカーとの出会いからをインタビューしました。

第2回MF斉藤結選手(16)背番号10
ー無尽蔵の体力は肉親の陸上愛が招いた副産物!?ー

 斉藤選手は大分県杵築市山香地区出身。小さい頃からお兄さんがやっていた事もあり、少年団からサッカー人生を始めている。肉親は陸上出身で小学校の頃から陸上をガンガンやらせると伸びないからと、サッカーをやらせたとのことだったが、結局彼女は陸上よりもサッカーの方が好きになってしまったようで、どうやら肉親の思惑とは逆になったようだ。

 そして、同地区の中学校へ進学しクラブチーム(カティオーラALTY)へ所属する。カティオーラは丁度、彼女の世代から女子サッカーチームができるからとコーチから誘われて加入したとの事で、本人は大分トリニータと迷ったがトリニータだと試合に出れないかもしれないという可愛らしい理由で同クラブに加入。

  同時並行で彼女は陸上部にも所属している。種目は中長距離で中1で県3位、中2で県1位、中3で県3位と好成績を残している。


 フットサルは中1からスタートしたらしく、月1で九州リーグの大会にはクラブのサッカーメンバーで参加していて、初年度のスコアーは25-1ぐらいで負けていたらしい。そこからフットサルの知識もついて次の年からは急激にレベルアップしたとの事だ。


 そして、中3になってそれまであまりやる気のなかった彼女に一つの転機が訪れる。それは神戸であった国際大会に九州選抜チームで参加し、アルコイリス神戸などのトップクラスのチームと試合をし5-1ぐらいの大差で負けたけど、この時に初めて、こんなにフットサルって楽しんだと感じ、この経験で本人はフットサルで上手くなりたいと思ったとの事だった。

 それと、丁度この大会の時に女子代表の木暮監督も彼女を見てて、話したりもしていたらしく、どうやらこの大会後に日本選抜の候補に選ばれているようです。

 また、同時にやっていた陸上なのだが、こちらはなかなか厳しかったらしく、体重も今よりも軽くて、この時の動けていた感覚があるから今の自分が走ってない訳ではないけど、当時と比べて体力がなくなったと感じているようだ。どうやら斉藤選手は陸上が自分にとって大きかったと止めてから気づいたらしく、そこで現在陸上のトレーニングにも週1で参加していて、最近はあまり行けてないらしいが、大人の男性に混じって10kmとか1000m7本などをやってるとの事だ。

 それから、まだ全然満足できるレベルではないが、今年から筋肉もついてきたのもあってシュートが入る確率が上がったと感じているようだ。
 そして、現在彼女は兄姉が通った別府鶴見丘高校に進学し、大学を目指して日々電車とバスで1時間半かけて通学。大量の宿題と毎日の追試と格闘しているようです。

ーこぼれ落ちたかの様に語った悔しさ、自戒の念をこめてー

 斉藤選手は去年、日本選抜に入っていて、その時もトリムカップに出場しています。その大会では中高生が8人入っていて、あとは大人の選手。その次の年にあるオリンピックU18にその8人から選ばれる可能性もあると言われていました。
 この時彼女はラージグループまで選ばれていたが、本戦メンバーには選ばれず。それが悔しかったが、今の実力では当然の結果だとも思っていた。
 そして、今大会の日本選抜がオリンピックに行っていたメンバーばかっりで、自分は選ばれなかった方だったから今大会の日本選抜戦は負けたくなかったとのことだった。

 また、前日の兵庫県選抜との試合で斉藤選手は足首を捻挫していて、日本選抜戦当日朝に痛みが全然ひかずに病院に行っている。普段は試合中アドレナリンが出て痛くなくなるし、痛み止めも飲んだのだが、この試合中は痛みが全然ひかなかったとの事で、なおさらに悔しい思いをしていたようだ。

 この彼女の語った悔しさは、オリンピックメンバーに選ばれなかった悔しさももちろんあったとは思うが、やっぱりこの悔しさは自分自身を不甲斐ないと感じる自戒の念がこもっているのではないだろうか?

 でもそれは本人が1番分かっていることだとも思いました。何故ならば、彼女が過去を振り返り語っている事がその証明になっているからです。

 去年、日本選抜の時の自分の足元の技術の無さやドリブルが全くできなかった事。ただディフェンスもオフェンスも走りまくってただけだったと振り返り。
 この経験から、足元やドリブルがもっとできるようになりたいと思って練習するようになり、この日本選抜に行ったからこそ将来はフットサルでやって行きたいなと思って、本当に上手くなりたいなと思うキッカケになったという事だった。
 同時に小さい頃に戻ってやり直したいと、やる気がなかった時間を悔いてたが、今からでもがんばるんだとも誓っていました。

 そんな思いも重なって、今大会の日本選抜戦後のあの涙があったんだなと感じました。

 今大会の結果は本人にとって満足のいくものではなかったかもしれません。でも、この経験もまた、斉藤選手の糧となり、さらなる飛躍をもたらす事になるような気がしています。

ー練習!上へ!日本代表!そして未知なる世界へ!ー

 今大会1番勝ちたかった日本選抜戦、ケガをしてなかったらとか、シュートチャンスいっぱいあったのに全然決めれなかったと後悔ばっかりだと振り返る斉藤選手に、今後について聞いてみたところ。
 近々ではまだ一回も取ったことのない九州リーグでの優勝、そして全国大会に自分達の力で行きたいと強く語ってもらいました。
 そして、この春休み斉藤選手はイタリアに行っています。イタリアでは日本と全然フットサルの環境が違って、フットサルを仕事としている女子がいっぱいいて、他の仕事を一切してなくてフットサルでお金を稼げる事を見てきています。18歳から留学できるらしく、もし海外でプレーするつもりなら稼げるぐらい上手くないとだめだから、あと2年間での成長が大事とのアドバイスももらっています。また、留学したら成長できるし、上手ければもちろん収入も上がるという事で、非常に興味を持っているようでした。
 もちろんトップカテゴリーに入るのはそんな甘い世界ではないとは思いますが、そこにはワクワクしてしまう魅力がある事も確かではないでしょうか。

 締めくくりに、Jsportsで放送された(https://jod.jsports.co.jp/p/football/football_others/71843-V)トリムカップのインタビューで斉藤選手が語った今後の決意を紹介します。

「日本代表になりたいし、世界で戦える選手になりたいので、自分が今のままじゃダメだなと実感しました。もっともっと練習して努力して、次の大会ではもっともっと上に行けるようにがんばりたいです。」

 トリムカップ ももちろんだが今年の九州リーグでの梅村、斉藤、両選手を含めた大分チームの活躍が今後、大分の女子フットサルという競技にどう影響を及ぼしていくのか見てみたい。
 何はともあれ、まずは大分チームの躍進がなければ始まって行かないのは確かだと思います。
 その中でも、個人的に特に注目したいのが、この斉藤選手です。彼女のプレーを見ている人は分かると思いますが、まだまだこれからの彼女が今後どう化けるのかが、正直楽しみですし、そのように思わせてくれる魅力を持った選手だと感じています。

 そして、5/26(日)九州リーグ、別府アリーナにて開幕のようです!
お時間ある方は是非女子フットサルを覗いてみてください。

最後に

 大分には大分トリニータとバサジィ大分という素晴らしいフットボール環境がありますが、女子フットサルの環境はまだまだ整っていないと思います。今回の取材を通して思った事ですが、大分には今回インタビューした両選手に限らず、若い良い選手がいますし、これからも出てくると思います。実質今大会で優勝した兵庫県選抜と良い試合をしたのは予選だったとはいえ、大分選抜だけだったと思います。それならば、なおさら女子フットサル選手のやりやすい環境が整っていないのはもったいないなと感じます。ならばこの大分で独自の女子フットサルの環境はできないものだろうか?
 優秀な個人を輩出する大分ではなく、女子フットサルというムーブメントをこの大分から発信し、女子フットサルといえば大分となるような大分から全国や世界に発信する環境ができても面白いのではないでしょうか?
 今回の取材を通してそのようにも感じたしだいです。

 前回に続きましてこのような素人のnoteを最後までお読み頂き誠にありがとうございます。表現の至らない点、多々あるかとは思いますが、どうぞご容赦ください。
 そして、第1回の梅村南選手、第2回の斉藤結選手へ、こんな素人の取材にお付き合い頂き誠にありがとうございました。この場をお借り致しまして感謝申し上げます。

平松 功資

MF斉藤結(16)
 大分県杵築市山香出身
 別府鶴見丘高校
 カティオーラALTY所属



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