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【コラム】無知はコストでリスク

5月18・19日。
仙台では、毎年恒例の「仙台青葉まつり」が開催され、お天気にも恵まれた週末、仙台市民はもちろんのこと、多くの観光客で仙台市中心地が賑わいました。

スズメ踊りやお神輿を担いだ人たちで、仙台市中心地の大通りが盛り上がった…のだと思います。笑

というのも、その2日間、私はその賑わいのど真ん中にあるとある会議で、みっちりと「人事制度設計」に関する勉強会に参加させていただき、その基本から賃金設計に関する内容を学びました。

正社員であっても契約・パート・アルバイトであっても、企業に何かしらの形で所属する人は漏れなく、その企業から「お給料」をもらっているはず。
けれど、その「お給料」がどのような仕組みで設定されているのかを知っている人は、少ないのではないでしょうか。

もちろん、私もその一人でした。
現在は独立起業しているので、実働に対する報酬が分かりやすいですが、会社員時代は全くそんなことはありませんでした。

12年間所属した企業の社員時代、毎月のように
「お給料上がらないかな〜」とか、
「なんで私の方があの先輩よりも仕事量が多いのに、先輩の方があんなにお給料が高いんだろう?」と思っていました。

そして、「妊娠・出産した人には手厚い手当があるけど、それがない私たちは何だか損してるよね〜」と同期と話していたこともあります。

最も顕著だったのは、コロナ禍に入った時。
2020年の4月から、世界中にコロナの流行によって経済活動が一時的にストップし、航空業界はその打撃を大きく受けました。

その影響から、もちろんのこと会社の売り上げは激減し、利益が生み出せない状況に。

しかしその当時、私はインストラクターとして訓練センターでの仕事をメインにしていたので、毎日大忙しの状態。
何なら、コロナ対応に追われ、急遽新しい訓練基準の策定のもとでの訓練だったため、通常時よりも準備や実働が多く、忙しい毎日を過ごしていました。

けれど、当然の如く、会社からは決定事項として給与削減を言い渡されました。
説明会で感じた、社員の何とも言えない不満と、諦めと、複雑な気持ちが織り混ざったあのぶつけようの無い空気感は、今でも鮮明に記憶しています。

あのようなイレギュラーな状況に関わらず、通常時でも、賃金に関して社員に不満を感じさせる原因の一つが、企業における賃金設定基準の不透明さからくるものでは無いかと思います。

「私のお給料って、何を根拠に算出されているの?」
「何で会社はこれしかお給料を払えないの?」

そして、学校教育においても、「賃金リテラシー・メカニズム」教育がほとんどされていないので、それら知識面の低さが、従業員の不満に火を着火させる大きな燃料(要因)になっているのです。

人は「分からない」ものに対して不安や恐怖を抱き、その不安や恐怖を「不満」という形に変形する習性を持つので、至極当然と言ったらそうなります。

これって、少し前に「マネーリテラシー」でも同じようなことが言われていましたよね。
週刊誌の見出しでも多くみた記憶があります。

時給1,000円で1日8時間働いてくれるパート従業員を二人雇用する。
その際の1日あたりの人件費は…16,000円?

厳密にはNOです。

けれど、知識がなければこう思うのは当然です。

会社経営をして、実際に人件費を払っている人からしたら当然の知識でも、
雇用されている従業員には理解できない内容も多い。
けれど、人が働く目的の上位に、「お金を稼ぐため」がくるはず。

「お金を稼ぐため」に働いているのに、その賃金の基本そのものがわかっていないという状況は、従業員にとっても「リスク」ではないでしょうか。

ここまで生きてきて思いますけど、本当に自分にとって利益となる情報って待ってるだけでは誰も教えてくれないもの。
学校でもそうです。

その証拠に、補助金や各種税金の知識、節税方法、資金運用のノウハウ…は学校でも教えてもらえないですし、社会科教員の方でもこれらを熟知している方ってどれ程いらっしゃるのだろうと疑問にも思います。

私は現在、大学生を中心に、学生のキャリア形成に関する授業や講演の場に呼んでいただく機会も多いので、就職を希望している学生のキャリアパスを考える上でも、今回学んだ知識は非常に活かせる内容だと感じています。

少し前にコラムでも書きましたが、入社1ヶ月での退職が大きな話題になっていましたが、そこでの理由として多かった「実際に蓋を開けてみたら違った」や「職場環境がブラックだった」というもの。

これに対しても、学生のうちからこのような観点で企業分析や説明会での質疑ができたら、少しはこのような状況を防げるのではと感じます。

一つのイベント的に「1ヶ月退職」をしている方は別として、一般的には
「離職⇨転職」はその人にとってもストレスが非常に高いもののはず。

それこそ「コスト」ですし「リスク」そのものです。

世の中、本当にこの言葉に尽きると実感します。
「無知はコストでリスク」

自分の無知さで自身の首を絞めないよう、私ももっともっと精進して学ばなければです!!

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