地方の小さな会社が上場経験ある役員を入れて失敗した5つの理由
こんにちは。エンドライン株式会社の山本です!
本日は「地方の小さな会社が上場経験ある役員を入れて失敗した5つの理由」をお話しします。
ちょっとナーバスな話ですが、参考になるのでお読みください。(その方の批判になるような後味悪い記事ではありませんのでご安心を!)
他責思考に侵されて
当社は2004年創業の会社ですが、創業後10年も経った2015年頃は会社も安定しはじめてきました。
私は拡大志向が強くなり、当時の若手社員だけでは成長が厳しいなと感じはじめていました。
今考えると、それ自体が他責思考だと思いますが、当時は良い人材が入れば売上は伸びていくという安易な考えを持っていたのです。
人材会社は「良い人が入れば会社は伸びる!」と言いますが、半分正解で半分嘘です。
というのも、「良い理念・良いビジネスモデル・良いマーケティングの仕組・良い評価制度」があっての人材です。
誤解を恐れず言えば、上記があれば人材はある程度普通であれば誰でも構いません。(役員陣は別です。優秀な層が必要です。)
話を戻しますね。
特に上場経験者を社員に迎えると、会社の成長が加速するという話を聞いていたので、有能な人材を確保するために、ハイクラス人材で有名なX社とすぐに打ち合わせをしました。
その頃、X社が福岡に進出してきたばかりで、ヘッドハンティング費用の格安キャンペーンをしていました。
費用が通常よりも安価であったので、すぐに依頼をかけ、良い人材を確保することにしました。
「良い人材に入社してもらい会社を伸ばしたい!」
当時はそのような他責思考が頭を駆け巡っていました。
いざ採用!
募集をかけると、数名の応募がありました。
その履歴書を見ると、当社では採用できない輝かしい経歴の方々ばかりでした。
「おお、このような方々が来てくれれば変わる!」
当時は本気でそう思っていました。
様々な人と話した結果、私より10歳ほど年上のCさんを採用しました。
元上場企業の役員の方で、「創業者と共にIPOを経験したことがある」と話されていたので、Cさんが会社にいたら絶対に売上が上がると思いました。
Cさんの経験などを考慮して、取締役営業部長として招聘しました。
私は期待で胸を膨らませて入社日を待ち望んでいました。
結果はお互い不幸な事に
Cさんにお願いしてなんとかで入社していただいたのですが、結果的にうまく活用することができませんでした。
1ヵ月も経つと既存社員の目が死んでいっていることにも気づきました。
当時、私は「組織とはなんたるものか」など、全く分かっていなかったのです。
結果的に、Cさんには入社してから7ヵ月後に辞めてもらうことになりました。
今振り返るとCさんの入社前から私自身が気を使いすぎて、無理をしていたなあと思っています。
あまり自分目線で書きすぎると、Cさんへの批判になりかねないので深くは書きませんが、私の採用ミスだったと今では深く反省しています。
Cさんに問題があったなどではなく、単に当社とのミスマッチだったのです。
責任は、招聘した私にあります。
しかし、その時の失敗は、組織作りにおいて大きな学びになったので、ここでシェアしておきます。
5つの大きな間違いをしてしまいました。
①理念採用しなかった→肩書で採用してしまった。焦りすぎた。
②自分自身が遠慮した→年上とキャリアに当初から遠慮していた。
③実績がないにもかかわらず、いきなり取締役営業部長にしてしまい、会社のことを任せすぎてしまった
→当社の営業スタイルを理解させないままマネジメントさせてしまった。
④優秀な人が入れば何とかなるという他責思考→自分の器の小ささ
⑤一から積み上げさせる事が出来なかった→優秀な層は何でもすぐできるという間違い
その結果、生え抜きの社員は大変だったと思います。
直属の上司がいきなり私から、知らない人に代わりやり方も変わるわけですから……。
この経験から、組織で行ってはいけないのは、「落下傘型人事」ではないかと思います。
過去の経歴が凄いからと言って、信用しない事。
自社では全く無意味です。
今後幹部候補を採用するのならば、次の5つをクリアしているかどうかを考えることに決めました。
1.社員と共に現場で結果を出せるかどうか
2.手足を動かし汗にまみれることができるかどうか
3.企業理念に共感できるかどうか
4.他人事ではなく、自分事として捉えられるかどうか
5.社長である私に代わって、社長の思いを部下に伝えることができるかどうか
この5つは全て重要な事です。
この5項目は気が向いたらまたnoteに書く予定です。
経営や人材育成に近道はありません。
愚直に粘り強くやっていくのみです。
武田信玄公の名言「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」は素敵な言葉ですね。
信頼できる「人達」は 、強固な「城」に匹敵すると言う事です。
経営に終わりはありません。
安岡正篤が言うように、「長期的・多面的・根本的」に人を育成し、組織文化を強固にしていきます。
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