科学的に正しい「幸せになる方法」偶然、発見しました
先日、道を歩いていたら「幸せになる方法」を偶然見つけました。
しかもこれは誰もが簡単に実践できる方法です。
セックスやドラッグなど一般的に悪いとされているような快楽を得たときに活性化される脳の部位が、その時、活気を帯びているなぁと感じました。
今日はその話をしようと思います。
先日、夕方頃、難波で仕事が終わり、ラーメン屋さんに並んでいたら、近くにやけにオロオロしながら歩いている女子中学生がいたんです。
それがもう本当に絵に描いたようなオロオロでして、一目見ただけで「今この子すごく困っているな」というのがびしびし伝わってきました。
僕はそういう人を見たらほっておけないので、「大丈夫?何かあったら相談のるからね」というオーラを全身から醸し出していたら、
「スマホの充電切れて彼氏とはぐれちゃったんです……」
と話しかけられたんです。
そうか、事情はわかった、よく勇気を出して話しかけてくれたね!と思い、近くを一緒に探すことになりました。
詳しく聞くと、彼氏くんは今このへんの美容院にいるらしいのですが、その美容院の名前を聞く前にスマホの充電が切れてしまったとのことでした。
「充電器貸そうか?」となったのですが僕のスマホはAndroidで、iPhoneの充電器を持っていなくてだめで、
「あぁだめかー」と空を見上げたら、ちょうど僕が並んでいた人気ラーメン屋さんの二階が美容院だったことがわかり、「えっ、こことちゃう?!」と二人でテンション上がりながら一緒に二階まであがり、受付のお姉さんに事情を話して美容院に入れてもらいました。
しかし、彼氏くんはいませんでした。残念ながらここの美容院ではなかったのです。
それからしばらく周辺を探してみたものの結局見つからず、何の役にも立てなかったことに僕の方が気を落としながら「ごめんね、気をつけてね」と別れることになりました。
僕はまたラーメン屋さんに並び、とぼとぼラーメンを食べて20分後くらいにお店を出たら、なんと先ほどの女子中学生が彼氏くんとお店の前で待っていてくれて、
「先ほどはありがとうございました!おかげで無事に見つかりました!」
とわざわざお礼を言ってくれたのです。
僕がしたことなんてたかがしれていますが、なんだか心がとてもぽかぽかして、その日、僕の方が笑顔になって帰れたのでした。
このとき食べたラーメンがなんとまぁ美味しかったこと。
心が温まり、完全に満たされていました。
それは今まで食べたことのない美味しさと言うと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、味以外に別の"何か"が働いているように感じたのです。
僕は「この"何か"とは何だったのか」の謎をどうしても解明したく、家へ帰るやいなや、千冊以上ある書棚から参考となる文献を探しました。
そして、文献を読み始めておよそ1時間後、僕は「ロゼト効果」という驚くべき現象に辿り着いたのです──
アメリカ、ペンシルバニア州のロゼトという町では、およそ50年間にわたり住民に対する調査・研究が行われていました。
1960年代の調査では、45歳未満で心臓病で死亡した住民が一人もいないことがわかりました。
これは驚くべき事実だったのです。
というのもアメリカは心臓病患者の割合が世界で一番高いからです。
世界中の研究者がロゼトで、水質検査や食事の調査、さらには大気調査まで行ったのですが、何年かかっても、住民が心臓病で死亡しない理由を合理的に説明できずにいました。
しかしついにその謎が解明されるときが来ました。この長期間の広範囲にわたる研究の後、心臓病を防いでいたのは──ロゼトの奇跡は──なんと住民同士を固く結ぶ「絆」だったことがわかったのです。
絆がなぜ心臓病を防いでいたのか?
住民同士が親しいコミュニティには、「助け合い」という特徴があります。
助け合いとは、分かち合うこと、協力すること、助けること、与えること、つまり「親切」のことです。
人は他人に親切をすると脳内の化学物質に変化が起き、"絆のホルモン"と言われる「オキシトシン」を作り出します。
この脳内物質が人を幸せな気持ちにさせ、健康にする力があったのです。
ストレスの源を和らげ、心臓病を防ぎ、ロゼトの奇跡を起こしたのは、なんと誰もが何気なくやっている「親切」だったのでした。
この"ロゼトの奇跡"を知り、僕の心が満たされラーメンがやけに美味しく感じた謎を解くことができました。
女子中学生にお礼を言われた帰り道、僕が多幸感に包まれ、ぽかぽかとしたとても心穏やかな気持ちでいられたのは、脳内にこのオキシトシンが分泌されていたからであり、他人に対して「親切」をしたおかげだったのです。
情けは人の為ならず、は本当であり、「親切」はとっても体に良かったのです。
人に親切にすることは相手にとって良いということだけではなく、自分にとっても良いことであり、
そして何より
「本当の幸せは人を幸せにすることにある」
ということにこの時、気が付いたのでした。
愛する人の話を聞いたり、誰かのためにドアを開けてあげたり、仕事で協力したり、苦境に立たされている人に寄り添ったり……日常の些細な行為でいいんです。
週に一度新しく特別な親切を1つするか、小さな親切を3つしてみてください。
「誕生日はお世話になった人に感謝する日」としてみるのもとてもいいと思います。
人への親切から得られる喜びは、人間ならではの特徴です。
「幸せになるためには、他人の幸せを助けること」が最善であり、これこそが、多方面にわたる研究によって裏付けられた、確実な幸福へと続く道だったのです。
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