見出し画像

今ならいわゆる濃厚接触。目次に戻ります。20年でお引き渡しした210件のお客様とのお話。⑥

1棟目のK様との契約は気づけば同期では1番早い契約でした。ただ契約しただけでは終わらないのが私の会社の良い所です。笑

契約は単なるスタートです。ここに酔いしれている場合ではないのです。これから基礎工事から据え付けまでそして最後に笑って引き渡しがクレームなく出来る

かがポイントになるのです。引き渡しまで行くのに様々な苦難が待ち受けています。まず引き継ぎという作業があるのです。電気配線と言ってコンセント、

スイッチ、分電盤、TV配線、電話配線。。。と家の中で使う電気のマークをハンコでペタペタと図面に入れていくのです。コンセントは各部屋3箇所6口を基本

に。TV配線は各部屋1箇所。。この電気配線図も全て営業が作るのです。お客様との打ち合わせした変更の図面も営業が作る。建物の位置を記した配置図も営業が作る。

その積算と見積もり書作成も営業が作るのです。当時はまだパソコンも製図CADも何もない時代です。ワープロが職場に来たのはそれから4年か5年後だった気が

します。図面は手書き、見積り書はカーボン用紙を使って。。。カーボン用紙って言われても、令和の人は分からないのではないでしょうか?

カーボン用紙は紙と紙の間に挟むと下の紙に映すための用紙です。ここから説明しないといけないですね。笑 これまだ平成2年の話ですが。。。

少しでも間違えたり、下の紙の位置がズレていたりすると書き直しです。間違えるとよく夜中に叫んでいました。

「大阪から連れてこられて、俺は何やってんや〜!!!」って。

もう何枚書き直した事か。夜中の23時過ぎにこれをやっている事が多いのです。字が上手い先輩は文字盤もカーボン用紙も使わず直接書いている人もいました。

羨ましかったです。そして当時は禁煙とか分煙とかいう言葉がない時代でした。タバコはどこでも吸い放題で、女性もいる事務所で平気で全員吸っていました。

だからよく図面の上、見積りの上に吸い殻が落ちて穴が空いている人がよくいました。お客様にそのまま穴が空いたまま図面を出す人もいました。

私も当時はタバコをよく吸って、吸いながら仕事していました。本当に当時の常識って、少し時間が経過すると非常識になっている事のなんて多いことか。

最近はタバコを吸っている営業を奥様が出入り禁止にしてそのまま商談が終わる時代です。笑 タバコを吸う人にとっては肩身が狭い時代となりました。

今では吸っている人の方が少ないぐらいですが当時は吸っている人が圧倒的多数でした。会議でもよく吸っていました。灰皿が各テーブルに置かれていたりして。さらに私の入社前はその灰皿が未確認飛行物体よろしく飛んでいたとか。

昭和の仕事の仕方の名残りが多い職場でした。本当に今ではアウトだらけですね。笑

契約1棟目は当時とても上司も褒めてくれたのですが、この仕事は月が変わると全てリセットされるのが大きな特徴です。

これ本当に呆れるぐらいリセットするのです。笑 月に最高6件契約を私が3年目にした事がありましたが、月が変わると「それがどうしたの?」に変わる

可愛い会社でした。先月契約したから?それがどうしたの?の世界なんです。先月は先月、今月は今月。とてもハッキリしています。

確か7月・8月・9月と3ヶ月連続で契約ゼロを取って

しまいました。まだ新入社員でしたが、いきなり「お前存在価値ないよ〜」に変わります。とてもハッキリと。笑 あれだけ褒めていた上司がどうしたのでしょうか?笑

1990年は月に1件の契約だと。会議で立たされている時代でした。月1件の契約だと
「どこか体調でも悪い?」と真顔で聞かれます。その時代に3ヶ月連続契約ゼロは

体調不良を超えて異次元に入った扱いを受けるのです。再度言います。まだ新入社員です。周りが痛々しい目で見てくるのです。

そんな時同期入社の仲間だけは暖かく向き合ってくれたのも今も覚えています。だから私は同期入社と今も仲が良くて、定期的に酒を酌み交わすのです。

この話1人で盛り上がってしまいますので。この辺りで。今回は2棟目契約のN様の話をしようと思っていたのですが。。。。笑

次回へつづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?