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【2023年版】中国越境ECでおさえてほしい3つのポイント 【パート1】

大変ご無沙汰しております。
JUTOU株式会社の辻です。
記事の更新をだいぶ疎かにしておりました。誠に申し訳ありません。
今後はなるべく定期的に更新できるように努めてまいります。

今回は『中国越境ECでおさえてほしい3つのポイント』というテーマを、3部作にわたってお伝えします。

本当は1つの記事にまとめようと思ったのですが、今回の記事の内容が長くなりすぎたため、3つに分けました(笑)

この記事を読んでいただいているのは、おそらく

  • 中国の越境ECに参入したが、売上が上がらず困っている。

  • 中国越境ECを初めて一定の売上が立っているが、ずっと赤字を垂れ流している。

  • これから中国越境ECに取り組もうと思っているが、成功するためにどうしたらいいかわからない

といったお悩みのある方ではないでしょうか?

実際、コロナ前まではインバウンドで爆買いの対象となり、大きな利益を得ていたブランドさまも、最近は軒並み中国市場おいて業績が悪くなったり、売上をある程度作れても、事業全体としては赤字、というところが増えてきています。

本記事では、苦戦しているブランドの中国事業担当者さま、中国越境ECに参入しようと検討されている企業の担当者さまのために、「本当に最低限ココだけは抑えないとダメ!!」という大事なポイントを3つ、詳細に解説していきます。

成功要素というのはたくさんありますが、これからお伝えする3つのポイントを意識して取り組んでいただくだけで、少なくとも現状よりは改善されると考えています。

当たり前じゃん!と思われることかもしれませんが、意外に3つのポイントを疎かにしている企業さまが非常に多いので、是非記事を最後まで読んでいただき、自社が3つのポイントをきちんとおさえることができているのか、チェックいただければと思います。

また、これから中国越境ECに取り組もうとされている企業さまも、これからお伝えする3つのポイントを頭に入れて取り組むだけで成功確率が間違いなく上がりますので、是非参考にしてください。

私たちJUTOU株式会社では、EC運営代行会社や広告代理店といった立場ではなく、第三者のコンサルタントとして数多くのブランドさまをサポートしてきました。中国市場の専門コンサルタント10年以上の経験から、忖度なしで解説していきます。



1つ目のポイント:運用コストの圧縮・プロモーション予算の最大化


天猫国際や、京東国際などの中国越境ECのモールに出店する際、多くの企業さまが運営代行会社にEC店舗の運用を委託します。
また、SNSなどの運用も社内に中国人材がいない場合は代理店に委託するケースが多いと思います。

このEC店舗運用にかかるコストをなるべく抑えて、売上を上げるのに必要なプロモーションに予算をどれだけ捻出できるか、というのが1つ目の重要なポイントです。

日本企業は、そもそもプロモーション費用が不足している。

なぜ、プロモーションに費用を回せと言っているのか?

それは非常にシンプルで、湯水のように資金を投下してくる中国ローカルブランド、海外の大手ブランドと戦う必要があるからです。

「目標売上に対して20~30%くらいで段階的に・・」というのが日本企業の戦い方なわけですが、中国市場においては、「10億円売るのに、10億円分プロモーション費用をかける」ようなブランドが有象無象にいます。
日本企業はもともと分の悪い戦いを強いられているのです。

競争が激しいがゆえに、KOLの単価や広告媒体のコストも高騰し、費用対効果に合わないプロモーションばかりになっている中で、日本企業は「インバウンド」、「日本製品ブーム」という追い風があったために、コロナ前まではなんとか戦えていました。
それが通用しなくなった今、現地で海外の猛者達とガチンコのマーケティング勝負をする必要に迫られています。

海外ブランドのように多額の投資をすることは求めていませんが、可能な限りプロモーション予算にお金を割かなければ、砂漠に水をまくようなことしかできず、市場から退場させられてしまう、ということが起きてしまうので、限られた予算の中でプロモーション費用を1円でも多く捻出しなければなりません。

EC運営代行会社さんなどの提案時のシミュレーションを多く見てきましたが、プロモーションの予算を目標売上に対して、20%~25%、どんなに高くても30%くらいで設定されているところが多いのですが、実際、既に中国国内での人気があるブランドでない限りは、軌道に乗るまで35%以上の設定が必要で、非常に難しい戦いになります。

運営代行会社さんの立場からすれば、自分たちの運用代行コスト+成約マージンを確保しようとすると、プロモーション費用をおさえた計画にしないと、かなり収益性の悪いシミュレーションにみえて印象が悪くなってしまうため、実態からは少しかけ離れたものになっている、というものが多いです。

運営コストを抑えるしかない。

社内への見せ方として、ある程度の利益を確保しながら、プロモーション予算を捻出しようとすると、どうするべきでしょうか?

結論、EC店舗やSNS公式アカウントなどの運用コストを下げるしかありません。

中国の越境EC旗艦店運営にかかるコストをざっくり見ていくと、

  • 商品の原価

  • ECモールに支払う費用(技術サポート料・販売手数料など)

  • 物流・倉庫保管費用、中国国内配送費用

  • 関税などの税金(日本より高い)

  • EC運営代行(+成約マージン)、SNS運用代行、広告代理店への運用手数料

  • プロモーション費用

となるわけですが、

  • EC運営代行(+成約マージン)、SNS運用代行、広告代理店への運用手数料

  • プロモーション費用

ブランド側がコントロールできるのは上記2つです。
(※中国現地生産品、中国向け新規企画商品の場合は、商品原価も一応コントロールできます。)

中国越境ECに参入して、計画通りに売上が上がらなくなると、運営代行コストは年間契約などで縛られるため、プロモーション費用を削るしかない状況に追い込まれます。

そもそもプロモーションの費用が競合と比較して不足しているわけですから、コンバージョンはより減少し、利益も出ない、赤字を垂れ流す、という状態になっていきます。

想定以上に売れない(売れても赤字)
→社内でプレッシャーがかかる
→赤字を減らしたいが、運用コストをいきなり削れない
→ただでさえ少ないプロモーション予算を削減してしまう
→コンバージョンが獲得できず、売上が下がる
→赤字になる
→さらにネガティブになってプロモーション費用を削減してしまう
→撤退 or 運営代行会社を乗り換えて同じことを繰り返す

という負のスパイラルに陥るのです。


今すぐ、運用コストを見直そう。

この負のスパイラルから脱却するためにも、すでに中国越境ECに参入してうまくいっていない企業さまについては、運用コストの見直しをすぐに行ってください。

どうみても収支が合わない、運用コストが負担になっている場合は、運用代行会社さんと値下げ交渉をする、応じてもらえない場合は、安く運用してくれる会社を探し始めてください。

運用代行会社さんの運用の細やかさには多少差はでますが、正直ノウハウや売上を向上させる能力でいうと、よほどひどい会社からの変更以外は、どこもそれほど変わりません。

売上が上がらない主な原因は、次回以降お伝えする残り2つのポイントにあるケースが多いので、その2つのポイントに対応できる運営代行会社でない限り、改善は期待しにくいでしょう。

それよりも、安く、それなりの運用をしてくれる運営代行会社に依頼をして、浮いたコストを1回でも多くライブコマースに使う、ECモール内のコンバージョンを計測できる広告に1円でも多く出稿する、といった売上に直結する、計測可能な施策に投資をしたほうが状況は良くなります。

SNS公式アカウントについても、運用代行会社に任せて適当に運用しても売上につながりにくいので、なるべく費用を抑えて運用すべきだというのが私の意見です。

皆さんも、ブランドの公式アカウントの運用で、プレゼントキャンペーン以外の投稿は、全くエンゲージメントも取れない、フォロワーも全然増えていかない、
にもかかわらず、月々15万~30万円運用代行費用を払っていたりしませんでしょうか?(笑)

そもそも中国の場合は、SNS企業アカウントへのロイヤリティやエンゲージメントが日本以上に弱い傾向があるので、そこに一生懸命お金をかける必要はないというのが私の考えです。
優先順位が低い、ということですね。

心当たりある方はぜひSNSの運用代行コストも見直しを図ってください。

これから中国越境ECに参入される企業さまは、なるべく運用コスト等の抑ええる体制を作って、充分なプロモーション予算を確保してください。

認知度も何もない状態で中国越境EC参入する場合は、よほど商品が良いか、ソーシャルバイヤーが一生懸命売ってくれるようになった、みたいな他のラッキー要素がない限りは厳しい戦いが予想されます。

十分なプロモーション投資もなしに、「中国市場売れないね、難しいね」と、撤退してしまうのは非常にもったいないので、無駄遣いをしないように、プロモーションによりお金を使えるように、越境ECに取り組んでいただければと思います。

まとめ

1つ目のポイント:運用コストを抑えて、プロモーションに投資する
についての解説は以上になります。

もともと中国のECモール旗艦店単体での利益は薄利、またはトントンになるブランドが多いわけですが、運用代行コスト+成約マージンが高すぎると、本来利益になる部分がごっそりなくなってしまっている企業さんが非常に多いので、うまくいかないなと感じている中国事業担当者さまは是非チェックしてください。

今回は以上となります。



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(※記事更新が数年ぶりで、今回気まぐれで書いたので、パート2がいつになるかはお約束できません・・(笑))

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