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中国インバウンドマーケッターが教えるWeChat公式アカウントの実際

中国越境EC・インバウンド専門 JUTOU株式会社の辻です。
日本企業さまのインバウンド、越境EC、現地展開のサポートをしています。

本日は、「中国インバウンドマーケッターが教えるWeChat公式アカウントの実際」というテーマでお話させていただきます。

WeChat公式アカウントは激むず

WeChat公式アカウントとはなにか?については、ググったらいくらでも出てくるので、割愛させていただきますね。
むちゃくちゃ簡単にいうと、日本でいうLINE@の上位互換ですね。

淘宝(天猫)出店など、中国のECモールへの出店は参入障壁が高い一方で、WeChatの公式アカウントは参入障壁が低く、ミニプログラムなどでEC店舗を付加したり、色々カスタマイズもしやすいことから、インバウンド、越境EC取り組む企業さんも開設・運用するところが増えていて、アカウント開設や運用代行する企業も急激に増えました。
そういう私たちも企業さんのアカウント運用をしていたりします。

ただ、中国向けのマーケッターとして多くの企業さんに関わらせていただいた経験から言わせていただくと、

「特に、中小企業がゼロベースでWeChat公式アカウントを運用して売上をがんがん上げるのは9割5分無理」なため、新規で取り組むならかなり慎重になったほうがいい、というのが実際のところです。

マツキヨさんや、資生堂さんクラス以外で、WeChat公式アカウント運用して成果に結びついてる中小企業さんとかありましたら、是非教えていただきたいです(笑)
みなさんが知っているようなブランドでもうまく活用できているところは本当に少ないので、仮に全国のどこかにあったとしても、それは超超レアケースだと断言できます。

ただ、誤解があるといけないので、強調しておきたいのですが、WeChatは非常に重要なツールです。
WeChatを上手に、徹底活用して成功しているローカル企業もたくさんありますし、フォローしてくれたユーザーへの情報発信・インタラクティブなコミュニケーションが取れるため、中国向けのマーケティングツールとして重要性は日に日に増しています。
私が言いたいのは、中国にも展開していない、ド新規で展開しようとする企業さんが数十万円以上お金かけてアカウント作って無駄にカスタマイズしたり、月額費用を払い続けて運用するのは、優先順位としてどうなの?ってことです。

WeChat企業アカウントが得意なのは、会員化・CRM

WeChat企業アカウントはそもそも日本でいうLINE@のようなクローズドなチャネルです。
基本的には新規集客ではなく、会員化、CRMが得意で、新しいお客さんは呼んではくれません。
なので、一生懸命、運用費用をかけて記事を配信しても、新しいフォロワーは増えたりしません。基本的には外から引っ張ってくるしかないのです。外から引っ張ってないのにフォロワーが増えていたら、ボット(偽物)のフォロワーを増やされていることを疑ったほうがいいです(笑)

一応、Wechat内のプロモーション手段もありますが、「新規集客」という観点から見ると費用対効果はあまり良くないので、優先順位は高くありません。代表的なものは、以下の2つです。

①WeChat内の広告プラン

WeChat内のモーメンツ広告は高いため、活用できる、効果の出る企業が限定される。

②WeChatのインフルエンサー
そもそもWechatのインフルエンサーは高く、クローズドなチャネルなので、フォロワー以外のユーザーに記事が見られる可能性は低くなりがち
⇒WEIBOやREDBOOKやTIKTOK、その他のOtoO口コミアプリ等でプロモーションしたほうが不特定多数に閲覧される可能性が上がる。

というように簡単には手を出せるものではなく、優先順位としては下がります。
ちなみにWeChat以外のチャネル、つまりWEIBOやREDBOOKでプロモーションしてWeChatをフォローもらう、というのも難しいです。必ず間に、「来店」や「購入」といったアクションを挟まないと誘導が困難です。

淘宝(天猫)、京東の代わりにWeChat公式アカウント内にEC店舗を作りましょう、と提案されるところもありますが、上記のように新規集客が難しいため、結果的に淘宝(天猫)などのモールのほうが全然売れるね、という感じになると思います。
天猫、京東に出店して売っているブランドが、WeChat内にEC店舗を持つのはありです。(ちゃんと運用できればですが)

WeChat公式アカウントはこうやって活用しよう。


・すでに中国に向けて越境ECや現地展開している企業
・インバウンド等ですでにある程度のブランドが有名になっている企業
・すでに中国人の集客ができている企業(ないし、新規集客の見込がある企業)
・観光客の来るエリアに店舗展開している企業

上記にあてはまるような企業さんであれば、名簿を効率よく増やしやすく、フォロワーがロイヤリティーの高いファン客に切り替わる可能性も高いため、WeChat公式アカウントを運用するメリットがあるかなと思います。

上記にあてはまらない企業さんはとにもかくにも新規来店を取る仕組みを考え、投資をするほうが優先順位が高いです。
アカウント作るなとはいいません。つくるだけ作っておいてもいいです。
ただ、運用を外注して月10~30万使うくらいなら、その費用を新規集客のコストに回して1人でも多くの新規客を獲得したほうが、売上に寄与すると思います。
きちんと新規集客ができるまでは、公式アカウントではなく、WeChat個人アカウント作って、個人アカウントをフォローをしてもらうだけでもいいかなって思います。

しっかりと新規集客をして、集客したユーザーをWeChat公式アカウントに誘導し、越境ECで売るのか、リピートしてくれるようにするのか、口コミ書いてもらうのか、落とし所を設けて情報発信・コミュニケーションを取ることで、はじめてWeChat公式アカウントを活用する意味が出てきます。

これからWeChatに取り組もうとお考えの方も、すでに公式アカウント作って運用しているものの、効果がよくわからない、成果に結びついていない、という方も一度上記を見直してください。

テンセント、WeChat関係者の方が見ていたらやばいので、もう一度最後に念押ししますが、「WeChatは極めて重要なツール」です。
活用するタイミングと方法を間違えず、本気で運用すれば、必ずあなたの中国インバウンド、越境EC、現地展開の強力な助けになると思います。

本日はここまでです。
ご質問などありましたら、遠慮なくご連絡ください。

ありがとうございました。
是非色々な方に見ていただきたいので、拡散してください(笑)
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