〜から/〜ので・〜だけあって・〜だけに 意味・使い方 【例文付き】 <「理由」を示す表現>
JLPT対策をしていると「理由」に関連する表現がたくさん出てきます。
それぞれどのような意味を持っているのか例文とともにまとめたいと思います。
紹介する表現:〜から/〜ので、〜からといって、〜だけあって(だけのことはある)、〜だけに、
そもそも「理由」とは
辞書で「理由」という言葉を引くと、「なぜそうなったかという筋道。また,なぜそうするかという根拠。わけ。事情。」と書かれていました。私はこの「理由」は大きく分けて「原因・要因」と「目的」に分けられるのではないかと思っています。
この点については理由を尋ねる疑問詞「なぜ・どうして・なんで」を使って整理してみたいと思います。
Aさんの回答もBさんの回答も質問にちゃんと答えています。でもその本質はなんだか違いますね。Aさんは日本語を勉強することになった「原因・要因」について話していますが、Bさんは日本語を勉強する「目的」について話しています。「原因・要因」と「目的」は言い換えると「過去に視点を置いた理由」と「未来に視点を置いた理由」と言えるのではないかと思います。
この根本的な繋がりは文法学習時点では教える時にそれほど意識したりしていないです。ただ、読解の授業の際に「どうして・なぜ」が問われる問題への理解と答えの作り方を教えるときには触れておくようにしています。
そのため、若干ややこしいかもしれませんが、この記事の中では「理由」の中に「原因・要因」と「目的」が含まれているということをご承知の上読み進めていただけるとありがたいです🌱
〜から・〜ので
【形】普通形・丁寧形+から
【意味】前件が後件の理由を表す。理由を表すものの中でも最も代表的な表現。
【例文】
①雨が降っているから(ので)、傘を持って学校に行く(原因・要因)
②A:あら、傘忘れたの?電話してくれたらよかったのに。
B:うん。そう思ったんだけど、スマホの充電が切れてたから電話できなくてさ。(原因・要因)
③毎朝コーヒーを飲みたいので(から)、ついにコーヒーマシンを買いました。(目的)
④コーヒーマシンを買ったから(ので)、今月は自炊を頑張ることにした。
(原因・要因)
【教えるポイント】
①②は「〜から・ので」の用法の中でも「原因・要因」に分類されます。その中にも②のように直接的な因果関係を表すもの、①のように前件の内容(雨が降っている)が後件の動作(傘を持っていく)の判断の根拠になっているものがあります。
③のように願望を表す「〜たい」を使えば「目的」を表すこともできます。これは「〜したい」という願望が未来に焦点を合わせる役割があるからかもしれません。
(なんとなく、代表的に目的を表すとされている表現、「〜ために」よりも「〜たいから」や「〜ようと思って」の方が日常会話の中ではよく耳にする気がします。)
また、④のようによく観察してみると論理が省略されているものも注意が必要です。
中級や上級の学習者の書いた作文(意見文)を添削していると、一つ一つの文・段落の論理的なつながりや因果関係などを意識しながら読む・書く力を養うことが大事だなあ、と感じることが多いです。
〜からといって
【形】普通形+からといって
*〜とはかぎらない、〜わけではないとよく共起する
【意味】[から:前件が後件の原因・きっかけを表す。]を踏まえて、前件の内容が必ずしも後件の「原因・きっかけ」になるわけではないことを表す。
因果関係→起こりえる他の可能性、判断の根拠→その脆弱性を示す。
【例文】
・笑っているからと言って、怒っていないとは限らない。
*「目が笑ってない」の意味と絡めて話をしたりします
・留学したからといって、必ずしも話せるようになるわけではない。
〜だけあって
【形】V・A(普通形)+だけあって
Naな/N(である)+だけあって
【意味】前件の内容=前提として踏まえると、後件の内容は不思議なことではない/納得できる。
【例文】
・10年かかって製作されただけあって、ストーリーも音楽も素晴らしい映画だった。
・三つ星レストランとコラボしているだけあって、500円とは思えないくらい美味しい。
・アニメ大国と言われているだけあって、日本では子供から大人まで幅広い年代の人がアニメを見る。
・10年もイギリスに住んでいただけあって、英語の発音はネイティブみたいだ。
【教えるポイント】
「〜だけのことはある」「〜だけに」という文型も存在するので、一緒に押さえておきましょう。
「〜だけのことはある」
「〜だけに」
まとめ
今回は、〜から/〜ので、〜からといって、〜だけあって(だけのことはある)、〜だけに、についてまとめました。それぞれ共通して理由に関する表現ですが、その違いやニュアンスについて参考になれば幸いです🌱
理由などの前件・後件の関係性が重要な文型は、並べ替え、前件・後件作文をして学習者が文型の形と意味を理解できているか確認します。
いくつか練習問題を作ってみたので載せておこうと思います。
この記事は以上になります。
最後までお読みくださりありがとうございました🌱
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