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【心理学】河合隼雄の言葉は古びていくのか?

最近、久しぶりに
臨床心理士の巨人だった
河合隼雄先生の本を
読み返した。

うつ病で休職中だった時は
毎日、何時間も、
河合先生の本を読んでいた。
もはや、河合隼雄教という宗教の
「信者」だった。

新潮文庫では、
『こころの処方箋』という
エッセイ集があり、
とても読みやすい。
あまりに読みやすいから、
夫婦問題に悩んでる人には
それを解決するヒントをくれるし、
創作に悩むコンサートの指揮者には
創作にまつわるアイデアをくれる。
驚いたのは、
自己啓発好きな若者には
自己啓発書として読めるらしい。
自己啓発よりはるかに
奥行きも深く、大局的な視野の
本なのだけれど、
仕事しか頭にない若者には
ビジネス書に見えるのかあ?
ウツ病から河合隼雄先生に
出会い、助けてもらった、
私みたいな人間には、
大局的で根源的な生身の哲学者でした。

今回、久しぶりに
河合隼雄先生の本を読んで、
ちょっと不安がありました。
河合先生が亡くなって、
もう17年になります。
亡くなったのは、2007年でした。

さすがに長い時間を経たから、
もしかしたら、
今読んでも、古臭い感じに
なるんじゃないかと心配したんです。

でも、それは杞憂でした。
まだ河合隼雄先生の言葉や思想は
今もしっかり心を打ってくれた。

まだまだ万能な薬をくれる
処方箋であったから嬉しかった。
あれだけ、苦しかった時に
助けてくれた先生の言動も、
激動の時代にあっては、
古びてしまわないか?と。

河合隼雄さんの本で、
よく多出するのは 
「魂」「たましい」という言葉です。

心、気持ち、メンタル、
といった言葉より、 
河合さんはたましいという
言葉を好んで使いました。

たましい。

久しぶりに、この語彙を
繰り返し、目にして、
たましいの在り方など、大切な話を
聞かせてもらえた気がしました。
 
もしかして、
最近、我々の社会は、
「たましい」という言葉を
避けようとしいる側面がある、
のかもしれませんね。
スピリチュアル、という言葉も
最近、あまり聞かないなあ。

あるいは、
ここ数年、
ウツ病による休職やその復職など
現実的なことに必死なあまり、
すっかり視野が狭くなった私が、
一人だけ、
魂やスピリチュアルといった言葉から
遠ざかってきたのかもしれない。

また、月イチくらいで
河合隼雄先生の本を、
読み返していこうと思いました。

先生の言葉は、
亡くなってから、
17年経っても、ちっとも
古びてはいなかったから。

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