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【編集者】昔は成功パターン、今はそれが失敗パターン…!

私は自己ピーアールが苦手です。
不必要な自己正当化のようで、
よけいな自己顕示に思えるんです。
だから、面接はとにかく下手(笑)。
プレゼン力も最低限(笑)。

でも、そんなにアピールしなくても
私はここにこうして存在してる。
何らかの役割を担って生きている。
…それ以上に言葉でああだこうだと、
自分をアピールするのは
いやらしい、とすら思っていました。

漫画の編集者時代、
私のプレゼンはシンプルでした。
たとえば、
水木しげる先生に声をかけます。
先生の、まだ発表してない作品で
ホラーをテーマに短編集を出したら、
ファンは読みたいはずでは?
マニアックなファンは
1万人は必ずいるはずです。
どうでしょう。
…こうして上司のOKを貰えば
後は作家さんと何度も打ち合わせて
具体的に詰めていきます。
なんて幸せな仕事でしょう?

自己ピーアールも何もありません。
みんなに愛され、本もよく売れる
作家さんさえ味方になってもらえば、
私のプレゼン力が弱くても
会社は私の企画に賛成するしかない。
速く進めなさい、となる。

この作戦は、編集者としては、
ちょっとズルいんですね…汗。
「鬼滅の刃」の編集者のように、
まだ無名の、原石になる新人を発掘し、
育てていくのは、膨大な労力と時間が
かかります。しかもダイヤモンドに
なる確率は100%ではない。

私は、既に世に出ている作家さんに
会い続けるというやり方で
30代には、何冊か細やかながら
「成功」を体験しました。

でも、気づいたら、そんな「成功体験」
パターンばかりになっていて、
一から新人を見つけ、
コツコツと一緒に育つという
修練をしていませんでした。

40代から、私のやり方がだんだん
通じなくなりました。
次々と未発表作品が大手出版社から
デジタル化されたからです。
もう未発表作品はほとんど
世の中から消えました。

私はこうして、
時代の潮目に迷子となって、
しくじり編集者になり、
うつ病になってしまいました…。

自己分析や自己アピール力がとても
必要になるような、
まだこれから?の新人作家を
育てていくスタイルだったら
私の40代はもう少し、
違っていたかもしれない。

ワンパターンの成功体験で
私はちょっと天狗になって
いたのかもしれない…?

さあ、問題はこれからですね。
私はどんなスタイルで
これからを生きていくのがいいか?
まだまだ五里霧中ですが。


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