見出し画像

【手塚治虫】アイデアならバーゲンセールに出すほどある!

今日2月9日は、
手塚治虫が逝去した命日だそう。
1989年、手塚治虫は60歳だった。

1989年は、1月そうそう
昭和天皇が崩御され、
慌ただしく、不気味なムード。
1月8日からは、
平成元年が始まっている。

そんなそわそわした時代。
手塚治虫は2月9日に
亡くなっていたのかあ。

あの時は、ただただ、
マンガの神様がこの地上から
姿を消したのかあと
シンプルにショックを受けました。

手塚さんの作品は
子供時代に『ブラックジャック』を
よく読んでいました。

というか、
手塚作品では
ほぼ『ブラックジャック』しか
読んでいなかった。

だから、
手塚治虫に親しむようになったのは、
手塚さんが亡くなってから。

学生時代は、
ヒトラーのルーツに材を得た
現代サスペンス『アドルフに告ぐ』や
幕末医療の苦悩を描いた元祖
『陽だまりの樹』など
本格派から入っていきました。

まあ、この2つは、
今でも、私の手塚治虫作品の
No.1とNo.2です。

じゃあ、ベスト3は?

すぐに浮かぶのは、
社会派サスペンㇲ『奇子』(あやこ)。
でも、奇子はマニアックかな。
あるいは自分の体を取り戻すために
戦い続ける宿命の『どろろ』か。
エロティックな『ばるぼら』も
印象深い作品でした。

でも短編読み切りもアリなら、
戦争が終わる、
敗戦の瞬間を描いた『紙の砦』が
いかにも、これから日本が
平和になっていくんだ、
自由にマンガを書いてもいいんだ、
と喜ぶ手塚さんの
すがすがしい気持ちに溢れた傑作。

読むなら、手塚治虫全集で
探すことになるのかしら?

もちろん、
『火の鳥』や『ブッダ』や
『ブラックジャック』や
『ジャングル大帝』
『リボンの騎士』などなど、
手塚さんといえばこれでしょ!
という名作もたくさんありますが、
不思議ですね、人間には
必ず好みというのがあるようで、
読み切り短編がいつまでも
頭に残っていたりします。

きっと皆さんも、
ご自身の手塚作品ベスト3を 
挙げるとしたら、
1つくらいはきっとマニアックな
作品が入ることになるのでは?

さて、 
以下は私の自慢的な(笑)回想です。

まだ30歳になりたての頃、
私は手塚治虫の読切り短編をセレクトし、
編集する企画を出したら受かりまして。
人生初のビッグな仕事に、
私はびくびくしながら
朝霞台にある手塚プロを伺いました。
この日が私の編集人生が
本当の意味で始まった気がします。

その打合せが終わった時に、
手塚プロの最上階にある
お仕事場を見せていただきました。

普段は厳重に鍵のかかったお部屋。
もう先生が亡くなってから 
10年近くが過ぎていましたが、
滅多に開けないからでしょう、
深紅の絨毯とカーテンが色褪せず、
重厚な空気が部屋を覆ってました。

机は3つありました。
アニメの絵を描く机。
マンガを描く机。
それから、それ以外に
エッセイや解説を描く机。
書き分けるというか、
座り分けていたんですね。
気分を変えるのは、
大切だったのでしょう。

それから、本棚には、
ウォルト・ディズニーから
もらったという玩具など、
貴重な宝物が並ぶなか、
様々なミステリー小説が
並んでいました。

そういえば、
手塚治虫さんは晩年、
「アイデアだけなら、
バーゲンセールに出すほどある」 
と豪語して、業界を驚かせました。

書いても書いても、
アイデアが浮かぶなんて、
そんな人はそうそういませんから、
あの言葉には、
マンガ家、作家、映画監督らが
ため息まじりに羨ましがりました。

私も、毎日、アイデアを
ひねり出して、このnoteを
ヒーヒー言いながら書いてますが、
いえいえ、手塚治虫先生とは
比べてはダメですよね(笑)。
神様なんですから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?