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【生きる】人生は本当に一度きりだろうか?

「人生は一度きりだ、悔いなく生きよう」
という考え方を、私たちは
毎日、そこかしこで出合う。
自分たちも、そうだと思ってる。

ところで、
本当に、人生は一度きりなのか?

以前、養老孟司先生が、
ある本で、虫取に訪れた、
ミャンマーだかラオスだかでの
印象深い話を書いている。
現地の人と町の食堂でいた時、
コップにハエが止まったのだけど、
誰もハエを追い払ったり、
叩いたりしないのだそう。
ちょっと疑問になって聞いたら、
現地の人は、このハエは
もしかしたら私の死んだ親かもしれず
亡くしたおじいちゃんかもしれず、
だから、叩いたりしたら困ると、
大真面目な顔で言う。

人間の時間や歴史が、
一直線に伸びてると考えるのは、
近代合理主義の考えで、
時間や歴史が螺旋状に回ったり、
輪廻転生したりする考えは
世界では実は今も多い。

時間を一直線だと信じる方が、
少数派なんですね。
合理主義を基盤にした
ヨーロッパ、アメリカ、
そして日本、、、、。

ラオスやミャンマーに
日本の自己啓発書を見せて、
人生は一度きりだから、
悔いなく生きようって話しても
現地の人は笑うだけだろう?(笑)

私は、今、自分たちが当たり前に
思っていること、信じていることを
一枚一枚、取り剥がそうと
思ってこんな話をしています。

「人生は一度きり」は
人間が文明のために作り出した
イリュージョン、幻想、虚構なんですね。

「神様」も人が作り出した虚構。
貨幣価値も、イリュージョン。
恋愛による幸せもイリュージョン。
「成功」もイリュージョン。

人が作り出したイリュージョンを
片っ端から剥がしていったら
果たして私達はどうなるでしょうね。
発狂してしまうかしら?
それを突き詰めたら、
老子思想やニヒリズムになるしか
ないですかね?
それは不毛と感じるから、
明治の日本人は、西洋の
合理主義を採用したのかな?

ということを考えると、
「人生は一度きりだ」と考えるのは、
本当は違うかもしれないけど、
便利上、仕方なく取り入れてる、
と頭の片隅でわかっていたら
少し分別がつくかもしれない。

自分が信じてる価値観は
イリュージョンだとわかってる人と、
イリュージョンでなく本物だと
過信してる人では、
やはり、何かが決定的に違ってくる。

それは余白が出来るということ…
かしら。心の余白が…。

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