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【話す】雑談力より、座談力がもっと大事。

リモートだし、疫病禍だし、
最近は、雑談はあまりしない傾向に。
雑談力なんて本も余り出ていない。

去年ベストセラーになった
すばる舎の「人は話し方が9割」も
より短時間で効率よく人を
惹きつけるチカラについて。
それが受けました。

こんな疫病禍では
だらだら雑談してるオジサンは
嫌われますね。

雑談はさておき、
今でも大事なのは、座談力です。

さて、座談と雑談は、
どう違うのでしょうか?

座談は話すテーマや目的が
きちんと決まってることですね。

テーマや目的が決まってるなら、
そこを目指して、
話の流れや脇道や着地点を
あれこれ思案しながら
話していけばいい。

この時、大事なのは
些細なエピソードの引き出しの
数の多さでしょうか。

編集者の中には、
座談の名手がしばしば、います。

うっとりするような、
座を持たせるような、
場を温めるような発言を
サッと口にして、
相手や周りの空気を
見事にもりあげます。

こんな経験があります。
ある2大漫画家の対談を
セッティングしたことがありました。

どちらも大人気漫画家で、
そんなお二人と生で
お会いして、
お話しすることに、、、、
もうその段階で、私は
心臓が口から出そうに、、、。

また、漫画家さんも
互いに敬愛してるから、
緊張なさっています。
私はそれを宥めるために
気を配らねばならない役目なのに、
未熟者の私は
そこをケアする余裕がありません。
情けない編集者…(笑)。

対談は
司会役のライターの質問と、
それに答える漫画家の話に
かかっていましたが、
これでは、場の空気を
管理・誘導する人はいませんね。

でも、私は冷や汗びっしょり、
座談を誘導する力もなく、、、。

そこへ、先輩編集者が
応援に来てくれました。
対談を某ホテルですると
知らせていたからです。

先輩編集者は
差し入れのチョコレートを
漫画家に配りつつ、
場がまだまだ固いことを
見抜いたようで、
急にポロッと話し始めました。
「いやあ。少女漫画ってのは、
結局、学校時代の毎日が
今になると全部ネタになるんですよね」

この一言をきっかけに
漫画家さんがニコニコと
自分の学校時代を話し始めました。
「たしかに、ほんと、そうね、
あんなにさぼりたかった毎日が
今は創作の大事な材料なんだから」

こうして、漫画家の対談は、
温まり、うまく行きました。

確かに、小学校、中学校、高校、
就職、専門学校、大学、
そこで味わったことが全部、
創作の材料であることは、
noteでも同じなんでしょうね。

雑談力は、数分、無言が
続かないようにする力かも
しれませんが、
座談力は、内容があり、
話者が魅力的に見える力です。

ただ、数分、埋めるのでなく、
その話に魅力を感じさせるチカラ。

漫画家相手に
創作の基本を話してあげれば、
漫画家も、ネーム描きで困る時、
エピソードは学校時代から
引っ張りだせばいいんだと、
頭のどこかに記憶されそう。

先輩編集者は
10分くらいして、
それではまた、
とあっさり帰っていきましたが、
いやあ、
場を持つ人、座談の名手には
敵わないなあ。

話し方のマニュアル本や
去年の『人は話し方が9割』が
どんなことを書いていようと、
人は自分の人生で得たエピソードの
引き出しの数しか話せませんから、
無理をすると、こじらせます。

みんな自分の実人生で
たくさん?いくらか?
人生を経験をしてる訳で、
そんなに無理して話し方の本なんか
読まなくていいのではないかしら?

まあ、漫画家の対談では
汗ぐっしょりになりましたが、
それもまた私のこれからの座談力の、
良い勉強になりました。

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