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【才能】有望な作家には急に開花する瞬間が訪れる?!

「面白い作家が、 
凄い作家になる瞬間がある。…中略…
本書を読んだとき、凄い作家になった
と感嘆したものだ」

今日、手にしたミステリー小説の
巻末にそう書いてあり、
思わず本を持つ指にチカラが
入りました。

わかる、うん、うん、わかる〜。
あともう一息、 
あともう一歩、
そう前から感じていた作家が、
ある作品を発表した時期を堺に、
「あれ、これは凄いぞ、
ブレイクスルーしたぞ、この作家は」と
もう書き出しから
才能が溢れ出しているのが、
ビシビシ伝わってくる、
そんな事がたまにありますね。

たとえば、原田マハさんなら、
デビュー後はしばらく
原作つきとか、
恋愛映画企画だったりで、
読後感もふわふわしていたのに、
『キネマの神様』や美術小説を
発表された時でしょうか、
それを立ち読みした途端、
なんだか鳥肌がたって、
「うわ、これ、本格的やん、
チカラが定まってきたやん!」
そう感じさせられたものでした。

あれは何なんでしょうね?
ある日突然やってくるんですよね。
もちろん、作家の魂の中で
じわじわ、ヒタヒタ、
はぐくまれていたんでしょう。
それが最新作でいっぺんに
開花したように見えるのでしょう。

そういう「バケる時」が
すべての作家、
すべてのクリエイターに
訪れるかとなると、
それはまた違うのでしょうけれど。

ちなみに、
冒頭に引用した巻末解説は
天祢涼(あまねりょう)さんの
ミステリー小説
『希望が死んだ夜に』文春文庫です。

その巻末を書いているのは、
ミステリーの評論家、
細谷正充さんでした。
 
天祢涼さんのこれからが
がぜん、楽しみになりました。

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