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【人生の理想】一番大事なのは、お金?教養?驚き?@国木田独歩

生きている間、 
私は何かに驚いていたい、
驚きつづけたい、
そう願いながら、生きています。

そんなふうに考えているんだあ?
そんなふうに生きてきたんだあ?
そんなふうに頑張ってるんだあ?

他人と接し、話を聞きながら、
私はいつも、驚いていたいんです。

でも、これが案外、難しい。
人間は知ったかぶる生き物だから、
つい、驚くのとは反対に、
「あ、それね、それはさ、
こうで、ああで、こうで、
だからでしょ?」みたいに見栄を張る。
よくやってしまう。

「おれはよくモノゴトの本質が
わかっているんだ」とか、
背伸びをしたくもある。

見栄や背伸びは
驚くという精神行為には
邪げでしかありません。

ところで、
人生を驚きやすい心を手に入れろ、
と私に教えてくれたのは、
国木田独歩の小説
「牛肉と馬鈴薯」でした。

とある料理屋で、
何人もの゙人が集まり、
自分は何者になりたいのか?
明治時代の青年たちが
熱く語っていました。

一人は、
人生は何事もお金だ、
俺はうんと働き、
毎日牛肉を食べられる程、
お金持ちになってやるんだという。

すると、もう一人は、
人生はお金なんかじゃないんだ、
哲学や科学をおさめ、
人生や世界の意味を極め、
そのためには、毎日
馬鈴薯ばかりでも構わないんだ、
と理想を語る訳です。

すると、
そんな、牛肉か?馬鈴薯か?
つまり人生はお金か?哲学か?
という議論に分かれる中、
一人の青年は奇妙な話をするんです。

「人生は牛肉でも馬鈴薯でもない」、
というんです。
その青年にとって、大切なのは、
人生を分かりきった気持ちを無くし、
いつも人生の様々な場所で、
新鮮な気持ちでいるようにしたい、
いつも驚いていたい、
そういうんです。

牛肉か馬鈴薯か、
騒いでいた青年たちは
冷や水をかけられたように
静かになってしまいます。

誰もが「人生はお金だ」
「人生は哲学だ」と
答えを決めようとする中で、
答えを決めつけない姿勢こそ
大事じゃないか?と
最後の青年は問題提起を
してくれた訳ですね。

これは難しい。
人間はつい
「自分の話はもっともだろ!」
という姿勢で、日々、
話をしたり、
記事を書いているからです。

驚き続けるには、
新鮮で、擦れない心が必要です。

毎日、情報のインプットに
勤しんでいると、
ついつい、新鮮な心が
なくなってしまい、
驚く余裕がなくなっていく。

それがどんなにもったいないか、
国木田独歩の小説は、
そんな小さな発見を教えて
くれようとしてる、ような気がします。

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