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【書く読む】書くことはテレパシーである。

「書くこととは
テレパシーである。」

こう断言するのは、
現代ホラーやミステリーの
第一人者、
スティーヴン・キングです。
それも、大真面目に言っている。
決して、作品中の人物に
言わせている訳ではないんです。
初めてこの言葉に出会った時は、
キングったら、またまた〜、
ホラふいちゃって〜と
思ってしまったもの。

テレパシーって?
さすがキングだなあ。
定義付けで人を振り向かせるには、
ここまで極端に言い切ることが
大切ってことなんだろうか。

というか、
書くことはテレパシー、
つまり特殊能力だ、
というのは、
ホラー作家ならではだろうか。

「スタンドバイミー」
「シャイニング」や
「キャリー」「イット」
「ミザリー」「ミスト」
「ペットセメタリー」
「ショーシャンクの空に」
「グリーンマイル」
もうキングの名作を数えあげようなんて
言いだしたらキリがないですね。

たしかに、
キングの作品には、
正体不明の能力が登場します。
でも、
キングが創作論
『書くことについて』
(小学館文庫)で示してるのは、
書こうとする人間には、
テレパシーみたいな力を
知らず知らず使っていると
話しているんです。

キングはこう書いています。
「ものを書くときの動機は
人さまざまで、
それは焦燥でもいいし、 
興奮でも希望でもいい。
あるいは、心のうちにあるものの
すべてを表白することはできないと
いう絶望的な思いであってもいい」

書くということは、
確かに、テレパシーらしい。
見たことも話したこともない
人たちに向けて、 
何十キロ先、何百キロ先にいる人に、
通じてくれると信じて、
何かを発信している訳ですね。

考えたら、ある意味、
とんでもない暴挙です。

いやいや、私の話は
みんなに伝わる、通じてもらえると
最初から思い込めるなんて、
どうかしてるぞ、、、
キングはそうも言ってるのかな。

ホラー作家キングって
実は大真面目なリアリスト!ですね。

書くとは、テレパシー。
それはわかったとしましょう。 

キングはさらに
「読む」という行為も
テレパシーだと言います。

テレパシーを発信するのが
書くことなら、
テレパシーを受信するのが
読むことだという。
たしかに、会ったこともない人から
送られてきた何らかの言葉群を、
何百キロ、何千キロも
離れてやってきた言葉たちを
「理解」しているのです。
確かに、そうかあ
読むとは、また、テレパシーか。

スティーヴン・キング
「書くことについて」
(小学館文庫)は、
書くことについて考えたい人には
読んで欲しい一冊です。

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