【本と音楽】音楽は本のライバルだと思ってた30代。それは間違いでした…

恥ずかしながら、音楽を
憎んでいたことがあります。
30代、一番仕事をしていた頃。

ずっと新卒以来、紙媒体の
出版社で、漫画や書籍を
作ってきました。
文字情報で視覚に訴えるもの。
しかも、漫画や書籍は
ニュースと違って、一定の世界へ
読者から入ってきてもらう
必要があります。
読み始めてから感動まで、
数分はかかるわけです。

ところが、音楽は!!!
音や声や音波で聴覚に訴える。
耳は常に開いてるし、
脳の深い部分にズドンと
数秒で心に訴えかける。
感動までまさに5秒でいける。

ズルくないですか?音楽は?
…って思っていたわけです。
紙はどう足掻いても、
読者から入って来てもらわねば
ならないですし、
感動まで数分、数十分はかかる。

文字情報による視覚メディアより、
音情報による聴覚メディアのほうが
脳の根本的な場所に素早く届く。
ズルいなあ、音楽は…!?
打倒・音楽!打倒・Jポップ!
そう心から思ってたんです。

気づいたら、音楽業界の人すら
ライバル視していた。
バカでしたね、愚かでした。

後に心理学で知ったんですが
聴覚と視覚は「共感覚」と呼ばれ、
密接に関連してるから、
双方を刺激し、高めあっていくのが
一番いいらしいと…。
脳では、音楽と文字媒体は
切り離されたものではない、
根っこでは繋がっているんです。

道理で、実力の高い漫画家さんで
音楽が大好きな人、
音楽へのアンテナが豊かな作家は
多いはずです。

逆もまた然りで、
小説や人文など本をたくさん読む
優れた音楽関係者もまた多い。

私は無知さゆえに
音楽と本を切り離して
考えてしまいました。
実は、繋がっているのに。

漫画界には意外と
音楽をライバル視する
作家や編集がいるのですが、
視覚と聴覚はどっちも刺激し
感受すべき、共感覚なんですね。

おっと、本ばかり読んでいないで
いい音楽も聴いていかねば。

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