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【本屋】街の小さな書店の女主人から、売れる本の法則を教わりました。

人生で一番印象に残っている
本屋の人って誰だろうか?

最初に思い浮かぶのは、 
神田神保町の交差点にある
街の小さな本屋さんの
女性店主です。
たまに雑談してくれます。

編集者時代には、新刊を出す時、
カバーの案をいくつかプリントして
持っていきました。

そのおばさんに、どれが一番
売れそうに見えるか?
アドバイスをもらいに行ったり
してたんです。

女性の年齢の話はしたら
いけないでしょうけれど、
もう還暦は越えてらっしゃいそう。
もう毎日毎日、
人生で何万冊もの本を箱から出しては、
目利きして、
売れそうか?売れなさそうか?
直感で判断し続けてきた、
貴重な体験の持ち主です。

『バカの壁』(養老孟司)や
『鈍感力』(渡辺淳一)が出た時、
この方がこんな話をしてくれました。

今は核家族で、みんなバラバラで
年上世代と一緒ではないから
こうした年長者の知恵みたいな本が
よく売れるのよ。
昔は自分の親や祖父母らから、
日々、普通に聴いて教わってた
常識、マナー、知恵ばかり。
昔はただだったのよ。
変われば変わるもの。

それを今はお金を払って
本として吸収してるのよね、と。

なるほど~。
2~3世代前の人らが、
当たり前に持っていて、
受け継いできた知恵や常識が
今は貴重なベストセラーとして
重宝されているのです。

だから本を出す時は、
そこは大事にして企画したら
いいよ、という訳です。

さすが、毎日、
出版社や問屋から何冊も何冊も
本や雑誌を取り出しては
店の棚や平場に並べ続けてきた人です。

小さな書店は、スペースも
限りがあるから、
余り売れない本をモタモタと
大事な場所に置いたりしては 
重大な損失になりますから。

この店主は、
実際に本の中身を読まなくても、
タイトルとカバーとオビから
売れる、売れないを大体勘で
わかるよう訓練してきたんですね。

下手したら、
社内の販売部や役員の話より、
このおばさまの話の方が
よほど的確で実際的でした。

色んなことで、度々、
相談に通ったものです。
本当にお世話になりました。
ありがとうございました。
これからも、本屋通いとして
立ち寄らせて頂きますね。

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