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【源氏】紫式部が源氏物語を書いた動機が見えてくる?

前々から、何度か、
しつこく書いてきた、
なぜ紫式部は『源氏物語』を
書いたのか?という大疑問。

その背景を読み解く書籍が
去年あたりから出版されてきて、
最前線の研究成果が身近に
触れられるようになったんですね。

頼れる古記録は、
優れたものが3つ存在するそうです。
藤原道長や藤原行成、藤原実資の
三人の古い日記です。
それらの研究から実態に
迫れるようになってきたんだそう。

紫式部が『源氏物語』を
執筆した動機は諸説あるけれど、
読者不在ではさすがに
書くわけにはいかない。
誰かが読むことを想定していた
はずでしょう。誰かに要請されて
書いたと考えるのが自然ですね。
となると、
当時貴重だった紙の値段や
入手の難しさを考えていくと、
藤原道長が紫式部に執筆を
要請した可能性が高くなる。

と推論を進めるのは、
国際日本文化研究センターの
倉本一宏教授。

以上は、2月17日日経新聞の
書評欄「活字の海で」というコラムに
書いていた話をご紹介しました。
私の推論ではありません。

それにしても、この視点は、
ちょっと目からウロコでした。

紙の値段の高さ、貴重さや、
入手の困難さから推論するとは、
まるで社会学的なアプローチですね。
中身にこだわる文学的研究や、
紫式部日記の研究だけからでは
こうした新しい研究成果は
出てこなかったはずです。

答えの視えない謎に出合った時は、
うんと中心から離れたり、
違うスタイルの、
つまり、源氏物語なら、
文学的研究からは、
うんと距離をとって
周辺エリアから
謎を見つめていくのが、
大切なんだなあ、という
謎を見つけた時の典型例ですね。

もちろん、今回引用した
倉本一宏さんの推論が
まだ正解かどうかは分からない。

ところで、
正解や解答を知らず、
謎を見つけたので、
それを共有したいというつもりで
記事に書くのは、
無責任かもしれない。

でも、謎や疑問は、
遊び心を持って、
心の中で
ゴロゴロ寝かせているのが楽しい、
そんな気持ちが
記事を書く際の思いです。

ただ、すげにさっさと
答えを、正解を、教えなさいよ、
と言われると、 
私にはそれはできません。

私は問いや疑問を見つけたい、
そっちの方が
正解を出すより値うちがある、
そう思っているから、です。

現代デジタル化社会には
ついて行けてない人間の
アナログな考え方かも知れません。

でも、答えを出すより、
私は疑問や違和感を見つけたい。

まあ、こんな天邪鬼と思って
お付き合い頂ければ是れ幸いです。

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