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【映画】チャップリンに騙されてはいけない(笑)?

チャップリンに騙されてはいけない…。
映画界で幾つもの名作を作り演じた
あのチャールズ・チャップリン。

ヒトラーを大向こうに回して
ドイツナチスを非難した
あのチャップリン。
資本主義の残酷な牙に
呑み込まれる労働者を描いた
あのチャップリン。

一見、いいところしかない。
日本の俳優や芸人でも、
チャップリンをリスペクト
してると公言する人は多い。
爆笑問題・太田光や
Vシネマでお馴染みの
強面俳優・小沢さんも、
チャップリンに影響を受けたと言う。

チャップリン好きは
ヒューマニストとして
得をするプロフィールだ。
正しく、優しく、温かい名画を
沢山見てきましたよ宣言。
悪くはないですよ。

でも、チャップリンは、
俳優だけでなく、
脚本と、監督もしてるんです。
そして、常に、
貧しく弱く無名の労働者になり、
共感・憐びんされるよう
自分を設定していて、
感動や応援を呼ぶ構造です。
チャップリンが単なる俳優なら
話はまた違うんですが。
監督、脚本、演出、主演、
全部を一人でやっている…
そこに狡猾さが匂います。
ズルくないですか?
貧しく無名の小さな労働者。
ライバルや敵はいつも
権力者や資本主義の覇者、
腕っぷしの強い大男。

見る人はいつもチャップリンを
応援する構造になることを
彼はよく知りぬいてる。

『男はつらいよ』の寅さんは
渥美清はいち俳優。
日本の喜劇王・藤山寛美は、
最後が悲劇のまま終わる。
美談にはならなかった。

チャップリンも時には
最後、悲劇で終わる作品も
ありますが、基本的には、
チャップリンの美談になる。

映画も人気があってなんぼ!
とはいえ、あそこまで
計算し尽くした達人は
チャップリンが別格クラスだ。

だから、チャップリン好きを
プロフィールやトークやエッセイで
公言する爆笑問題・太田や
小沢さんのような人を見ると、
すごく純粋だなあ、
私にはそれはできないわ…。

最近、発売された井上ひさしの
エッセイ集で、井上さんが
チャップリンは冷徹な計算力が
あって好きになれない、
というエッセイを読んだ時、
私は多いに溜飲を下げました。


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