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【本の記事】又吉直樹が忘れない初心を、本好きはつい忘れてしまう

本好きには2種類がいます。
又吉直樹のようなタイプか?
その反対に厚かましく書評を
書いてしまうタイプか?

本の記事を書く時に
こんなところにまで
気配りをするんだなあ、と
謙虚さを教えてくれる本があります。

ピース又吉直樹の
読書エッセイ集
『第2図書係補佐』
(幻冬舎よしもと文庫)
発行は平成23年。

又吉直樹いわく。
「人さまの書いた作品を、
勝手に紹介するなどという
厚かましい行為が
許されるのだろうか。
僕の役割は本の解説や批評では
ありません。
僕にそんな能力はありません。
心血注いで書かれた作家様や、
その作品に対して命を懸け
心中覚悟で批評する書評家の
皆様にも失礼だと思います。

だから、僕は自分の生活の傍らに
常に本という存在があることを
書こうと思いました。
本を読んだから思い出せたこと。
本を読んだから思い付けたこと。
本を読んだから救われたこと。」

毎日、本の記事を書いたり
読んだりしていく中で、
こうした謙虚さを
私はもうすっかり忘れていました。

又吉直樹がすごいのは、
大の本好きだからと、
本を勧めるエッセイを書く時も
決して、作者への、
また、書評家への尊敬や配慮を
忘れていなかったこと。
誰かに言われた訳でもなく。

そう改めて思うと、
本の記事を書くのは実に
デリケートで難しいですね。

本をたくさん読んでる自信や
解釈する力に自負があることで、
人はうっかり、厚かましい行為を
してしまっている訳ですね。

頭の良さが、
良すぎることが災いして、
勝手に1人の作者を
自分の結論のために担ぎ出す記事を
案外たくさん拝見してるような…。

私だって、これまで、
河合隼雄や佐野洋子や
太宰治や川上未映子さんに対し
厚かましい行為をしては
いなかったでしょうか?
自己点検せねばなりませんね。

しっかりと又吉直樹の
初心を心に刻んでいこうと思います。

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