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懐かしい話ことばを書きためて


引き出しの奥に古いノートがあります。

わたしの娘はとうに成人したので、そのノートはかれこれ二十年も前のものになります。


ページをめくると、綺麗とは言えないわたしの走り書きがいくつかあって......。



わたしは車の運転席に座ってドライブしてる。

あたりはすっかり薄暗い。だけど月明かりに照らされた道路は白く光っている。

パームツリーが道路脇に気持ち良さそうにゆらゆら揺れて......。

と、その時、後部座席に座る二十年前の幼い娘が言うんです。

「くるまが走ると、お月様も追いかけてくるよ」

車の窓の向こうには、大きな、それはそれは美しい満月がわたし達を見下ろしていました。


ぱらり......次のページをめくります。


幼稚園に娘を迎えに行って手を繋いで歩いていたら、突然くらう娘からの言葉のパンチ!!

「大きくなったらパパと結婚するから、ママもついてきてもいいよ! 」

なに? 突然どうした。


ぱらり......次のページ。

「ママ、何回言ったらわかるの? 一億円回?」

怒るわたしの言い方をまねているのだろうが、ちょーっと違うね!


ぱらぱら......。

眠るまえにベッドで絵本を読んでいると

「もう、目玉が眠いよ~」

はいはい、おやすみなさい。


こんなに小さかった娘も、戦場のような世の中に飛び出して行きました。


心配するのは親ばかりで、若かった時の自分を今の娘に重ねてしまいます。


いつか、娘にこのノートを見せて懐かしい子供の頃の話をしてみようと思います。












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