カフェフォリオ 『美大出身マスターが生む喫茶店空間』
代官山で非常に本格派な珈琲が、1杯500円。
友達と代官山に行ったはいいけど、カフェや喫茶店探しに困った……
なんて思い出がある人は少なくないと思う。
代官山というと非常にハイソな場所というイメージが強いが、そんな代官山で本格派でありながら、ふらりと気軽に入れる喫茶店がある。
カフェフォリオだ。
代官山駅からすぐの大通り沿い
ちょこっと出ている看板に惹かれて入ったのが最初の出会いだった。
こじんまりとしつつ、ウッディーな、薄暗い昔ながらの喫茶店が目の前に広がっていて、
陽の光が差し込む新しいカフェのような空間よりも、
1人で寛げる空間を探していた私は非常に感動したのを強烈に覚えている。
カウンターにはマスターが1人。
中にいるお客さんたちも1人でふらっと来て、女性、男性問わず煙草を一服。ササッとお店を出る方もいて、なかなか『通』な喫茶店さんという印象だった。
足を踏み入れると「ギシ」と軋む木の音も心地よくて、
入った瞬間に『あ、好き!』と1発で思えた喫茶店さん
その頃は勇気がなく、一番端の席でちんまり珈琲を頼み、淹れている様子を見つつゆっくり寛いだのだが
今回は意を決していざカウンターに🌹
マスターさんにお話を伺うととっても気さくな方で、常連さんがここに通う訳がさらにわかった気がする
Since 1982
1982年から始まったカフェフォリオ🍀
ゆえに常連さんの中には80,90歳の方も🤭
今カウンターに立っていらっしゃるマスターは開店当初に立っていたマスターから引き継ぎ、お店を切り盛りしていらっしゃる。
「どういう経緯でマスターに?」
そうお伺いすると
_____『実は美大で建築を学んでて』
その言葉に私自身も美大生の端くれということで急に親近感を覚えついつい身を乗り出して話を聞き入ってしまう
_____『それから某有名なインテリアショップで働いていたんだけど』
「え!実はそのソファー、実家で使ってます!」
なんて。話がテンポよく弾む
_____『30歳頃にたまたま飲食店の内装の手伝いをする事になって……』
そこから現マスターさんは今のカフェフォリオを紹介してもらい、前のマスターさんから色々なことを教えてもらったという。
またカフェフォリオがオープンカウンターのお店なので、実際に他のオープンカウンターの喫茶店にも通いつつ今のスタイルを確立した
____『若い頃、美大にいた時ね、喫茶店が好きで、神保町なんかで本を買ったついでにミロンガとか寄ってエスキース(下絵など)を描いてたんだけど。
その頃はまだおじさん達ばっかりって場所だったんだよね』
「今は若者で溢れてますよ」とお伝えすると『そうなんだぁ』と。『やっぱり変わるんだね』なんて少し驚いた表情をなさりつつ、
その時感じていた喫茶店の良さをカフェフォリオでも感じて欲しいという思いで接客なさっている姿を間近で見て、
こんな喫茶店がこれから先もずっと残って欲しいと個人的に思う
Menu
カフェフォリオのコーヒーはなんといっても
✔︎︎︎︎ネルドリップ
✔︎︎︎︎オールドビーンズ使用
✔︎︎︎︎水出しコーヒー
という本格派な珈琲が揃っていることが最大の魅力✨
値段がお手頃なのも、ふらりと入りやすい要因かもしれない。
✔︎︎︎︎フォリオコーヒー ¥500
オールドビーンズは生豆を焙煎したものよりも、熟成されているため、ネルドリップで数杯分一気に淹れることでさらにコクと深み、酸味のない味に仕上がる。
香りも豊か💭
贅沢に最後まで淹れきらないことで、雑味をなくした珈琲を提供している。
淹れた珈琲を温めて提供する形をとっているので
カウンターに座るとその様子が目の前で見られる
おかわりも出来るので、長居する方はぜひおかわりをして楽しんで欲しい
✔︎︎︎︎水出しコーヒー
カフェオレやカプチーノで提供している水出しコーヒー
水出しコーヒーは6~7時間かけて抽出される
香りが非常に豊かなので、なぜか心まで癒される……
✔︎︎︎︎アイスカフェオレ
2層になっているコーヒーとミルクを混ぜる瞬間のわくわく😌🧡
人気メニューの1つだそう
✔︎︎︎︎カプチーノ
優しいお味で、じわっと身体に染み入る
✔︎︎︎︎レアチーズケーキ
子供でも食べられるように安心安全な食材でしか作られていないと言う。添えられているのは砂糖不使用のカシスということだったが、こちらもまろやかでさっぱり♛
ケーキセットは900円
episode
「昔インテリア会社にいたら、内装とか気になりませんか?」
と直球な質問をしてみた
____『んー。でもこれって、実用的とデザイン性の問題になると思うんだけど…』
芸術をやる上でデザイン科や建築科の友人はよくそのような議論をしているのを耳にしていたのを思い出した
____『デザインが良いからって決して居心地の良さに必ずしも繋がらないし、むしろ少し煩雑な方が落ち着くこともある』
だからお店の内装と自分の趣味を合わせることはまた少し違うことだと思うんだよね、と。
____『整理整頓されてる綺麗なところが温かさを生むとは限らないからね』
確かにこの言葉には納得する部分がある。
ホテルなどで綺麗に整理整頓されている空間も良いが、なにもかもが整いすぎて落ち着かないという体験をしたことがある人もいるのではないだろうか。
家の少し煩雑さが落ち着くということもある
そしてなによりマスターの口から発せられた、
《あたたかさ》という言葉がカフェフォリオの魅力を物語っていると感じた。
「コロナで変わったことはありますか?」とお聞きすると
____『少し低年齢化したかな』
やはりコロナの感染拡大を受けて、高齢者は外出がしづらくなった影響があるのだろう
「若者のマナーはどうですか…?」
恐る恐る聞くと
____『若者だからってマナーを守る守らないっていうことはないけど、自分が思うマナーを守ってくれれば僕が指定することではないから』
とのお言葉が。
喫茶店に入ったらまず何かしら頼む、御手洗などを綺麗に使う、そうした些細な気遣いが喫茶店を受け継ぎ、守ることにも繋がる
取材でお写真を撮らせて頂いたが、
もし店内の写真を撮る際はどのお店に行ったとしても一声かけるだけでお店の方も快く受け入れてくれるだろう。
最後に
最初は地下に降りるのに戸惑う方もいらっしゃるかもしれないが、中はあたたかい空間が待っている
ショッピングの疲れを癒しに訪れても
作業をじっくりされたい方も
どんな方も訪れやすい喫茶店だと思う
私も行きつけにしたいと思っているので
これから通うことでカフェフォリオを次世代にも受け継ぎたいと思う
Instagramにも載せているのでそちらも合わせて見てみてください
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