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デルコッファー __毎日が優しい日になれますように__優しさの詰まった味と空間

「愛情はたっぷりですよ、」

そう微笑む笑顔が陽の光にあたって温かい。


本所吾妻橋駅すぐにある喫茶店、デルコッファーは御歳72歳を迎えたお父様のお店を現在はほとんどが娘さんが受け継ぎ、経営なさっている。

Story

昭和63年に創業したデルコッファー。
ある企業にお勤めしていたマスターは、働く中で自分の意思や思いとはかけ離れた物を営業したり、販売することに対して、どこか胸の中でつかえる違和感を抱いていた。

その思いから所謂「脱サラ」をする形で喫茶店を始めることとなったのがきっかけであった。
当時のバブル景気に乗り、内装などにかなりの拘りをもって作りこんだという。

入り組んだ角。

天井には3段ほどの段差。

ちょっとした些細な部分。されどそうした部分にこそデルコッファーにしかない魅力がある。

そんなちょっとしたことに気がついて、「素敵」と思える人間でありたい、と。デルコッファーを支える娘さんとお話しながらしみじみと感じる。

「お店の隅々まで見尽くしたい」

そう思える喫茶店さんだ。

《シンプルに美しく》という理念を掲げ、お店を切り盛りなさる様子は見ていてほっこりする場面に出会えるはずだ

お店は35年ほど経ち、娘さんは約15年ほど前からお店にたつようになった。お父様のお店から娘さんへ……どのようにデルコッファーは変容を遂げているのだろうか。

変化

お父様の始められたお店は、娘さんのこだわりも少しずつ付け加えられるようになり、ちょっとずつ内装もメニューも変化が生まれている。

窓の下段のくるんとしたデザインが凝った鉄枠の上、
娘さんは「レースカーテンをかけたい」という想いから、自らのセンスで『トルコ刺繍』のレースカーテンをつけられた。

_____『ちょっと奮発しちゃったんだけど…(笑)』

とはにかむ笑顔が愛らしく、ついついレースカーテンをじっくり眺めてしまう。

また、『der Kóffer』という名前は変わらないが、お店のロゴやデザインを新調。
外看板も『デルコッファー』とカタカナ表記に変更した。

der Kófferという単語はドイツ語なのだが、なかなか覚えてもらいにくいことや、読めないお客様がいらっしゃるとのことで、カタカナ表記に変えたそう。お父様がドイツ語を習っていらっしゃったため、ドイツ語での名前がつけられたという。

そんなデルコッファーのロゴマークはトランクと珈琲𖠚ᐝ

coffeeとKófferの字面が何となく似ていたり、
旅に行く際にトランクに珈琲を詰めたいくらい、自らの珈琲を愛している、
ということで決まった名前。

名前の由来も素敵で、なかなかドイツ語の喫茶店さんには出会わないため新鮮である。

新しくカタカナ表記にするにあたっても、娘さんはまるで子供がワクワクとトランクにぎゅうぎゅうと愛用品を詰めるように、たくさんのこだわりを詰め込んでいる。

✔︎︎︎︎優雅でありながらレトロ感があること
✔︎︎︎︎上品で大人な純喫茶をイメージできること
✔︎︎︎︎老若男女に
✔︎︎︎︎シンプルに美しく

活版印刷式で印字されたお店のカードは可愛らしいうさぎの執事さんが手に持ってくれている♡

デルコッファーの執事さんに「ちょいと失敬、」と話しかけながら、カードを手に取って見て頂きたい。

昔の映画館のチケット風に横長デザインなのは、ロゴをInstagramで発表した際に、お客様からのコメントで「フォントから映画のタイトルみたいに感じました」との感想を受け、昔の映画館のチケット風にしている。

茶色のエプロンにも新しくロゴデザインが入り、トレードカラーのブラウンが引き立つ店内と外装は、さらに『ブラウン喫茶』が形作られていっている最中である。

そんな過程を楽しみつつ通うのも楽しい。

内装はアンティークの鏡なども壁にかけられていて、上の写真はイタリア製のものだそう。

お店に入って突き当たり奥の壁にふと目をやると、西洋の美術を専攻している私はパッと目に入った作品が……🤭


「シャガールのポスターもあるんですね!」

と声をうわずらせると

_____『お店の全体がブラウンの色調だから、差し色って感じで…(笑)』

シャガールといえば、青や緑の非常に発色の美しい色合いが特徴的で、ポスターは色とりどりの花をいけた花瓶を描いた作品がお店に入っ飾られていた。

Menu

デルコッファーの定番メニューは

✔︎︎︎︎自家製銅板焼きホットケーキ

_____『スイーツを本格的に作れるパティシエさんとかいらっしゃるけれど、うちはそうではなくって、あくまでも家庭的な味わいでほっとしてもらいたいんです。』

とはいえ家で作るホットケーキとはひと味違うのは、

_____『余計な添加物を使っていないんです。卵を10分くらい攪拌(かくはん)させることでこの厚み感を生み出すことにしていて。
メープルシロップもカナダの純正なものを、バターは北海道の四葉バターを使用しているので、本当にピュアなホットケーキを作っているんです』

ナイフを入れた瞬間がサクッ!と表面が割れながら、
中からふわっと広がっていく感覚は、デルコッファーのホットケーキならでは🥞✨✨

娘さんが手間隙かけてたまごを長時間攪拌させているおかげ!

最初は何もかけずに、それからメープルシロップやバターをつけて食べるのがBEST。

_____『愛情はたっぷりですよ』

と仰って出してくださり、本当にそれを感じられるほっこりした幸せの味が……
甘すぎず、本来の甘さを引き出す娘さんに心の中で感激していました……🥺

✔︎︎︎︎週替わり珈琲

今週は《グアテマラ アンティグア》の豆を使った珈琲

酸味もありつつ、深煎りで、こちらももちろん美味。
『ブラウン喫茶』ということで、ブラウンらしいカップで出していただきました😌

添えられたミルクも単純なミルクではなく、『牛乳と純正生クリームの独自配合のもの』

小さなことだけれど、その小さなことが、味わいに絶妙なバランス感を生み出している。

✔︎︎︎︎ブラウンソーダ 

裏メニューのブラウンソーダ!

クリームソーダなどはメニューに載っていますが、ブラウンソーダはメニューに記載がありませんが、「ブランドソーダを……」と言えば提供してくださる🌿

中身はコーラ。
上にバニラアイスが乗り、アデリアのレトロな容器に入れられて置かれたブラウンソーダに思わず興奮♡⃛

そしてなんとスプーンも花柄で大感動……
子供心が擽られるブラウンソーダ。

見事お気に入りのメニューのひとつに加わった。

ビーチマダムと

デルコッファーにはたくさんの魅力があるが、
お店の所々に飾られている人形がレトロで堪らなく可愛らしい。

先程のうさぎ執事さんと言い、
これまた可愛い三姉妹、ビーチマダムがちょこんといる。

他にもひつじのメー子がいたり、なんだか小さい頃にぬいぐるみに名前をつけて遊んでいたことを思い出す。

娘さんが思う『可愛い』や『素敵』が点在するお店。

物腰柔らかく、丁寧で、小さなことに喜びを感じられる方だからこそ出来上がっているデルコッファーなのだと思う。

お父様の頃にも1度お伺いしたことがあるが、その頃と内装も外観も変わってはいるが、シンプルに美しくを追求した美学は変わっていない。

お店のInstagramでは娘さんが発信するお店の魅力がとても詰まっている。
私の口から語りきれない多くの想いが綴られているので、是非お店のInstagramにアクセスして欲しい。
そしてデルコッファーに足を運んで見てほしい。

その日の幸せを、そっと届けてくれる空間が、そこにあるから。

店舗情報: デルコッファー
アクセス▶︎ 本所吾妻橋駅から徒歩すぐ
営業時間▶︎ 8:00-17:00 (平日) 9:00-17:00 (土日祝)
モーニングは11時まで。年中無休。
電子たばこのみ喫煙可。
https://instagram.com/derkoffer.cafe?utm_medium=copy_link
https://www.instagram.com/junkissa_and_i/

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