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字を書くのも下手だし、絵も上手に描けない男の少しご機嫌になれる話し

「本当に字が汚いよね」と君から言われることが多い。

そんな僕が「今日も君は綺麗だね(字が)」と言うと、ほんの少しだけご機嫌な君は床から2cmから3cmほどのところをふわふわと浮いている。

君「もぅ(照)」


簡単である。。

このぐらい字を書くのが上手であれば、自信満々で手書きの年賀状を出したり、普段書かない気持ちを手紙にしてみたり、結婚式の芳名帳だって慣れない筆ペンでもすらすらと書けるのに。

10個ぐらいあるコンプレックスの1つに字が汚いことがある。

僕は人に字を見られることが正直なところ嫌いだ。裸を見られるよりも恥ずかしいとも感じる。


いや、ちょ。。ちょっと待ってくれ。

すぐ書き終わるからじっと手元を覗き込まないでぇぇ。


日常の中のちょいちょいある手書きイベントは、苦痛であり苦手である。

あのぉ。パソコン使っていいっすか?って言いそうになるレベルである。

それと長い文章を書いていると段々別のこと考えちゃわないかい?

アレェ? チョット モジガ ナナメニナッテキタ カンカクモバラバラダ。

お腹すいたなぁ。これ終わったら何食べよっかな?みたいな感じで、もういいやっていつものペースで書いてしまう。


お気に入りの使いやすいペンだって持ってる。

万年筆だって持ってるし、ガラスペンだって友達がプレゼントしてくれた。綺麗に書くぞって気持ちもちゃんとある。

字を綺麗に書きたい。美しくなりたい。

あぁ神様、男ではなく女性に生まれ変わったらそこそこ巨乳で足が長くナイスバディで、黒いビキニもバッチリと似合う、あとショートカットも似合う笑顔の可愛い、言葉遣いも丁寧で料理も上手なそこそこ裕福な家庭の、キラキラネームではない字が綺麗な美女になれますように。。

とても欲張りである。

そして女性はとても大変である。



字と同じように、絵も上手に描けない。

ただ文字にすること、言葉にすること、何かを伝えるための表現をすることはとても好きだ。何もない状態から何か形にする事は得意。相手の「こんな感じなんだよね」という超アバウトなお題にだってちゃんと見える状態に変えられる。

だから僕は今もデザイナーという仕事をしている。子供の頃、「この子の絵を絶対に笑わないであげてほしい」と親にだけ伝えてた担任と以前お酒を飲む機会があり、その話をしたが当たり前だが覚えてはいなかった。少なからず今の仕事をするきっかけにはなっている。


「本当に字が汚いね」と言われる事はきっと稀な事だ。

本当に親しい人間関係がないと絶対に言ってはいけないぐらいの発言のようにも思うし、初対面で言われる事はまずない。自分が頭の中でずっと繰り返してる言葉というか呪文だと思う。

「字が汚いって思われないかな?書くのやだな」

という後ろ向きな気持ちを少しづつでも前向きな何かに変えなくては。


僕の字が汚い事で君がちょっと笑顔になるのなら、それも悪くはない。むしろ良いことのようにも感じられる。そう考えることにした僕は昨日より今日、ちょっとだけご機嫌である。それでも字は汚いままだ。


君の字や絵を君自身が絶対に嫌いにならないで欲しい。

誰かに素直な想いや正直な気持ちを伝える時は、どこかきっと不格好でカタチが悪く汚い字のようなものかもしれないから。

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