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小説「素スナイパー」

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暗殺一家の沖田家に生まれた直哉は殺しを生業にしている。26歳彼女なし。趣味もなし。毎週末友人とZOOM合コンをしているが高校時代の初恋の相手が忘れられなくて進展はない。  どうに…
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#殺し屋

小説「素ナイパー」の投稿を終えて

 小説「素ナイパー」の投稿を終えました。読んでいただいた方、ありがとうございました。  …

SONE
3年前
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小説「素ナイパー」最終話

 ベロベロになった二人をタクシーに詰め込むと直哉は一人歩き出した。十月になるのに空気はま…

SONE
3年前
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小説「素ナイパー」第31話

 淳也は大昔に買ったロレックスの時計を見つめると、まるで今の直哉のようだと思った。  そ…

SONE
3年前
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小説「素ナイパー」第30話

 全てを知る女。手に馴染んだトカレフ。父の意図はすぐ理解する事ができた。掟の通りに知子を…

SONE
3年前
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小説「素ナイパー」第29話

 直哉を捕らえたCIAの部署は表向きにも裏向きにも存在しないものだった。  「歴史は自分…

SONE
3年前
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小説「素ナイパー」第28話

 その時、直哉を襲ったのは喜びよりも恐怖だった。父親がいると言う事は家族の滅亡を意味して…

SONE
3年前
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小説「素ナイパー」第26話

 覚悟を決めて瞼に力を入れようと決心した時、直哉は自分の頭が垂れ下がっている事に気付いた。  ベッドに寝ているはずなのに首に妙な重さを感じる。平衡感覚がなく溺れるかのような苦しさの中で、知子がいるはずの左の空間に手を伸ばそうとしたが腕は後ろ手に縛られていた。  捕われた。でもいつ?恐る恐る瞼を開くと、そこに見慣れた知子の部屋の風景はなかった。目の前に設置されていた大きな鏡には青白い顔でしかも裸で椅子に縛られた情けない自分の姿があった。  まだ夢の中にいるのだと思いたかった

小説「素ナイパー」第25話

(この衝動をなぜ止められないのだろう)  腰を振る知子を見つめながら、直哉は自分の欲望へ…

SONE
3年前
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小説「素ナイパー」第24話

 海の中で足と手に恐る恐る神経を送り支障なく動く事が分かると自分がまだ死んでいないことに…

SONE
3年前
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小説「素ナイパー」第23話

初夏のマルセイユは晴れていた。 潮の香りを纏った風は湿気を含んでいなく、多くの観光客達が…

SONE
3年前
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小説「素ナイパー」第22話

 爽快感のない朝だった。それは昨日の酒や寝不足のせいではなかった。以前にもこんな朝は数度…

SONE
3年前
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小説「素ナイパー」第21話

 光沢のある黒いワンピースを着て髪をアップに束ねた知子は店のエントランスを抜けて入ってく…

SONE
3年前
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小説「素ナイパー」第19話

 ある日ジェフは新規の顧客を紹介された。その客とはたった一回だけ手続きのために必要な書類…

SONE
3年前
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小説「素ナイパー」第18話

 真夜中のウオール街には、東京の新橋にいるようなサラリーマンの姿はない。  人の気配の感じられないビジネス街は摩天楼に吹き付けられ呼応する風の音のせいでまるで「オープンユアアイズ」の主人公が迷い込んだ誰一人として存在しない夢の中のような雰囲気を漂わせていた。  ウオールストリート沿いにあるニューヨーク銀行の目の前に止まったイエローキャブの中に直哉はいた。 しかし客として後部座席に座っているのではない。防犯ガラスの前の運転席にそれらしく新聞とコーヒーを片手に運転手として待機し