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日々雑感 その④

ここのところずっと野暮用が続き、ついついnoteへの投降、もとい、投稿がおろそかになっていた。

ということで、皆さんに忘れ去られてしまわぬうちに、近況報告を少々。

今年の7月、ひょんなことから或る出版社と縁ができて、「奈良とくすり」をテーマにした新書版を1冊出版する運びとなった。

奈良市内にある小さな会社だが、奈良の情報に関する本だけを扱うこだわりの出版社である。

本書では、「奈良の地は”日本の歴史のふるさと”として知られるが、実は古くから南都の有力寺院では僧侶たちが製薬および施薬を行っていたこと」「奈良における古代のスーパーマン役小角えんのおづぬが陀羅尼助(ダラニスケ)を創製するなど、修験道も薬と深くかかわっていること」「奈良は富山と同様、江戸時代から売薬(置き薬)が盛んであり、明治以降は県の重要な地場産業の一つだったこと」などを書かせていただいた。
 また、「薬にまつわることわざ」「薬の神々」「世界中に見られるケガや病気治療のおまじない」などについても、コラムという形で紹介している。

東京の新橋に「奈良まほろば館」という奈良県のアンテナショップがあるのだが、出版社の働きかけもあって、運よくそこで出版記念講演をさせていただくことになり、本書の内容をかいつまんでお話しする機会に恵まれた。

当日は用意された50人分の席がいっぱいになり、東京にはコアな奈良ファンが大勢いらっしゃるんだなと、あらためて感じることができた。
 東大寺や唐招提寺、西大寺、興福寺など主だった寺院では薬づくり、薬草園や老病者のための施設経営が行われていたという歴史が、聴衆の皆さんにとってずいぶん新鮮だったようで、講演後も質問攻めにあい、私自身、とても充実した時を過ごすことができたのである。

会場には私の記事にもたびたび登場する畏友・О君とその細君も来てくれて、講演の後は近くのお店で一献傾けることになった。

「オレも仕事で何度も経験したけど、〇〇(私の本名)はずいぶんプレゼンが上手だなあ。いやあ、ホント感心したよ」と、いたく褒められた。

О君は我々70年代ドロップアウト組の中では出世頭であり、某大手精密機械メーカーのデザイン室長を務めた人物だ。
 しかも、noteにおける、数少ない私の記事の愛読者のひとりであり、何を隠そう、かつて酔いどれて深夜の井の頭公園をさ迷い歩きつつ、私がとりとめもなく語り始めた物語(「チカムリオ」)をいたく気に入り、後に一編の幻想的な詩をしたためてくれた親友なのである。

楽しい語らいの時間はあっという間に過ぎて、気がつけばすでに新幹線の発車時刻がせまっていた。
 東京駅からなんとか新幹線に乗ることができた私は、その日一日のことを思い返しながら、しばしあのチカムリオの世界に心を遊ばせた。

・・・ということで、今回は本の出版告知のような内容となってしまったが、いつものように詳しいことはあえて記さないでおこう。
 べつに勿体ぶっているわけではない。興味を引かれた方は、ちょいと調べていただけたら拙著にたどり着ける・・・かもしれない。

この記事を書いているうちに、またまた何か書きたいという意欲が鬱勃うつぼつと湧いてきた。
 この思いが冷めないうちに、近いうちにまた記事を書こうと思う。
 どうかお楽しみに。

終わり







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