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(漫画)シバトラ

こんな面白い漫画がkindleの読み放題で実質タダで読める。
いい時代になったものです。
以前からタイトルは聞いたことがあり、映像化されたことも知ってはいたのですが、実際に読んだことはなかったため、試しに1巻をダウンロードして読んでみました。
結局、最終巻5巻まで猛スピードで読んでしまった・・・笑

タイトルは、主人公 柴田竹虎(シバタタケトラ)の名前からとったものと思われます。1巻のセンターにいるのが彼。
見た目は中学生ですが、警察官。
彼には死期が迫っている人に、”死神の手”が迫っているのが見えるという特殊能力があります。その能力と持ち前の剣術、優しさ、行動力を武器に、主に少年少女が絡む事件を解決していくというのがストーリー。

難題の解決と伏線回収の快

合本版の1〜4巻までは個別の事件で構成されていますが、5巻ではさまざまな伏線が回収されるとともに、なぜシバトラが刑事になったのか、なぜ死神の手が見えるようなったのかという謎が氷解していきます。
主人公のシバトラが仲間の助けを得ながら難題を解決していくことの爽快感、もっと大きな「なぜ?」が最終的に解けるという腹落ち感の2つの快が同時に味わえる作品になります。

実際の少年少女犯罪に対する知識が身につく

作品の中では、定番の薬物のみならず、SNSを利用した組織的な犯罪や親からの虐待、ネグレクトといった問題と絡めたストーリーも展開されます。
未成年が悪事を働く=少年院送りという漠然としたイメージを持っていましたが、少年刑務所なるものもちゃんとあるそう。

主人公は、少年・少女がどんな悪事に手を染めようとも彼らのことを信頼し切り、更生を信じて接しています。詳しくは本書をお読みいただきたいと思いますが、それがうまくいく場合もあれば、そうでない場合もあるというのが難しいところ。
多分、現実問題としても人間は個性や性格があるので、同一のシステムで更生を促したとしても、うまくいって社会に順応して残りの人生を送るパターンもあれば、再犯に走るパターンもあるのかと思います。

実際の問題として

以前、NHKの番組を通し保護司という存在を知りました。

保護司は,犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支える民間のボランティアです。保護司法に基づき,法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員とされていますが,給与は支給されません。

自分は決して裕福な家庭ではありませんでしたが、尊敬できる両親に育ててもらい、大学院まで行かせてもらいました。
自分の周りも多少環境の差異はあれど、同じような人生を歩んできたことが多かったこともあってか、良くも悪くも、”人生、大半のことは自分の意思と努力でコントロールが可能”という思いが心の底に流れているように思います。
頑張って勉強すれば、望む大学に進学でき、希望の職業に就ける。
そんな状況ですから、少年少女の犯罪のニュースを見ても、
・意志が弱いせいで悪事に身を染めてしまった奴ら
・悪いことしたなら、裁かれて当たり前。
・極端な言い方をしてしまうと、社会に益をもたらさない人々
そんな冷めた目で見てしまっていました。

しかし、多少長く生き、色々な知識を身につけていく上で、ことはそんな簡単じゃないことに気づきます。
例えば、両親が障がいを持っていて、面倒を見なければいけないといったようなヤングケアラーの問題、勉強しようにもご飯も作ってもらえず家に机も椅子もない子供たち。

ある程度、社会的に弱者を救うシステムがあることは認知していますが、それでも、必要な人々にちゃんとそれが認識され、ケアが行き渡っているのかと言われるとそうではない部分があると思います。

そんなことにふと思いを馳せる機会にもなった漫画でした。

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