見出し画像

(本)投資としての読書/本山裕輔 レビュー

(対象)
・なんとなく読書をしているけど、身についている・血肉化されている感覚が持てない方。
・読んでも内容をすぐに忘れてしまう方。
・ビジネス書なり、”読んで役立てる・問題解決する”目的の本を読む機会が多い方。
(楽しみで読む漫画なり、小説、教養書などのすぐに役に立つという類ではない読書については本書の読書法を応用できなくはないですが、主たる対象からは外れます。補足しますと、そういった、長期的な視点での読書についても著者は川下り型の読書、という造語にて解説してくれています)

昔から、〇〇法というタイトルの本が好きでよく読んでいます。
最初の記憶は和田秀樹さんの勉強法の本、そのあとも読書法なりノート術みたいなタイトルの本なり雑誌を見かけると、手が伸びてしまいます。
そして、私のようなノウハウコレクターという残念な人種が量産されて参ります・・w


本書の著者は、BIZPERAという書評サイトを運営している本山さんという方。コンサルが激務すぎて、「定時に帰りたい!」という熱い思いで始めたビジネス書の読書の習慣がいつしかメソッドに昇華され、本書になったという面白い流れ。
実体験がら絞り出されたメソッドは、読書法にお悩みの方の一助となるかと。

目的を明確化してから読む

読書術関係の本を読むと必ずといって良いほど出てくる、「アウトプット前提に本を読みましょう」という言葉。
多くの場合、アウトプットとしては、他人に話しましょうとか、ブログに書いてみましょうとか、そういったことを想起するかと思います。
でも、本山さんの主張はもっと尖っていて、
無理やりアウトプットの場を設定せよ、そこで要求されるアウトプット(目的)を達成できるようにインプットせよ
と述べています。確かに、ちょっとブログに書こうかな〜とか、そのうち人に話そうかな〜という状況とは、切迫感もインプット効率も変わってきそうです。
明日までに80点のものを作れ!となれば、そりゃ頭に汗かきながら必死でインプットしますよね。

一方で、普通に生活をしていると、強制的・かつそれなりの質を求めらるアウトプットの場を設けるのは簡単ではないですよね。その場合の解決策として
①仕事でアウトプットする機会を作る
②練習でアウトプットする機会を作る
の2通りが紹介されています。
むしろ、多くの場合①の課題解決のためにビジネス書を読むわけなので、何かしらに関連づけて仕事でアウトプットするのはそんなに困難ではないかもですね。
仮に、すぐに仕事でアウトプットの場が設けられない時には②、自分で想定してやってみる、というのも代替案としてあり、とのこと。
いずれにせよ、何かしら「きちんとしたモノとして残すぞ!」というアウトプットの切迫感を持ち、それにより課題を明確化し、インプットするというサイクルを回すことが大事、ということですね。

読む本の選び方

読書は
・読む本を選ぶ
・読む
の大きく2つのプロセスからなります。で、巷の読書術本でよく解説されるのは後段の「読む」方法がほとんど。目次を熟読しましょう、とか、頭から飛ばさずに読みましょう、とか。
一方、本書の著者は前段の選書の方が重要と解きます。時間が掛かろうが、効率が悪かろうが、その時の課題解決に資する本を適切に選定できてさえいれば、いずれ答えに辿り着けるから、というロジックですね、
で、どうやって選ぶかというコツが3つ紹介されていて、一部は上述の目的を明確化する、に通じています。

・知っていること、経験がある内容にする
・困っていること、何を明確化したいかを事前に書き出しておく
・本を買うルールを設定しておく(電子書籍or紙、書き込みするしない、など)

読んだ内容の整理の仕方

著者のサイトからもなんとなく推測できるところで、A4用紙1枚に読書内容をまとめることを推奨しています。
で、著者は高速大量回転読みを推奨しています。
というのも、上のように目的が明確になっていれば、全文を熟読する必要がないことは明らかですよね。んでもって、無意識を活用すべし、というのが推奨の理由の一つ。
これは、著者の経験から導かれたものだそうで、考えに煮詰まってしまった時に、ほっぽり出してサウナにいって(不安もあったようですが)頭を空っぽにしたら逆に課題が整理されたというもの。
確かに、何回も繰り返し読むことで自動的に情報が整理されるという面は感覚的にもわかるところです。ただ、方法論としては、調べながら、着実に理解しながら自分の課題解決に必要なところを読むというのもある気がします。人それぞれ、あったやり方が良いかもしれません。
で、最後のプロセスは ペライチ にまとめてストックすることです。
A4用紙に 要点=問い・答え・根拠 をまとめます。

全てのビジネス書はこの要点から成り立っているので、その芯、エッセンスの部分のメモということですね。
例えば、本書で言うと
問い 知識を血肉化するには
答え 二刀流選書術により読む本を選び、ペライチ整理法によりまとめてストック
と言う感じでしょうか。根拠は・・・是非本書をお読みください。

悩める若手〜中堅ビジネスマンにおすすめの1冊です。
本書でも紹介されてましたが、以下もおすすめ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?