日頃の備え〜この国の危機管理失敗の本質・柳田邦夫


改めて危機管理というか事前の備えって大事だなと思った話。


先日、娘の体全体の皮膚に蕁麻疹が出た。
ちょっと時間をおけば落ち着くか、と楽観していたら全身に広がり、赤みまで強くなってくる始末。
不幸なことに、その日は祝日の夕方。
かかりつけの小児科もやってない・・。

選択肢としては、救急車を呼ぶ、どこか休日診療の病院を見つけて向かう、市販薬を飲むなりして落ち着くのを待つ・・・と色々と考えられたわけですが、1分1秒を争うほどの緊急性はなかったことと、急激に悪化した場合にどうなるかという予見ができなかったので、結局はネットで調べた休日診療の病院に車を走らせました。
結果として無事に診療をしてもらい、今は以前と同様、元気を取り戻してくれています。

で、もちろんその時の自分はやれるだけのことをやったわけですが、事前にイメージトレーニングなりこういったケースを想定しておけば、パニックにならず落ち着いて動けたのではないか。今回はことなきを得たけど、もし命に関わる病気だったりしたら、自分の今回の行動=焦ってネットで検索して、病院を見つけてから車で移動 に後悔はしないだろうか。
そういった観点で振り返った時に、大いに反省すべき点が見つかった出来事でした。

と言いますか、宮城県はわざわざ「子供の救急ガイドブック」なるものを作成・公表してれていて、自分も印刷物を保存しているにもかかわらず、すっぽり頭から抜けているという体たらく。完全なる準備不足です。


最近仕事の関係もあり、危機管理のことを勉強しています。
調査不足なので確たる情報化は怪しい部分がありますが、危機管理という言葉(概念)は東西冷戦時代にアメリカにおいて核戦争に発達しないようにという観点から発生したものだとのこと。
今は当然のように起業単位でも危機管理体制が組まれていて、マニュアル化・文章化なされていますし、自治体によっては危機管理専門の部署があったりしますね。

東日本大震災をはじめ、最近のビックモーターやジャニーズ、ちょっと前には観光船の沈没事故だったり、高速バスの事故だったり。
危機管理が必要な状況になること自体、もちろん歓迎すべきことではないですし、場合によっては一つの事象で起業生命が絶たれてしまう事例も数知れず。
一方で、危機を上手に乗り越えたことで、顧客の信頼を勝ち取り、それまで以上に売り上げが伸びたという稀有な例もあります。
ジョンソンエンドジョンソンのタイレノール事件、がその好例。

早期にトラブルが大きくなりそうな芽を摘み取り、さらに当該事例を生かして改善に結びつける。
ビジネス市場最も優れた危機対応と言われるているそうで、文章で読んでいても小説に近しいストーリー性すら感じます。

ただ、自分はこの事例を見たときに「いい話、よかった〜」という以上に、疑問が色々と湧いてきます。
・毒物の混入事例を確認した際、「可能性」という時点で多額のコストをかかるとわかっている意思決定はどうなされたのか
・事前にどういった準備をしていたのか
・本事例は良好事例として残っているけど、実は、「早期にコストをかけて手を打ったけど、結果何もなくて損して終わった」という事例も隠れているのでは・・

少し視野を広げてみると、自分だったら、自分の家庭は、自分の所属する組織は?と色々と発展させて考えられそうですね。
事例を見るのは結構面白いです。
賢者は歴史に学ぶ、と言われますが、賢者になれなくとも、少しでも活用していきたいですよね。

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