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【ショート小説】さよなら、僕のヒーロー 作&絵/橘順

#創作大賞2024 #恋愛小説部門

 6月の初夏、僕たちの高校生活も、この小さな町も、すべてが色褪せていくようだった。駅のホームは別れの場所となり、彼女はそこで僕に最後の言葉をかけてくれた。彼女はいつも僕を支え、励ましてくれた。彼女の声は、僕の心に夏の日差しのように温かく響いていた。

 「ありがとう、君がいたから頑張れたよ」と僕は言った。彼女は僕の成長に大きな影響を与えた。僕たちはもう戻れない時間の中で、お互いを支え合い、成長してきた。彼女の存在は、僕にとっての大きな支えだった。

 列車が見えなくなるまで、僕は手を振り続けた。風が僕の髪をなで、新しい季節の訪れを告げている。僕は深呼吸をし、胸に秘めた夢と希望を抱いて、再び歩き始める。これからの僕の物語は、彼女がくれた勇気を胸に、一歩一歩、確かな足取りで進んでいくのだ。

 彼女は僕の隣の席に座っていた。いつも通りの明るい笑顔で、僕に話しかけてくる。彼女は僕の心の支えだった。いつも正直で、強く、そして優しかった。僕たちはよく一緒に図書館で勉強したり、放課後は公園でバスケットボールをしたりした。

 そんな彼女が、今日、僕に小さなプレゼントをくれた。「これ、君にあげる」と言って、彼女は手作りのブックマークを差し出した。それは美しい紫陽花の絵が描かれていて、6月の雨の日を思わせる。

 僕はそのブックマークを受け取り、心からの感謝を込めて「ありがとう」と言った。 彼女は微笑んで、「新しいスタートに、幸運を」と言った。その言葉が僕の心に響いた。 

 彼女との思い出は、これからの僕の力になる。さよなら、僕のヒーロー。新しい章が、今、始まる。そして、僕たちはそれぞれの道を歩き始める。夏の暑さの中で、僕たちの青春は永遠に続いていく。


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