面接で「うちは太ってる子はちょっとねー」と笑われた女性、冷静に指摘して退室する。
キャリコネニュースより
こちらの記事を読み、その問題点を考察していきたいと思います。
採用面接で応募者の容姿について好き勝手に品評するのはアウトだろう。宮城県に住む30代前半の女性(サービス・販売・外食/正社員・職員/年収300万円)は、21歳の頃受けた面接で
「うちは太ってる子はちょっとねー」
などと嘲笑された面接エピソードを語ってくれた。
「履歴書の写真とだいぶ違うね?加工とかした?」
当時、女性は「新卒で入社した会社を家庭の事情でやむなく退社」し、次の職を探していたという。求人誌などを色々見て
「未経験歓迎、職歴不問の“受付事務”の仕事に応募しました」
と回想する。一次審査の書類選考も無事通り、会社へ二次面接に向かった。「個人面接だったので緊張はしましたがいつも通りやれば良いと思い、会場に入ると中年の面接官2人と社長と専務の計4人が」待ち受けていた。ここで女性は驚くような対応をされてしまう。
「入ってすぐ『あれー?』とか『あーあ』とかコソコソ聞こえ、ん?っと思っていると社長さんが『履歴書の写真とだいぶ違うね?加工とかした?』と一言……」
「私はえ!?いや、普通に証明写真機で撮りました。と伝えたら専務さんも『あーそーなの?うちは太ってる子はちょっとねー、事務と言えば会社の顔なのよ分かる?』と他の面接官もクスクス笑っていました」
写真映りが良かったのだろうが、あまりにも失礼な言われようだ。女性は「その頃の私は標準体型で太っていたわけではありませんでした」と振り返り、「入室して早々に写真偽造を疑われ挙句体型を批判されるとは思ってませんでした」と衝撃を綴った。
しかもこのやりとりの間、着席を促されることもなかったようで「立ったまま」だったと明かす。「今の社会じゃセクハラに該当してもおかしくない発言」に、
「この会社では働けないと思い、笑顔で『求人欄には細身の方と付け足した方が良いですよ?』と言って退室しました」
と冷静に指摘しやり過ごした女性。その後も、「合否連絡も無く、そんな最低限のことも出来ない会社なのかと呆れました」と当時の胸中を明かす。
「今は住んでいるところも変わりその会社がどうなったのかわかりませんが、本当に入社しなくて良かったと思います」ともっともな感想を書いていた。
感想
考えられないような、面接に臨んだ経営陣であるし、にわかに信じがたい。
面接にお越しいただいた女性に対しても失礼過ぎるし、この会社のイメージを著しく損なっている。
そもそも、女性の体型を口に出して指摘し、侮蔑するような旧態依然とした、男性の悪癖を経営者ともあろう立場の人間がするようなことではない。
筆者も人事として、また、経営者として、数千人以上の面接に及んだが、
男女を問わず、人の容姿について面と向かって批評したことは一度もない。
既に採用した社員にしても同様である。
今ならば、完全にコンプライアンスに抵触する行為であるし、一種のセクハラに該当すると思われる。
このような対応を取られた女性は、求人誌なりに通告して、対処を求めて、会社側に謝罪してもらってもいいのではないのだろうか。
未経験歓迎、職歴不問の“受付事務”という募集
未経験歓迎、職歴不問の受付事務という、募集要件に疑問を感じる。
ようは誰でもできます。どんなスキルも必要なしと謳っているのと同じことなので、この会社が、いい加減な選考で選んでいることは明白と見える。
さらに、一次の書類選考にはパスしているのだから、あなたの容姿に問題があり。とハッキリとしたお断り文句が用意されていたことになる。
受付事務のような職種は、大量に面接希望者が押し寄せるために、
必然的に「若くて容姿の良い女性」を無条件で選ぼうとしている魂胆が見え見えなのだ。
きれいごと抜きで、体型に難のある女性を選ぶのか??
採用する会社によって、多少の差はあるかも知れないが、応募数が多ければ、当然、見た目の良い人を優先してしまうのは、面接官が男であれ、女であれ、変わらないと思われる。
女性だけでなく、男性でも、太っている人はまず採用候補として不適格とみなされるのは仕方がないことではないだろうか。
顔の良し悪しというよりも、体型によるジャッジだと思う。
だらしない体型の人を受付に置いて、会社のメリットは見当たらない。
とはいえ、ここでは明らかな肥満が問題というわけでもなく、モデルのようなスレンダー体型をも要求していることも考えられないので、この記事を読んだ限りでは、この女性はここまで侮辱されるまでの根拠はない。
応募してきた人への対応
ここでは、ご来社頂いた女性に対して、容姿に関するコメントは一切控えて、彼女が帰社してから、社内で感想を述べればいいだけの話。
また、礼儀として、応募書類は、プライバシーにもかかわることなので、返却する義務も生じてくると思うし、そうするのが当然ではないか?
どのような人が面接に来たとしても、会社の要望に相応しくない人でも、採用側のエチケットとして、相手にとって気持ちの良い態度で臨み、応募者に感謝の意を表すのが適切な対応だとわたしは考えている。
ちなみに私は、残念ながら採用には至らなかった人物で、感じの良かった人には、連絡を入れて、別の会社を紹介したりしていた。
また、適切なアドバイスも添えたりもした。
もちろん見返りなどには期待はしていないのだが。
そのうちの何人かが、他社で勤務後に活躍して、のちに経営者になった事例も少なくはない。その会社が取引先となったこともある。
人と人との出会いは何に発展するかはわからない。
一期一会という言葉通りに、一人として、出会える人に無駄ということを感じなければ、このような面接での問題も起こらないだろう。
かくいうわたしも、何社かで不採用となっても、お車代を頂いたり、ねぎらいの言葉をかけてくれた社長さんや、面接官の言葉や顔は忘れていない。
こうした人たちから学んだということもあるのかも知れない。
誠意を持って対応されれば、その会社の好感度は上がることは必然であろうし、落とされてもなんの悔いも残らないだろう。
いずれにせよ、採用側も応募側も気持ちの良い出会いにして頂きたいものである。
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