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ナパ バレーから

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ナパ バレーから遠くないところに住み始めて 30年が過ぎ、気がつけばそのワインばかりを飲んでいます。結局わかったことはワインはストーリー。そのナパ バレーのことを主に、それ以外の… もっと読む
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#発酵

素人のワイン造り (12)

素人のワイン造り (12)

というわけで、僕は(むずかしくない方の)培養イーストを使いました。一袋5gのイーストをぬるい湯で溶いて、バケツの中のマスト(ぶどう粒を潰したグチャグチャの液)の中に入れただけなのですが、これで翌日まで待つと発酵が始まっていることがわかります。ぶどうが発酵すると、イーストが糖分を摂取してアルコールを生成し、二酸化炭素を放出します。マストの中で発生した二酸化炭素は泡となって浮き上がってくる、想像できま

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素人のワイン造り (11)

素人のワイン造り (11)

前回書いたように、酵母には天然酵母と培養酵母の2種類があります。日本ではこの2つを天然酵母とイースト(またはイースト菌)と言っています。実際はどちらもイーストですから、こういう言い方はおかしい。なぜ酵母とイーストは別物だと誤解されるような言い方をしているのか、摩訶不思議ですね。

天然酵母は自然に存在している単細胞の微生物で、いろいろな種類(現在わかっているのは 1,500種ほど)があります。天然

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素人のワイン造り (10)

素人のワイン造り (10)

(しばらく休止していましたが、実はアイスランドに行ってきましたが、そのことは『アイスランド旅日誌』に書きましたので、興味があれば読んでみてくださいね。大変に面白い旅行でした。)

さて、ワイン醸造の話を再開します。

バケツの中ではマスト(ぶどう粒を潰したグチャグチャの液)の発酵が進んでいます。発酵が始まって1週間もすると、ほとんど安定します。今ここで改めて、発酵のことを考えてみましょう。

発酵

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素人のワイン造り (9)

素人のワイン造り (9)

前回でようやく発酵が始まるところまできました。ぶどうの房を収穫した日、あるいはその翌日には発酵のプロセスに入ります。

糖分は発酵というプロセスを通じて、アルコールと二酸化炭素に分解されます。二酸化炭素は気体で、マスト(というぐちゃぐちゃの液体)の中に泡となって閉じ込められていますが、これをかき混ぜて空気中に解放してあげるという作業を1日に2、3回繰り返します。これを1週間から10日間が目安です。

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素人のワイン造り(8)

素人のワイン造り(8)

昨夜準備したマスト(というぐちゃぐちゃの溶液)はバケツに入っていますが、そのバケツには蓋がしてあります。蓋を開けると、ぶどうの皮が半乾きで固まっています。まずこれを混ぜる。バケツは割合に深いので先端がスプーンの形になっている1メートルくらいの棒で混ぜるのですが、ぶどうの皮の下は液体です。(ははぁ、これがワインだな)と思いながら混ぜていきます。

混ぜ終わったら、いよいよ酵母。5グラムの市販酵母を

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素人のワイン造り(7)

素人のワイン造り(7)

ワインがどうやって造られるか、これはもうよく知られていることですね。ぶどうを潰して容器に保存しておくと、皮に付いている酵母によって自然に発酵します。発酵とは(ぶどうの実の)糖分がアルコールと二酸化炭素に分解されること。二酸化炭素は空気中に発散され、アルコールは赤や白の液体に混入される、簡単に言ってこれがワインですね。ちなみに、アルコールが混入する前の液体は何というか、もちろんこれはぶどうジュースで

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