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【告白】教師として負けたんだ

私は10年以上教員として英語を教えてきました。
しかし、去年から専任は辞めて非常勤講師になりました。

理由は単純で、教師として限界がきたから

ここは自分の中での気持ちの整理をしたい

「不登校」
「校内万引き」
「生徒による保護者宛文書の偽装と配布」
「中学生のパパ活」
「校内から110番」
「生徒の家出」
「親と生徒の仲介」

こんなイベントが起こる学校で、毎日教科指導をしていたが、自分には無理だった

20代の頃は脇目も振らず無我夢中でやってきたが、
自分の中で何かがプツンと切れた

若い頃に描いた、教師としての理想と、段々とかけ離れていく

保護者からの学校に対する要望も、日に日に増している

生徒も誰から影響を受けているのか、「男女平等」や「公平」などの言葉だけ利用し、自分の立場が良くなることを考える子が増えている

教員だって人間だし、感情がある

でも、そんな感情を出したらすぐに親が出てくるのは目に見えてるから、本気で指導することなんかできなくなった

指導の裏には、その子どもより保護者の顔が浮かぶ

こんな状況をまともに対処していたら、精神的についていけてない自分がいる

私は「いつも優しい先生」なんて言われるようになったが、
実際には優しい先生にならざるを得なかった

叱ることも、強く指導することも、もう何年もできてない

指導すべき時も、強い指導をできずに、自分の信念を貫けなくなっていった

だんだんと「自分自身に嘘をつく」ことが多くなった
ニコニコしながらも、心中はイライラしている

自分自身を裏切る時が一番の不幸だ

そんなことを思うようになっていった

こんな状態は、生徒にとっても自分にとっても不健康だ

でも辞める勇気がなかった

「なぜ教員がここまでするの?」「やっぱり自分には向いてないのか?」と思う場面が多くなった

最初は「自分は間違ってない!」「悪いのは生徒だ!」「悪いのは保護者だ!」「悪いのは他の教員だ!」

そうやって自分を肯定することに必死だった

でも自分を肯定して、自分を必死に守るのも疲れた

本当に、お世辞抜きで、こんなご時世に芯を持って教員をしている方を尊敬する

そろそろ「自分を肯定する」のはやめて、「自分を受け入れる」必要がある

自分は、「教師として負けたんだ」

「こんな仕事量と精神的苦痛を抱えながら、こんな給料しかない」という考えも、所詮は負け犬の遠吠え

教員として希望を持っていたからこそ、自分を裏切らないように何かに責任転嫁をして予防線を張ろうとしていただけだった

いま大切なことは、自分を受け入れること

その答えは、「自分はこの業界で負けた」

”学校がもっとこうだったらもっと自分はうまくやれる”
”この上司がいなかったら自分はもっと活躍できる”

こんな考えが芽生えた時に、自分は負けていた

他人に責任転嫁をし、自分の保身だけを考えて、何とか自分を肯定しようとしてきた

少しずつ生まれてきた”イライラ”は、決して周りから生まれたものではなく、自分自身を裏切ることから生まれたもの

本当に言いたいことを言えなくなっていく自分を、受け入れることができなかった

こんな状態で、生徒に指導をしようなんて、まさに悪循環

自分の「負け」を認めた時、初めて次のステップに進める

いまは、教員として程よい距離を保てる非常勤講師になった

専任の教員時代に比べて、自分の思い通りにはできない

そのことが時に辛い時もあるけど、自分の中で決めたこと

あとは、自分自身を裏切らない人生をどう歩んでいくのか、必死に考えていくしかないと思っている

一度、こんなどん底に落ちたからこそ、もう隠すものもない

世の中でどう自分が役に立てるか、ちゃんと考えなくてはいけない

でも、この経験から学んだこと”自分を裏切らない”は、
今後の人生で一番大事にしていきたい





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