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土木学会選奨土木遺産

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土木学会選奨土木遺産の認定制度は、土木遺産の顕彰を通じて、歴史的土木構造物の保存に資することを目的として平成12年度に創設されました。 このマガジンでは「土木遺産」に触れた記事(…
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#土木

令和6年度土木学会選奨土木遺産

土木学会事務局です。 土木学会では2000(平成12)年度から、顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的として、選奨土木遺産を認定しています。 本日、2024年9月24日に令和6年度選奨土木遺産14件を公表し、24年間の累計で認定した土木遺産は531件となりました。 選奨土木遺産には、大規模なものから小規模なものまで、また誰もが知っているような有名なものから、日常生活の中に溶け込んでいて気がつきにくいものまで、さまざまなものがあります。そこにある土木施設にどの

◎山梨へのプチ旅◎:①中央本線に乗って勝沼へ旅する(前編:笹子峠の越え方)

今年のGWは、特に遠出もせず、近場で過ごしました。といいつつ、中日の平日に、山梨までプチ旅に出かけましたので、その模様をご紹介したいと思います。 ■中央本線で、勝沼ぶどう郷駅へ 今回は、我が家である八王子からだと、実はそんなに遠くない、山梨県へ。大月駅を越えてしばらく走ると、笹子トンネルを抜け、甲府盆地に入っていきます。盆地が開け始めた坂の上にあるのが、勝沼ぶどう郷駅です。 ■中央本線の線形を考察する さて、駅前の探索に入る前に、笹子トンネルを越えて乗車してきた、中央

『Local Natural Environment』を伝え・考える Vol.4(先人たちの開拓史)

今回は、日本三大秘境にも選ばれている椎葉村のご紹介です。 仕事の都合で定期的に椎葉村に訪問しています。また、国見岳、扇山、三方山など、静で飛び切り美しい山々もあり休日の山時間でも楽しませていただいております。 冒頭にも記載しましたが、『秘境』と言われるがごとくアプローチは消してよい方ではありません。過去に比べれば断然良くはなっているようですが。 そもそも『日本三大秘境』とは、日本の自然や文化が残る離れて地域の事で、岐阜県の白川郷、徳島県の祖谷、宮崎県の椎葉村とされています。

■鉄ドボ in KYOTO■①:阪急電車の一線級土木遺産と、それを渡る通りのお話

私の生まれ故郷は、京都市の西の端の部分です。最寄り駅は、阪急京都線。子供の頃から何気なく乗っていた路線で、この沿線は知り尽くしたと勝手に思っていましたが、いざ改めて街歩きをしてみると・・・ うわ!!すごいわ!!何これ!! という発見の連続です。今回も、そんな発見をしに、元々よく知っている沿線を歩いてきました。 ■西院駅からスタート 街歩きのスタートは、阪急西院駅。ここを歩くのは、実は2回目。最近記事にしていました。(前回の記事はこちら) 今回は、この時行けていない、

★ドボクスキーの北海道冬ごもり紀行 ⑪:さいはての稚内へ

2月の北海道の長旅もいよいよクライマックス。前回の記事では、オホーツク海側の紋別から、内陸の小さな村、西興部村に泊まりに行ったことをご紹介しました。(前回の記事はこちら) 今回は、名寄駅からJR線に乗り、さらに北上し、稚内の町を目指したことを書きたいと思います。 ①名寄駅から稚内を目指す ②さいはての駅、稚内駅 ③北防波堤ドームを目指す さて、稚内に来たら、ドボクスキーとして、是非訪問したいスポットは、こちらです。 このドーム、なぜこんな形をしているかというと・・

【南大沢土木構造物めぐり】No.110 オリンピックのレガシーロード

「南大沢土木構造物めぐり」のマガジンを気が付いたら10か月近く更新できていませんでした・・。地元の街歩きを全くしていないわけではなかったのですが、最近は都心部を歩く機会が増え、街歩き等のガイドを務めたり、いろんな土地に出かけた際に街歩きしたレポートを書いたりと、なかなかこの地域での活動を記事にする機会が少なくなってしまって・・。という状況でしたが、今回は久しぶりに書きます! 12月3日(日)に開かれた、「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2023」という自転

わたしが見た建設業 ~「かわいい土木」が物語る地域建設業の仕事~

■建設業の本質を語る名作コピー誕生 「地図に残る仕事。」―建設業に関わる方なら誰もが、それ以外でも多くの方が、一度は耳にしたことのあるキャッチコピーだと思います。このコピーが誕生した1990年代の初め頃、私は大成建設の広報部に在籍していました。直接の担当ではなかったものの、あのときの世の中からの熱狂的な反響は、いまでもはっきりと覚えています。 現在も同社のCMなどで見かけるこの息の長いコピーは、全国の地方紙に展開する全段広告シリーズのために作られたものでした。広告の制作段階

万内川砂防堰堤群を訪れました~新潟県妙高市・土木学会選奨土木遺産~

土木学会選奨土木遺産としては、万内川砂防堰堤群・日影沢床固工群として登録されていますが、今回は時間の都合で万内川砂防堰堤群を見るに留まりました。 新潟の歴史は、雪との闘いの歴史です。 この万内川で起きた災害も、死者を1名に留めたことは、集落の結束の強さの証かもしれません。 石碑に書かれていた言葉が、ココロに刺さりました。 県の事業で行われたわけですが、大正の時代。 人力での施工で、集落の方々が人夫として作業にあたったそうです。 石工が割った石やセメント袋を「石背負い」「

土木学会選奨土木遺産を訪れました~東海道線大井川橋りょう・静岡県島田市~

令和5年度に土木学会選奨土木遺産になった、東海道本線大井川橋りょうを訪れました。 完成したのは1915(大正4)年だそうです。 リベットによる剛結合の曲弦プラットトラス桁。 知らないひとには、もはや暗号のような。 わたしは上手く説明する自信はないので、他人のチカラを借りることにします。 剛結合とは、「部材同士を一体化する接合方法」です。 プラットトラスとは、斜材が「逆ハの字」に配置され、上弦材、下弦材、鉛直材で構成されるトラスです。 なんとなくわかっていただけたでし

土木学会選奨土木遺産を訪れました~旧浦村鉄橋・新潟県長岡市~

土木学会選奨土木遺産、旧浦村橋鉄橋の不動沢橋、岩田橋、旧越路橋保存橋を訪れました。 北越鉄道が信濃川に架けた橋りょうが浦村鉄橋です。 さて、北越鉄道とは。 もちろん、六日町から十日町を経て犀潟に至る北越急行とは異なる鉄道です。 北越鉄道は1907年(明治40年)に鉄道国有法により国有化され、現在はJR東日本の信越本線になっています。 渋沢栄一さんの名前が出てきました。 ホント、すごいひとだわ。 さて、浦村鉄橋の名前にある浦村とは。 浦村は1889年4月1日に発足し、

長生橋を訪ねました~新潟県長岡市・土木学会選奨土木遺産~

長生橋一度見てみたいと思っていた長生橋。 新潟県長岡市にあり、信濃川に架けられた橋梁です。 土木学会選奨土木遺産に選奨されています。 【諸元】 橋長:850.8m 幅員:7.0m 形式:下路式ゲルバー鋼ワーレントラス橋 構造などについて、新潟県のホームページでわかりやすく書かれています。 また、「長生橋を愛する会」も組織されていて、多くの方から愛されているんですね。 ライトアップされていたり、長岡花火でもナイアガラがかかる橋だそうです。 短い時間でしたが、長生橋の全景

気になった投稿〜令和5年度土木学会選奨土木遺産〜

土木学会選奨土木遺産が公表されました。 土木学会公式noteでも取り上げられています。 また、訪ねる場所が増えそうです。 どんな場所か、実際に見る構造物の印象はどんな感じかな。 わたしはこれまでに、土木学会選奨遺産を旅の目的のひとつとして訪ねています。 以下に、過去の投稿を並べます。 どれも歴史を感じ、ステキな構造物でした。 インフラツーリズム、歴史ある選奨土木遺産を訪ねる旅。 選奨土木遺産に限らず、身近な土木構造物にも、ステキなものがありますよ。 みなさんも探してみ

宇津ノ谷隧道群(明治・大正・昭和)【土木学会選奨土木遺産】を訪れました~静岡県静岡市・藤枝市~

静岡県静岡市と藤枝市の市境付近に、明治・大正・昭和の三世代の隧道があります。 先日この隧道群を訪れました。 明治の隧道は、明治9年に開通しました。 国の史跡、国の登録有形文化財に指定されるほか、土木学会選奨土木遺産でもあります。 徒歩、自転車での通行が可能です。 煉瓦積の隧道を歩いて通ってみてはどうでしょうか。 大正の隧道は、県道として供用されています。 こちらも徒歩、自転車での通行が可能ですが、歩道はありません。 自動車なども通行しますので、周囲に注意して通ってください

安部川橋を訪れました【土木学会選奨土木遺産】~静岡市~

静岡県葵区にある安部川橋。 その名のとおり、静岡市を流れる安部川に架かけられた橋梁です。 土木学会選奨土木遺産です。 今年、2023年の8月7日には、登録有形文化財に登録されたとのことです。 これからも永く大切にされますように。 諸元等は、土木学会のホームページを参考にしました。 わたしが訪れた日、天気は良かったものの、逆光が心配な時間。 こんな写真になりました。 綺麗に撮るのは、なかなか難しいですね。 土木遺産は、もっとじっくりと楽しまなくてはいけないかな。 細かく