◎山梨へのプチ旅◎:①中央本線に乗って勝沼へ旅する(前編:笹子峠の越え方)
今年のGWは、特に遠出もせず、近場で過ごしました。といいつつ、中日の平日に、山梨までプチ旅に出かけましたので、その模様をご紹介したいと思います。
■中央本線で、勝沼ぶどう郷駅へ
今回は、我が家である八王子からだと、実はそんなに遠くない、山梨県へ。大月駅を越えてしばらく走ると、笹子トンネルを抜け、甲府盆地に入っていきます。盆地が開け始めた坂の上にあるのが、勝沼ぶどう郷駅です。
■中央本線の線形を考察する
さて、駅前の探索に入る前に、笹子トンネルを越えて乗車してきた、中央本線の線形を、大月駅から山梨市駅までの間で、国土地理院の地形図でなぞってみました。
そういう意味で、笹子トンネルはもちろん大工事なのですが、この地図上の勝沼付近にある、深沢トンネルと大日影トンネルも、かなりの本格的なトンネルであることが見て取れます。
この区間は、登りも下りも、蒸気機関車で登れる最急勾配の目安とされる25パーミル(1km行くと25m登る)勾配が連続します。本来、駅は平らな場所に設ける必要があるのですが、平らな場所を作る余裕が無いので、駅はこの路線から離れたところに平らな分岐線(スイッチバック)を設ける設計になっています。この区間だと、大月側の、初狩、笹子の両駅、そして、甲府川の勝沼ぶどう郷駅が、スイッチバックを有した駅でした。
■一方で、中央自動車道や国道20号は・・
ちなみに、この峠越えを、高速道路や国道はどう克服しているかを調べてみました。(ちょっとマニアックな前置きです(笑))。
一方、国道20号はというと、
こうやって書かせると、峠越えにトンネルがあることは共通していますが、そこに至るアプローチなどはちょっと違うことがわかります。ただ、意外と一定の勾配で坂道が続いていることも共通しているようです。
■勝沼ぶどう郷駅周辺を歩く
「勝沼ぶどう郷」駅は、かつて、「勝沼」駅でした。ちなみに隣の駅は、当時「初鹿野」駅でしたが、今は「甲斐大和」駅になっています。
こんな素晴らしい公園があります。駅の反対(東京方)には・・、
そして、そのすぐ後ろの石碑は・・、
この石碑は、2004年~2008年に実施された防災対策工事です。トンネルの坑口や沿線の法面の防災対策を施すことで、大雨時の運休の頻度を大幅に減らすことができた防災工事の記念碑です。
■大日影トンネル遊歩道へ
さて、スイッチバックの線路の端部付近から、大日影トンネル遊歩道に続く道があるので、そちらに登っていきましょう。
大日影トンネルは、明治36年に中央本線が開通した時にできたトンネルです。廃止されて新線に切り替えられる平成9年まで、鉄道トンネルとして現役でした。大日影トンネルと、隣接する東京側にある、深沢トンネルのさらに東京側にある、横吹第2トンネルの変状が大きく、2本のトンネルが掘られ、供用を続けていましたが、変状が続いたため、平成9年に新線が作られ、大日影・深沢トンネルとともに廃止された経緯があります。
このトンネル遊歩道、2007年から管理する甲州市が開放していましたが、安全上の理由で2016年から閉鎖されていましたが、2024年3月に再び解放された経緯があります。
■旧・深沢トンネルを流用した、勝沼ワインカーヴ
なかなか楽しい探索ができる場所でした。今回のご紹介はここまで。次回は引き続き勝沼ぶどう郷駅付近の勝沼地区を歩いてきていますので、その模様をお伝えしますのでお楽しみに。
■終わりに
勝沼ぶどう郷駅周辺は、スイッチバックの跡地や、旧トンネルを活用した施設などが残り、とても楽しいインフラツーリズムができる場所です。さらに、ワインを楽しむこともできます。しばらく閉鎖されていたトンネル遊歩道が、再び開放されたので、是非一度訪れてみてはいかがでしょうか?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?