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静寂と高鳴りのあわい

私の家事見習いとしての一年間が、家中の大掃除とともに終わろうとしている。料理、洗濯、和裁、書、おどり、読書、執筆、、、、今年取り組んだ事の全てに新しい発見があり、あらためて文化の奥深さに気付かされた一年だった。

家事、お稽古事や読書に加えて、毎週通った京都芸術大学の公開講座では、普段接することのないような多くの古典に触れ、味わうことができた。永く伝わるものの磨き抜かれた美に心奪われ、同時に、その美が含み持つ厳しさに身を引き締められた年でもあった。

芸、伝統の道をゆく人の言葉には、また別の道をゆく人の言葉と通じるところが必ずあり、それは、それぞれの芸や伝統に対する謙虚さ、敬意を示す姿であった様に思う。
私も道をゆくものの一人として、幾代にわたって培われた文化に包まれながら、新たな一歩を進めていきたい。

去る年に思いを馳せる静寂と、来る年に希みを抱く胸の高鳴りのあわいを一人楽しんでいるうちに、たくさんの出会いと学びをもたらしてくれた家事見習い一年目は暮れてゆく。

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