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セクハラ・性暴力の定義(韓国映画・性平等センター“ドゥン・ドゥン”)

Japanese Film Project

このページでは、韓国映画・性平等センター“ドゥン・ドゥン”が公表している「セクハラ・性暴力の定義」をセンターの許可を得て翻訳しています。

昨今、日本でも性加害の問題が取り上げられてますが、その対策防止策の参考にしていただけますと幸いです。

韓国語の原文掲載サイトはこちらから

【セクハラ・性暴力とは?】

▼性暴力(sexual violence)とは?

現行法では「わいせつ行為」や「強姦」を「性暴力犯罪」と狭く規定して処罰しています。しかし現在「性暴力」は、個人の性的自己決定権を侵害する精神的、言語的、身体的暴力を意味し、相手の意思に反して行われるすべての性的言行を指す広い概念として理解されています。

▼セクハラ(sexual harassment)とは?

男女雇用平等法及び両性平等基本法等によると、「セクハラ」は地位の利用や業務に関わる場面での性的言行などによって性的屈辱感や嫌悪感を抱かせたり、性的言行もしくはその他の要求等に従わないことを理由に、雇用等において不利益を与えたりすることを意味します。

▼セクハラの原因は、権力関係の不均衡

ひとつの組織の中には、年齢、性別、地位、雇用形態、学歴、経歴など様々な形の権力が存在します。このような権力関係の不均衡が下敷きとなり、差別と暴力が重なることでセクハラは発生します。つまり、セクハラは個人間の犯罪ではなく、組織内での差別行為だと言えます。このような行為は、被害者の性的自己決定権、幸福追求権、私生活の秘密と自由、労働権、人格権などの基本権を侵害するだけでなく、平等な組織文化に悪影響を及ぼして組織の発展を阻害します。
(韓国両性平等教育振興院『セクハラ予防教育 標準講義案2.0』参照)

▼セクハラの判断基準は何ですか?

セクハラかどうかを判断する際は、セクハラ行為者の意図や動機ではなく、被害当事者の感情、例えば性的屈辱感や嫌悪感を抱くような行動だったかどうかを中心に判断します。たとえ行為者に性的意図がなかったとしても、セクハラとして認められ得ます。
(韓国両性平等教育振興院『職場内でのセクハラ予防と対処のための主体別対応マニュアル』参照)

▼どのような行為がセクハラに該当しますか?

「男女雇用平等と仕事・家庭の両立支援に関する法律施行規則」では、セクハラ行為かどうかを判断するための基準を以下のように例示しています。

身体的行為

  • キス、抱擁、後ろから抱き締めるなどの身体的接触行為

  • 胸・尻など特定の身体部位を触る行為

  • マッサージや愛撫を強要する行為

言語的行為

  • わいせつな冗談を言う、卑猥で下品な話をする行為(電話を含む)

  • 外見に対する性的な例えや評価をする行為

  • 性的な事実関係を尋ねる、性的な内容の情報を意図的に広めるなどの行為

  • 性的な関係を強制または誘導する行為

  • 飲み会などで無理に隣に座らせて酌を強要する行為

視覚的行為

  • わいせつな写真・絵・落書き・出版物などを掲示または見せる行為(インターネットやファクシミリなどを利用する場合を含む)

  • 性に関わる自身の特定身体部位を意図的に露出させる、触る行為

他に社会通念上、性的屈辱感または嫌悪感を抱かせ得ると認められる言葉や行動。

▼セクハラが発生したときの適切な対処方法は?

管理者(事業主):

内部規定に従って手続きを進められるよう協力し、被害者と行為者の分離および二次被害の予防、被害者の被害回復および不利益禁止、モニタリング等の措置を取らなければなりません。

被害者:

まず、セクハラは行為者の過ちであり、被害者のせいではないという認識を持って、具体的かつ断固として問題を指摘し、法的/制度的な対処手順を通じて解決策を模索します。この時、事件に関わる客観的事実を5W1Hに沿って記録し、カカオトークのメッセージ、メール、電話通話履歴、目撃者など、関連資料を確保すると役に立ちます。

行為者:

自身にセクハラの意図がなかったとしても、被害者が性的嫌悪感や屈辱感を抱いた場合にセクハラが成立することを認識し、相手が拒否の意思を表現すれば直ちに行為を中断して心から謝罪します。

第三者:

私的な介入や個人的な質問は控え、被害者の勇気を応援し、支持する助力者となることが望ましくあります。セクハラは当事者だけではなく組織の問題であり、自身の問題でもあるという認識を持たなければなりません。被害者を非難したり噂を流布したりするなどの行為は二次加害になり得ます。

(韓国両性平等教育振興院『職場内でのセクハラ予防と対処のための主体別対応マニュアル』参照)

▼セクハラを防ぐにはどうすればいいですか?

  • 組織内でセクハラに関する規則と手順を作成し、構成員に周知する

  • セクハラ予防教育を行う

  • 個人のプライバシーを尊重し、公私を区別する

  • 性差別、性対象化を行わない、性的な冗談を言わない

  • 職級、性別を問わず互いに尊称で呼び合い、尊重し合う

  • 組織内のジェンダー不均衡を解消する

(韓国両性平等教育振興院『セクハラ予防教育 標準講義案2.0』参照)

【事件対処の手順】

▼相談・申告受付

電話、Eメール、ホームページを通じて相談を申し込むと、センターの相談委員が相談を受けます。相談委員は事件解決のために必要な情報やどのような支援が可能かを案内し、申告者の意思を尊重すると共に、法的対応の支援や映画産業内での処理手続きを進めます。

▼法的対応の支援

法律相談を提供し、弁護士を紹介したり、専門機関につなげたりするなど法的対応を支援します。

▼映画産業内での対処

「映画産業内での対処手続き」は、「合意」と「勧告」に分けられます。それらの手続きに強制力はありませんが、「映画産業」という共同体の中で、相互信頼を前提に試みる共同体的解決方法といえます。

合意
被害者が合意を希望する場合は、被害者を代理して合意を進めます。合意条件としては、謝罪(口頭、書面)、再発防止覚書の作成、加害者教育の受講、接近禁止などが提示されます。

勧告
センターでは、案件に応じて加害者が所属する団体や、事件が発生した団体への措置・改善勧告、意見を表明する公文書送付などを行えます。センターの勧告に法的拘束力はありませんが、加害者が所属する団体や関連機関の内部規定による制裁が可能です。

【相談申し込み方法】

韓国映画性平等センター「ドゥンドゥン」では、映画産業の中で発生したセクハラ、性暴力に関する相談を受け付けています。

セクハラや性暴力を直接経験したり目撃したりしたときは一人で悩まずに、相談を通じて問題解決に必要な情報と適切な助けを受けてください。相談内容や個人情報は徹底して秘密を守ります。

  • 対象:映画産業に従事または参加する者すべて

  • 内容:セクハラ(言語的、身体的、視覚的)、性暴力(わいせつ行為、強姦)、デートDV、ストーカー行為など

  • 相談申し込み:対面(訪問)相談は電話またはホームページでの相談申し込み後に可能です。

  • 電話番号:1855-0511内線番号2(運営時間月~金10:00~17:00、昼休憩12:30~13:30)

  • メール: with@solido.kr

【法律支援】

性暴力被害により生じる法的困難に対処します。
対象:セクハラ・性暴力被害を経験した映画産業従事者(予備映画人含む)内容
法律相談および諮問
・民事・刑事訴訟、合意代理などに関する弁護士選任
・訴訟費用および証拠採取の費用など

【医療相談】

性暴力被害による身体的・精神的治療費用を支援します。
対象:セクハラ・性暴力被害を経験した映画産業従事者(予備映画人含む)
内容
・心理評価および心理相談
・心療内科診療
・産婦人科診療 など

(翻訳監修:大塚大輔)

※本プロジェクトは、トヨタ財団 2021年度研究助成プログラム「日本映画業界におけるジェンダーギャップ・労働環境の実態調査」(代表:歌川達人)の助成を受けて実施されています。
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JFPは、日本映画業界の「ジェンダーギャップ・労働環境・若手人材不足」を検証し、課題解決するために「調査および提言」を行う非営利型の一般社団法人です。 https://jfproject.org/