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忘れられない言葉たち

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強く共感したもの。心を突き動かされたもの。また読みたいとふいに思い出す素敵なnoteを入れさせてもらいました。やわらかな言葉に、切なさに、激しさに、もう一度スキを。
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#思い出

「大人になったね」に対する感情は定まらないけれど

日差しは強いが風は冷たい。ジャケットを羽織っていて心地よい気候だった。年中こうあってくれ…

翠 はるか
2年前
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Lost in Alsace

アイコンの謎の生き物の名前は、「きなこ」といいます。 きなこは、妻が大学生になって上京し…

kaoru
4年前
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掌編小説 | にじいろ、オルゴール

「ちょっと、スマホ見て?もうこれ何回目?」 扉が開いた瞬間、私のおかえりを掻き消すように…

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思い出、道路に転がして

小学…何年生の頃だったろうか。 2年…いや、3年生だったかも知れない。 クラスに転校生がや…

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【頼むから、死んで下さい】

「頼むから、死んで下さい。」 そう、言われたことがある。 「頼むから」 懇願している訳であ…

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封印したドリカムを聴く、年に1度の夜

年に1度だけ、ヘッドホンをつけてドリカムを聴く夜がある。それが、きのう。7月7日、ドリカム…

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【エプロンの結び目】

ぐらぐらと煮立つ白い湯気と、肩幅の広い後ろ姿に巻き付くエプロンの結び目を見ていた。 耳を突き刺す泣き声は、隣でのたうち回る少女の叫び。          ∇∇∇ 「ねぇ、遊ぼう!」 大好きな声がする。私は庭から飛び出していく。地面に落ちて抜け殻のように横たわるフラフープ。 見慣れた色白の顔。冬生まれの小さな体に、「雪」という名前が溶けていく。一見、一重のような彼女のまぶたには、うっすらと線が入っており、質素なようで品のある目をしていた。 「ゆきーーー!」 駄菓子屋にでも

「お母さんのおにぎり」のような文章が書きたい

長い間放置していた下書きを再開した。きっかけはサトウカエデさんのnote。 こんなこと書くと…

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