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ロボットベンチャーCOOのスキル


ベンチャーCOOの役割とは?
どんな経験を得ることができる?

これは良く聞かれる質問だが、いつも返答に困ってしまう。そして結局、会社フェーズやメンバー構成によって全然違うと思うよと答えることになる。(これは結局答えになっていない)

COOとは、Chief Others Officeだと言う人もいたが、確かにその通りだと感じる。事業会社で営業→調達→新事業開発を経験し、ベンチャーに飛び込んだ訳だが、よもや自分がエンジニアメンバーを統括するとは夢にも思っていなかった。(もちろん統括できていたかは甚だ疑問ではあるが)

細かい技術まで理解できる出来る訳がなく、何とか踏ん張ってプロダクトの要件定義だったり作業計画の管理を行っている。

そしてついに待ちに待った技術責任者がこのタイミングでジョインしてくれ、ようやく技術周りをバトンタッチすることができた。(言うまでもなく俄かCTOとは違い、深い技術的知見から完全に技術部門をコントロールしてくれている)ここまで極端な例はないにしても、COOとして畑違いな領域を見ている人も多数いることだろう。

直近はより営業サイドにシフトし、主に売り上げ周りを見るようになった。ただし営業に100%力を注げているかというと、全くそういうことはなく、体感値として30~40%程度だろうか。(あくまで2024年2月時点)

その他は組織のことだったり、資金繰りだったり(資金調達時にはこの負担が格段に大きくなる)、人材採用、戦略策定と多岐に渡ることにリソースををかけている。会社フェーズやその他取締役との業務所掌の取り決めによって、全く変わってくるかと思うが、一概にCOOの責務とはこうだとは本当に定義ができないと思う。

やはりChief Others Office(落ちているボールは何でも拾う、何でも屋)と言うのは正しいように感じる。

ではこの2年で何の能力が伸びた(磨かれた)のか?

この質問にもまたう~ん、と頭を抱えてしまう自分がいる。確かに今までに経験したことのない会社全体を俯瞰してみるという視座は身に着いたと言える。(というよりそうせざる負えなかった。これまでは会社の残キャッシュなんて気にしたことはなかった)

ただ特定のこのスキルが伸びたという実感はない。(むしろ強いて言えばモノづくりの観点やPMの経験は少し伸びた気がしなくもない)。事業進捗の観点でも、営業メンバーがプロダクトの売り込みや関係会社とのネゴを実施してくれるので営業スキルが伸びたかと言われると決してそんなことはない。ただし、中長期的な観点での営業戦略みたいなところは自然と私の職務となるので、やはりここでも会社戦略みたいな大きな視座は身に付いたように思う。

但し、唯一伸びた能力があるとすれば、、、

何が起きても何とかするという火事場の馬鹿力みたいなものは身に付いたような気がする。後は複数の炎上案件をサーカスさながらにお手玉するハンドリング力抜群になった。

あちらでお客様と揉めていると言えば、すぐに駆け付けてベクトル修正することだったり、プロダクト開発に問題があると聞けばすぐに人のアサインを組み替えるなどはお手の物だ。

また喧嘩の仲裁だったり、審判役の経験値は圧倒的に増えたような気がする。まだベンチャー1社しか経験していないので、これがどのベンチャーにも当てはまるとは限らないが(むしろ当てはまらないことを祈る)、喧嘩の仲裁役をすることが圧倒的に多い2年間だった。

エンジニア同士だったり、エンジニア-営業間だったり、経営チーム同士だったり、日々本当に様々ないざこざが発生する(これが方針の違いからくる議論ならいいのだが、全部が全部そういう訳でもないのが辛い)

ベンチャーのような小さな組織ではこのような火種がすぐに大きくなり、組織崩壊に繋がることになる。日々持ち込まれる相談に対処する内に知らず知らずの内に、このような役割を負うことになった。心理的な負担も含めて、自身のリソースの30%ぐらいをここに注いでいると言っても過言ではない。

今度からCOOってどのような経験を得ることができるのですか?
という問いには自信を持って、喧嘩の仲裁役の能力が身につくよと答えることにしよう。(これでCOOを志す人が減らなければいいが。。)



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