マガジンのカバー画像

日だまりの詩

25
自作の詩だけを集めています。 朗読もしています。
運営しているクリエイター

記事一覧

【詩】祝福の破裂音

【詩】祝福の破裂音

私がこの世に生まれでた時、破裂音がした

クラッカーの音が鳴り響いて祝福されたようだ

生まれる前に完璧だった私は破裂音とともに壊れた

色んな欠片が飛び散って、私を構成するパズルのピースが混沌とした世界の景色に紛れていった

ゼロからプラスの仮想世界に飛び込んで楽しい冒険がはじまる

仮想世界の中で、私は自分好みのおもちゃになりきる

お気に入りだった壊れたおもちゃの部品を寄せ集めて修理をして大

もっとみる
【詩】裸の私

【詩】裸の私

洋服って必需品であり嗜好品

なくてはならないけれど

なくていいもののほうが多い

見た目が9割という言葉もある 

あながち間違いではないと思う、物質世界においては

だから洋服の力に頼ってなりたい自分を

目指すのは悪いことじゃない

でもね、もしも家に帰って部屋着に着替えた時の自分、裸になった時の自分が嫌いなのだとしたらそれは悲しいこと

生まれてきた時はみんな裸だよ

裸の自分が嫌いな赤

もっとみる
【詩】僕はここにいる

【詩】僕はここにいる

僕はここにいる

ここってどこ?

それはね

場所じゃないんだ

君の心の中

お空に還った人と同じ

君の心の中

君が会いたいと思えば

いつでも会える

僕ってなんだろうね?

場所も身体も関係なかったら

一体なんだろうね?

鍵を握るのはチュ―ニングだよ

全ては音楽だから

僕も君もなんにでもなれる

どこにでも行ける

自由への扉はすぐそこに

扉を開けたらね、待ってるよ

※※※

もっとみる
【詩】響き

【詩】響き

響きの世界

「共鳴と唸り」

生命あるものは

共鳴し合い

唸りを発生する

共鳴は純な音

唸りは味な音

共鳴は透明

透明な世界

「完全調和」に陶酔する

唸りは混濁

混濁の世界

「不調和」に快適さを抱く

透明なものが幾重にも重なる

この美しき世界

透明な重なりが生み出す混濁

やはりそれは美しき世界

「共鳴と唸り」

「孤高と共存」

同時にある

「赦しの調和」

そん

もっとみる
【詩】一億総裁判官

【詩】一億総裁判官

一億総裁判官

人が人を裁く

人が人に同意を求める

人が人に承認を求める

人が人で孤独を埋める

頼まれていない警備

頼まれていない取り締まり

いらぬ警備が生み出す差別や優越

ご意見番は余計なお世話

必要なのは自己警備

住居侵入には毅然と対処

それだけでいい

それなのに

そんな私もこの詩を書いて

裁判官になりそうな自分を

誤魔化す

詩は優しい

誰にも刃を向けずに済むか

もっとみる
【詩】透明の翼

【詩】透明の翼

わたしは空を飛ぶことはできない

でも透明の翼をもっている

透明の翼は空を飛ぶためにあるのではない

わたしの宇宙を自由に飛び回るためにある

宇宙に無数に散らばっているキラキラした欠片を集めて現実世界にその姿を現す

魔法使いがステッキを一振りして望むものを物質化するように

空を飛ぶのは翼を携えている生命(いのち)の特権

わたしの特権はわたしの宇宙から必要なキラキラを集めてきて望みのものを

もっとみる
【詩】切り抜き

【詩】切り抜き

お気に入りの切り抜き

大事な部分の切り抜き

見せたい部分の切り抜き

切り抜きは便利だね

パズルのように組み合わせて

見せたいように切り抜くことも

できる

切り抜きマジック

あなたもわたしも

この世界も宇宙も

全部切り抜かれた一部

切り抜きは全体の一部

全部を知っている知り合いは

わたしにはいない

あなたは全てを見せない

わたしも全てを見せない

見せたい部分だけ見せる

もっとみる
【詩】夢がなくても

【詩】夢がなくても

将来の夢はなんですか?

あなたの夢はなんですか?

夢を描きましょう

夢を持つのは素晴らしいことです

子どもの頃からずっと

こういう言葉が重荷だった

私には夢がない

その時々で好きなことも

やりたいこともコロコロ変わる

何年も先の未来のことを考えて

生きるのがそんなに素晴らしい

ことだろうか?

私は今が幸せだ

それが全てのこたえ

だから夢はあってもなくてもいい

夢に縛ら

もっとみる
【詩】友達ゼロ人

【詩】友達ゼロ人

自慢じゃないけど、私は友達ゼロ人

昔は普通に友達がいたはずなのに、一体いつからいなくなったんだろう

人が消えていなくなってしまったわけではない

きっと私の心が、友達って何なのかが分からなくなってしまったからだろう

友達は難しい

友達は片思いでも成立するのだろうか?

それとも両思いじゃないと友達と呼んではいけないのだろうか?

10代の頃にはそういったことでよく心を痛めていた

昔は1人

もっとみる
【詩】はなむけ

【詩】はなむけ

あなたに贈る言葉

最初の出会いはいつだったか

どんなだったか…

もう忘れてしまいました

けれどこれだけは覚えています

最初の第一声

とても穏やかで温かくて 

優しい声の人だと感じました

いつもあなたのまわりには

ゆっくりと丁寧な時間が流れていました

いつも何かを求めてばかりの私とは

違いました

生きることの喜びを噛みしめながら

自身と向き合われていました

私ももっと年齢

もっとみる
【詩】おいてけぼり

【詩】おいてけぼり

おいてけぼりの抜け殻

殻を脱いで解放された中身は

堂々とひとり歩き

大きくなった背中を見送る

嬉しさと寂しさが同居する

抜け殻にへばりついている私は

いったい何だろう?

何が寂しいのか?

もともと私のものではないのに…

ほんの少しのあいだ

私の中にいて

飛び立つ準備をしていた

一緒に並んで歩くことが望みではない

抜け殻は私の勲章

抜け殻だけは私のもの

へばりついていた

もっとみる
【詩】ご都合病

【詩】ご都合病

ご都合病
自分がされて嫌なことは
人にするのはやめましょう
掲げられたスローガン
その効果を実感できず
三つ子の魂百までは?
首をひねって考える
自分のことは棚に上げ
人を責めるご都合病
発症人を目の前に
人のふり見て我がふり直せ
大きな私は笑ってる
小さな私は泣いている
誰か治してご都合病
雨のち晴れのち
雨のち晴れのち
あ〜もういいよ
うんざりだ
光のはしごがあるのなら
一目散に駆け上がり

もっとみる
【詩】似たもの同士

【詩】似たもの同士

自分と同じ匂いを感じる人をみつけた

最初はわからない

でもだんだんわかってくる

あっ、なんか似てるな…

私以外にもこんな人いるんだ…

ちょっと安心する

でも本当に自分と似ている人とは近づかないほうがいい

お互いの領分を守り、視界のすみっこにその存在を感じる

そのぐらいがちょうどいい

自分に似ている人とは向かい合わずに並走しているほうがいい

時々ちらっ、ちらっと横目で見て、存在を

もっとみる
【詩】あなたとともに

【詩】あなたとともに

あなたとともに生きよう

あなたとともに歩こう

あなたとともに笑おう

あなたとともに泣こう

あなたになら見せられる

強い私も

弱い私も

私は見たい

私は感じたい

強いあなたも

弱いあなたも

あなたの存在は愛そのものだから

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

📖日だまり一首📖
あなたとは 合わせ鏡の 間柄
あなたの姿 私そのもの

もっとみる