【詩】おいてけぼり
おいてけぼりの抜け殻
殻を脱いで解放された中身は
堂々とひとり歩き
大きくなった背中を見送る
嬉しさと寂しさが同居する
抜け殻にへばりついている私は
いったい何だろう?
何が寂しいのか?
もともと私のものではないのに…
ほんの少しのあいだ
私の中にいて
飛び立つ準備をしていた
一緒に並んで歩くことが望みではない
抜け殻は私の勲章
抜け殻だけは私のもの
へばりついていたら飾れないから
殻から離れよう
おいてけぼり
見送り 見送られる
おいてけぼり
充足感と寂寥感
おいてけぼり
大丈夫?
おいてけぼり
平気だよ
泣いているのは
今だけだから
みんなが私を忘れるように
私もいつか抜け殻のことは忘れる
忘れるってね、悲しいことじゃない
一部が全部になったんだよ
今度は私が抜け殻をおいてけぼりに
する番だ
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📖日だまり一首📖
置き土産 おいてぼりの 抜け殻を
忘れるころに 養分になる
抜け殻の中身は、人でも動物でも作品や思い出でもなんでも当てはまる。
全てを置いて、経験だけをお土産にしてかえる。
抜け殻は全てまた地球の養分となり循環していく。
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