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月と猫と友の国

あとがきです。
このシリーズは自分が好きな絵本らしさ、御伽噺らしさが強く出ている気がします。テーマは猫と歴史詰った遺跡都市。そんな好きを詰め込んだシリーズでした。…やっぱり遺跡大好きなんだな、自分。
このシリーズは基本的に2曲で1セットのつもりで書いています。その場所または雰囲気をイメージした曲と、キャラクターに焦点を当てた曲です。


01,猫と月の夢の国

シリーズ全体のイメージを詰め込んだ曲です。
いわゆるタイトル曲。テンポよく、淡々と進行するドラムが個人的に気持ちい。1分42分くらいから急にメロディが膨れ上がるところが気分屋の猫らしくてお気に入り。新たな冒険の始まりを感じさせる雰囲気を纏った曲です。
"旅の中で噂で聞いた猫の国。歴史と癒しの国は多くの旅人の興味を引きつつも、猫たちだけで形成されたその独特な文化から実際に向かう人はすくないという。"

02,絵描き猫ニルギリ & 03,猫の国の住人は

猫の国に住む変わり者"絵描き猫ニルギリ"と猫の国全体をイメージした"猫の国の住人は"です。前者がキャラクター曲で後者がステージ曲のイメージですね。よく似た雰囲気の二曲ですが、ニルギリの方が引き締まったイメージで書いています。
"ニルギリは猫の国の中でも突出した変わり者。その好奇心のお陰か、彼ほど猫に国について知っているものは他にいない。困りごとがあると多くの猫が彼の元へ訪れ、相談や雑談をしては帰っていく。彼は唯一、この国の猫たちを纏めることが出来る猫なのかもしれない。"

04,遺跡の門番猫ビンゴ & 05,遺跡都市『アグ』

地下の遺跡を守る”遺跡の門番猫ビンゴ”と地下に広がる"遺跡都市『アグ』"です。ボス曲とステージ曲です。
ビンゴはちょっと探偵っぽい雰囲気を纏わせた曲になっています。お話を作る時、門番かつ探偵という設定を与えていた名残です。つかみどころのない曲調とわかりやすい曲者感がうまく出せた気がします。
アグはもろ遺跡イメージの曲です。ちょっとずつ裏に隠されていたピアノメロディが表に出てくる様はいい味を出している気がします。薄暗い中に指す一筋の光のイメージが強いですね。
"ビンゴはこの国の中でも古株。ニルギリに寄せられた困りごとを解決する実行役でもある。かつて大きなモノ達がまだ居た頃、ビンゴは彼らと衣食住を共にする飼い猫だった。彼らと過ごした都市をビンゴはいつもでも守り続けている。"

06,猫雲『システムシラキー』

雲になった猫の曲です。雲のようにふわふわ漂って人の前に現れては悪戯を繰返す迷惑な気象システム猫です。かつて猫だったものが、倫理観が緩いかつての住人達によって気象管理システムにされてしまった成れの果て。
戦闘曲イメージですが、柔らかくそれでいてどこか機械らしい曲になっています。子猫らしく悪戯好き、でもどことなく理性的な様子も伺える。
"かつては誰からも愛される白猫だった。大きなモノ達に拾われシラキーと名付けられた猫は、大きなモノ達が居なくなる直前に天気を操る力を授かった。無邪気でいながら好奇心が抑えられない子猫の精神はそのままに、今も国中の天気を好きに変化させている。"

07,水底で騎士は祈り続ける & 08,ロンギエビエンの猫

水底に封じられている騎士と、その騎士に毎日花を届けている猫の曲です。
"水底で騎士は祈り続ける"はオルガンが使いたくて作った曲でもあります。結果的に良い雰囲気の曲が出来た気がします。イメージは封じられた危険な古代の聖戦士との戦いです。
"ロンギエビエンの猫"は落ち着いた雰囲気の少し物悲しい曲になっています。ロンギエビエンはLongyearbyenと書きます。ノルウェーに実際にある街だったりします。その街のイメージと猫のイメージを織り交ぜた結果できた曲です。
"猫たちが騎士と呼ぶ水底に沈むモノ。彼らは大きなモノ達の中でも罪深きモノ。その罪故に水底に沈められ、決して訪れることのない目覚めの時を待つ。罪人に愛されていた猫は今でも泉に彼らが愛した花を捧げている。"

09,知性と蒸気の森 & 10,揺らぐ水源の黒猫

異質な雰囲気を纏った二曲です。遺跡というベールに隠された大きなモノ達の高い技術力が前面に出た曲…のつもり。
"知性と蒸気の森"はあふれ出す蒸気と、その蒸気が出ている木々のように立ち並ぶ煙突という情景をイメージして書いています。三連符マシマシの曲なのでテンポが崩れて聞きにくいかなぁと思っていたら意外としっくりくる出来になりました。
"揺らぐ水源の黒猫"は戦闘曲のような、そうでもないような不思議な雰囲気の曲です。とにかく強そうな雰囲気と落ち着いた凛とした雰囲気が出て満足。猫はかわいいだけじゃないんです…強くてしなやかで美しい生き物なんです。
"彼女はすべてを覚えている。大きなモノ達がこの街を作り、猫たちがやってきて共存し、大きなモノ達が居なくなるまでのそのすべてを覚えている。大きなモノ達が忘れ去られないように、彼らの残した記録はすべて彼女が大切に保管している。"

11,眠れる猫とかつての友と

エンディングです。駆け上がるようなメロディは何処か寂しさと未来への可能性を感じさせてくれているのではないでしょうか。このシリーズは続きものなので先があるんですよね。そういう意味を込めた結果、こんな雰囲気の曲になりました。
"この黒猫は一つだけ、絶対に語らない事がある。それは大きなモノ達が居なくなった理由。それはまだ語るわけにはいかない。この世界の本当の姿が明らかになるまでは。それはこの先で、旅を続けていれば何れ明らかになるだろう。"

以上、全11曲でした。
1シリーズ10曲前後が書きやすいんです。多すぎると妄想が飽和して収集が付かなくなるし、少なすぎると寂しさを感じるので…。次回以降のシリーズも10曲前後になるはずです、たぶん。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
普段から猫たちと暮らす私は猫の玩具探しに戻ります。
また次の曲でお会いできる事を信じて、。


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