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11,眠れる猫とかつての友と

何かに、迷った。
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シリーズもの11曲目です。
このシリーズ最後の曲です。
前向きなエンディング、次の旅を予感させるような曲を目指しています。
明るく、それでいてどこか寂しさをはらんだ曲調が旅の終わりと新たな旅を感じさせてくれるのではないでしょうか。
以下この曲の物語。
「黒猫は湧水の洞窟の更に奥、隠された木板で整えられた部屋へ案内してくれた。部屋は広くテーブルが至る所に並べられ、上にはいくつも何かの機械や本が並んでいる。壁には絵や文字の書かれた紙が至る所に貼られていた。
ここはまるで、博物館のようだった。
"この国は元々、猫ではない大きなモノ達によって統治されていました。"
"猫は大きなモノ達と共に暮らし、それはそれは幸せな国だったそうです。"
壁に貼られた紙を尻尾で指しながら、黒猫は語り続ける。
"ある時、大きなモノ達は猫たちに素敵な贈り物をしました。"
"大きなモノ達と会話できるように、素敵な創作ができるように、どんな敵が来ても戦えるように、常に心地よい気候の中で暮らせるように、誰かを思いやれるように…そして、すべてを忘れないように。"
"大きなモノ達は猫たちにそれぞれ贈り物をしました。いくつかの贈り物は猫たちが分け合い、いつしか猫たちはいろいろな事が出来るようになりました。"
"すべての猫たちに贈り物が送られた後、大きなモノ達は姿を消していました。"
黒猫は一枚一枚、紙の側によってはやわらかく語る。
やがて紙を巡って部屋を一周した後、猫はこちらに向き直る。
"それからこの場所は猫の国。猫たちが幸せに暮らす、猫の国となりました。"
きっとそれが締めの言葉なのだろう。
猫はそれ以降何も語らなかった。」

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