瀬戸内寂聴記念会

2021年99歳で亡くなった徳島出身の作家で僧侶の瀬戸内寂聴氏を顕彰する団体。2022…

瀬戸内寂聴記念会

2021年99歳で亡くなった徳島出身の作家で僧侶の瀬戸内寂聴氏を顕彰する団体。2022年6月に寂聴塾の塾生、地元の朗読会、読書会のメンバーを中心に発足。寂聴氏の一周忌にあたる同年11月9日に機関誌「寂聴」を創刊。

最近の記事

寂聴文学を愉しむ会 第1回「女子大生・曲愛玲」を読む

 今年はまず会員だけで読書会「寂聴文学を愉しむ会」を年間5回、開催します。課題本は寂聴さんの第一短編集『白い手袋の記憶』です。この本は33歳で出版され、寂聴さんの実質的な文壇デビュー作になった作品なども収められています。  4,6,10,12,2月の第3金曜日、13時半から15時半、徳島県立文学書道館2階でおこなっていきます。  第1回目は4月19日(金)に開催しました。 瀬戸内晴美 作「女子大生・曲愛玲」(1957年4月刊『白い手袋の記憶』に収録)  作者である寂聴が夫の

    • 古典初心者が読む瀬戸内源氏 巻一

      『源氏物語』巻一 瀬戸内寂聴 訳 講談社文庫 しばらくnoteを更新していませんでしたが、ようやく始動です。  現在NHKで放映されている大河ドラマ「光る君へ」で巷では源氏物語と紫式部がスポットライトを浴びてます。これを書いている私ことKは、歴史や古典には大変疎いのですが、頑張ってこの機会に瀬戸内源氏を読破したい、紹介したい!と意気込んでます。講談社文庫だと十巻、かなり長編なので、ビビッてますが…。  でも、読み始めると予想を裏切りこれが面白いんです。しかも本の文

      • 雨の寂庵 2023

        ※先々月の5月19日に、瀬戸内寂聴記念会は会員メンバーと寂庵を訪れた。今回は、その訪問記をお送りします。                            事務局長 竹内紀子   寂聴さん誕生日の4日後、5月19日の午後1時間あまり、主のいない寂庵を訪れました。特別にお願いして、ご許可をいただいたのです。寂庵といっても、寂聴さんの住居ではなく、敷地内に建つ、正確には「サガノ・サンガ」、月に1度、法話をされていた40畳の建物です。姉の艶さんが、寂聴さんが出家して10年が経

        • 瀬戸内寂聴記念会、今年の主催イベントについてのお知らせ、及び寂聴俳句募集!

          先月、6月3日に総会を開催しました。 遅くなりましたがここで、今年度の記念会の行事予定についてお知らせします! 行事予定 ① 5月15日(月)寂聴3回忌「寂聴を詠む」俳句募集 締切り8月15日 9月選考(現在募集中!) 寂聴の3回忌を偲ぶ俳句募集。寂聴の人柄、生き方、作品などから感じ取ったものを自由に詠む。季語なしも可。 投句作品  はがき裏面に以下を記載。 ・未発表作一人一枚二句まで ・住所、氏名、年齢、電話番号 ・所属結社(所属あれば) 投句料 無料 投句

        寂聴文学を愉しむ会 第1回「女子大生・曲愛玲」を読む

          文芸講演⑵「悲しみに殉じる」米本浩二(作家・記念会会員)

           先日6月3日、瀬戸内寂聴記念会は徳島県立文学書道館にて、文芸講演会を開催した。前回に引き続き、今回は作家、米本浩二氏の講演をダイジェスト版で掲載する。 米本浩二氏 (1961年、東みよし町生まれ。現在は福岡市在住。毎日新聞の記者を経て現在は作家として活躍。石牟礼道子氏や渡辺京二氏について書かれることが多く、『評伝 石牟礼道子―渚に立つひと』では第69回読売文学賞評論・伝記賞を受賞。瀬戸内寂聴記念会会員)  この短い講演の時間で石牟礼道子の生涯を語るのは不可能なので、かい

          文芸講演⑵「悲しみに殉じる」米本浩二(作家・記念会会員)

          文芸講演⑴「寂聴文学と吉行淳之介―「大根鍋の約束」の周辺」大石征也(文学研究家・記念会副会長)

           先日6月3日、瀬戸内寂聴記念会は徳島県立文学書道館にて文芸講演会を開催した。講演者は文学研究家の大石征也氏と、作家の米本浩二氏。note寂聴記念会は、お二人の講演をダイジェスト版で2回に渡り掲載する。 大石征也氏 (1972年徳島県石井町生まれ。文学研究家。川端康成をはじめ、近現代の文学者を研究している。とくしま文学賞では、文芸評論部門の最優秀賞を受賞。瀬戸内寂聴記念会の副会長) 講演のタイトルは、「寂聴文学と吉行淳之介―「大根鍋の約束」の周辺」と付けました。「大根

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          記念会による読書案内、その②『余白の春』瀬戸内寂聴 著:岩波現代文庫

           前回、ブレイディみかこ氏の『両手にトカレフ』を取り上げたが、それにしてもこの大正時代の女性革命家、金子文子のことを今、どれだけの人が知っているのだろう?  そういう意味では、ブレイディ氏の著書は分かりやすい入門書だった。  歴史に疎い人なら、2019年に日本でも公開された韓国映画「金子文子と朴烈」を観ると話が掴みやすい。映画では文子と夫の朴烈(パクヨル)の夫婦愛が中心に描かれる。現在DVDや配信でも視聴できる。  『余白の春』は、1971年(昭和46年)から翌年72年まで

          記念会による読書案内、その②『余白の春』瀬戸内寂聴 著:岩波現代文庫

          記念会による読書案内、その①『両手にトカレフ』ブレイディみかこ 著:ポプラ社

           瀬戸内寂聴記念会では、寂聴さんの小説や、またそれに関連する書籍を、随時ご紹介していこうと思います。 その第一弾は、ブレイディみかこさんの『両手にトカレフ』。 金子文子については、近年映画にもなりましたし、ここのところ話題です。 この本は、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』のブレイディみかこさんの 初の小説で、2022年に出版されました。  イギリスに住むミアは14歳の中学生。薬物依存の母親と、幼い弟と暮らしています。シングルマザー家庭の上に、依存症を抱えた母親

          記念会による読書案内、その①『両手にトカレフ』ブレイディみかこ 著:ポプラ社

          「寂聴 美のコレクション」 徳島県立文学書道館 文学特別展

           現在、徳島県立文学書道館にて「寂聴 美のコレクション」展が開催されている。寂聴愛蔵の絵画、書、彫刻などの展示、そしてそれらの作品が寂聴の小説や随筆でどのように描かれたか、美術家との交流も含めて紹介。  瀬戸内寂聴は東京、目白台や本郷のマンション、また出家後に暮らした京都、寂庵でもお気に入りの美術品を身の回りに置き、創作のインスピレーションを得ていた。 その展示作品の中から、印象的なものをいくつかここで紹介したい。 (なお、以下の写真は徳島県立文学書道館 文学特別展 「寂

          「寂聴 美のコレクション」 徳島県立文学書道館 文学特別展

          寂聴碑 水辺のヒア・カムズ・ザ・サン

           さてnote瀬戸内寂聴記念会の第1回目は、昨年2022年徳島にて建立された瀬戸内寂聴の記念碑を紹介したいと思う。  今回のこの記事を書くために記念碑を訪れたのは、3月も終わりのことだ。暖かな日差しの午後、徳島市内にある水際公園に向かった。  JR徳島駅から徒歩5分ほど、駅前から眉山へ続く通りの途中にある新町川橋の袂に位置する。道路を挟んで東側は夏の阿波踊りの会場になる藍場浜公園、その反対側が水際公園。公園は新町川に沿う形をしており、川は市内の中心を通り、下流域の徳島港へと

          寂聴碑 水辺のヒア・カムズ・ザ・サン

          こんにちは、瀬戸内寂聴記念会です

          ご挨拶/瀬戸内寂聴記念会とは?  2021年11月9日、作家で僧侶の瀬戸内寂聴氏が99歳で亡くなりました。瀬戸内寂聴氏といえば、小説はもとより、僧侶として説法や、様々な社会・文化事業への参加なども有名で、その活動は大変多岐に渡ります。  瀬戸内寂聴記念会は、寂聴氏の業績を顕彰、研究し、その生き方を伝えていくことを目的とした団体です。2022年6月、寂聴氏生誕の地、徳島にて発足しました。寂聴塾の塾生、寂聴氏知人、寂聴文学教室受講生や、地元徳島の朗読会・読書会のメンバーが中心と

          こんにちは、瀬戸内寂聴記念会です