風がすーっと吹き、詩の葉がわたしのもとへやってきた。―映画「タゴール・ソングス
わたしが生まれ育った新潟は、とにかく風が強かった。
冬の日本海は荒れ狂い、信濃川にかかる橋を歩くのも一苦労だった。
向かい風では息ができず、追い風では足がとられる。
風が強過ぎて、電線が絡まりあい、大停電なんてこともあった。
高校生の頃は、制服のスカートをわざわざウエストでたくしあげてミニスカートにしていた。よく、あんな強風の中を、足を真っ赤に染めながらガシガシ歩いたものだなあと、当時の自分に感心する。そう、ガシガシ歩かないと、新潟の強風の中では生きられない。曇りと雨が新潟