借金玉

文章を書いて暮らしている人です。 ここではどこにも行き場のない話、日常雑記などを書いて…

借金玉

文章を書いて暮らしている人です。 ここではどこにも行き場のない話、日常雑記などを書いていきます。 内容はフィクションだったりそうでもなかったりします。 楽しんでもらえたらうれしいです。 www.amazon.co.jp/dp/4046020768 こんな本書きました

マガジン

  • 玉雑記

    あまり多くの人に向けては書きたくないこと、表に出なかった商業原稿、最近の雑記など月2回~(最近は大体4回)更新します。色々あって、ツイッターが本音を言う場所ではなくなったので、こちらでやろうと思います。ご興味あれば、是非。

最近の記事

年末のはずだった予定が早まって 切り詰めてギリギリだったお金が少し浮いた 連絡すら返せずにいるたくさんの人たちに 何か贈り物ができる すごくうれしい 今日は家の外に出たい 謝れないことを謝る方法 贈り物ではとてもたりないのはわかる 大したものは贈れない でも、うれしい

    • ごめんなさい

       六月、ついに二本しか記事を書けなくてごめんなさい。  決断と諦めの月が過ぎて、終わるべきものがきちんと終わるなら  それは良いこと、なんじゃないかと考えることにした。  自分なりに頑張ったと思う。  本当にひどい言葉だ、そうは思うんだけど  そこから始まってここで終わる。  僕はそういうもので。  謝ってばかりでごめんなさい。  どんな言葉にすればいいかわからない。  文章にできないものは、単なる事実として  僕ではない誰かから  いや、伝わる必要なんてそもそもな

      • そこで終わってしまったら、悲しいよ

         本が読めない。それは仕方がない。鬱とかそういうものがやってくると、書籍を開くことが出来なくなる。電子ならなんとかいけるかな、なんて思ってはいけない。出来ないものは出来ない、諦めるしかない。僕は何をどこまで諦めることができるんだろうか、本を読むことを諦めることに成功した、それは成長なんだろうか。そんなわけはないだろうと思う、そうであると言い張りたい気もする。そういうときに、ふと「なぜか読める」文章に出会うことがあって、とてもうれしい。それはyoutubeに並んだ動画のサムネイ

        ¥500
        • 気にしないで、犬とさかなの話だから

           終わりに向かって歩いている。案外気分は悪くなくて、水槽のオイカワを彼らが生まれた荒川に返す元気が出るのを待ったり、煙草を買いに行くことも出来ないまま陽が落ちて、夜なら外に出られるかな、と帽子をかぶったまま、朝になるまで椅子に座りこんでいたり。とにかく、現実的な話はもうできない。結局のところそれは結果として表れるしかないものなんだと思う。文章を書く、伝達、線と線が結ばれて形が、光が、音が、匂いが現れること、そうであって欲しいけれど、なかなかそうはならないまま終わっていくもの。

          ¥500

        年末のはずだった予定が早まって 切り詰めてギリギリだったお金が少し浮いた 連絡すら返せずにいるたくさんの人たちに 何か贈り物ができる すごくうれしい 今日は家の外に出たい 謝れないことを謝る方法 贈り物ではとてもたりないのはわかる 大したものは贈れない でも、うれしい

        マガジン

        • 玉雑記
          ¥500 / 月

        記事

          発達障害者の未来について

          「発達障害者の未来はこれからどうなっていくと思いますか?」  この仕事をするようになってから、どれだけこの質問に答えたかわからない。その度に僕は、「発達障害という枠ではなく、個人の環境や能力の個別性によって、大きく結果が分かれる社会になっていくだろう」と答えてきた。大体これだけでは意図が伝わらないので、こんな風に付け加える。 「発達障害者であれ健常者であれ、資本主義社会で生きる以上利益を出せる人間には価値があるわけです、そういう意味で単純作業が減り頭脳労働が増え、決まった

          ¥500

          発達障害者の未来について

          ¥500

          コーヒーも味をなくして

          この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

          ¥500

          コーヒーも味をなくして

          ¥500

          犬から主人を引き算したあとに残った世界

           たぶん、ポール・オースターの小説だったと思うのだけれど、「犬から主人を引き算した世界に何が残るというんだ?」みたいな一節があって、僕たちが生きているこの世界にはとても残酷な算数がわりとたくさん存在している。そして人間は数字を数えるのが得意な生き物だから、自分の人生から何が引き算され、何が残っていて何が残っていないのか、わりと正確に算出することが出来る。つまり、30歳で借金以外何も残らなかった発達障害者は、主人を失った犬よりもだいぶ希望が残っている、だからもう少しだけ足掻いて

          ¥500

          犬から主人を引き算したあとに残った世界

          ¥500

          もう行かない街のこと、それから鱒釣りのこと

           久しぶりに高田馬場に行ったら、なんだか見たことのない街になっていた。疫病の季節はここぞとばかりに進出するアジア圏勢力が台頭していたけれど、最近はまた日本人が押し返している気もする。大学周りの飲食店はかなりのダメージを受けたけれど、徐々に回復を始めている様子だ。久しぶりに大きな音でジャズが聴きたくなってお店に入ったら、なんと禁煙になっていた。え、禁煙になったんですか? と尋ねると、もう4年も前のことだよ? と返されて、前回ジャズを聴きに来てからもうそんな時間が経ったのかと驚か

          ¥500

          もう行かない街のこと、それから鱒釣りのこと

          ¥500

          羽根について

           三十代になるまで、新幹線に乗ったことがなかった。  東京の人にこの話をすると結構びっくりされるんだけれど、僕が生まれて初めて新幹線に乗ったのは、依頼があって福岡の捕鯨イベントを取材したときのことで。東京ー福岡間の移動があまりに快適で、正直なところびっくりした。「長い距離を列車で移動する」で僕が最初に思い出すのは、大学生の頃青春十八きっぷで東京ー札幌間を移動したときのことで、まぁそのなんというか…二度とやりたくない(青森まではまだいいとして、函館ー札幌間が地獄過ぎる)。なので

          ¥500

          羽根について

          ¥500

          梅雨を待って、傘を忘れる

           東京に来て、一番とまでは言わないんだけれど、それでもとてもうれしかったものに「梅雨」がある。春から初夏に向かうあの日差しは、疲れて痛んだ目や心にやさしくない。だから、僕はだいたい毎年梅雨入りの日をとても楽しみに待っている。目を覚まして窓の外を見る、雨が降っている。ああ、今日は雨降りの日だからお休みの日だ。そういう気持ちになれると、ちょっとだけうれしい。僕はね、運動会が雨で延期に、あわよくば中止になることを祈る子どもたち、声が小さくて足の遅い彼らの側に立つおじさんであろうと、

          ¥500

          梅雨を待って、傘を忘れる

          ¥500

          スリップしたこと、尽きていったもの、せめて次の電信柱までは

           十年越しに睡眠薬依存へスリップし、挙句の果てにオーバードーズで緊急搬送された。言い訳の余地もない。  この数年、ひどいことがたくさんあって。  もちろん、僕なんかよりずっと辛い境遇を前向きに生きている人はたくさんいるだろうし、ただ単に僕が弱いだけなんだろう。「生きのびよう」なんてテーマで「サバイバルガイド」を書いた著者が、自分の人生や未来が存在しなくなった前提に立って行動している現状は、どんな事情があろうと「読者様への裏切り」としか言いようがない。ただただ、申し訳ない。

          ¥500

          スリップしたこと、尽きていったもの、せめて次の電信柱までは

          ¥500

          えりぞ@erizomuことN氏による嫌がらせ電話音声

          マガジンを購入すると全編(00:51)を視聴することができます。

          ¥500

          えりぞ@erizomuことN氏による嫌がらせ電話音声

          ¥500
          えりぞ@erizomuことN氏による嫌がらせ電話音声

          私が長く仕事を止めていた理由と、これまで何が起きていたのかについて①

          先日の騒動についてのお詫びとご報告 まず、さる3月31日に顧問弁護士より報告がございました、私の自殺未遂騒動について心よりお詫び申し上げます。  恥を忍んで真実を申し上げると、あれは自殺未遂などというマトモなものではなく、ここから続いていく文章を書き連ねるストレスと膨大なデータをとりまとめる作業の苦しさに耐えかね極度の不眠に陥り、睡眠薬を飲み足すうちに自己制御を失い、助けを求めたのか、何か言いたかったのかは思い出せませんが、顧問弁護士に電話はかけたものの、結局そのまま吞み続

          私が長く仕事を止めていた理由と、これまで何が起きていたのかについて①

          「実行系」について、発達障害者における職業的訓練について、あるいはもう戻らない時間と壊れた身体について

           これは次に出版される予定だった書籍のコアになる部分なのだけれど、最早次の本が出せるかわからない状況なので、ここで書けるだけ書いてしまおうと思う。  編集やブラッシュアップを経ていないので、些か言葉は足りていないか、さもなければ過剰になっているだろうけれど、書き散らしておけば誰かの役に立つかもしれない。  これは「理系」「文系」みたいなやつと合わせて「実行系」みたいな概念を持って鍛えるとすごくいいんじゃないかな、ってお話。  発達障害者、あるいは健常者の中にすら多いのだ

          「実行系」について、発達障害者における職業的訓練について、あるいはもう戻らない時間と壊れた身体について

          働ける障害者、働けない障害者、それから健常な人たちと、夜が明らむ前に。

           障害者の分際でこんなことを言うと匿名SNSなんかではすごく怒られるのだけれど、僕にだって欲しいものはあった。都心のタワマンなんて言わないし、イタリアのスポーツカーなんて言わない。ただ、住宅ローンを組んで家を建ててみたかったし、家族だって欲しかった。もちろん、僕らの生まれた時代はすごく不景気だったからこれが「人並み」なんて言わない。健常者でもこの水準に辿り着けない人がたくさんいるわけで。もちろんそれはわかっているのだけれど、「ふつうの生活」に対する憧れは僕の中にずっとあって、

          ¥500

          働ける障害者、働けない障害者、それから健常な人たちと、夜が明らむ前に。

          ¥500

          どこへ行くあてなく流れては枯れて、水仙の咲く足許を見る

           花を活けられなくなった。  人間は精神や肉体が壊れると、どんどん感受性が乏しくなっていくものらしい。何も食べても美味くない(だから料理コラムを書きようがない)し、何を聴いても騒音になる。嗅覚もだめだ、長年気に入っていたお香(とても安くていい香りなので金沢から取り寄せていた)から、寿司屋のカウンターに香水をたっぷり振りかけて座るあのクソみたいな匂いがする。  理屈はわからない、ふつうに考えれば体調の悪化とともに知覚は鈍麻するはずで、味覚に関してはその通りの結果になっている

          ¥500

          どこへ行くあてなく流れては枯れて、水仙の咲く足許を見る

          ¥500