高校新科目「情報Ⅰ」概要、新旧比較:大学入学共通テスト新教科「情報」を知る3
情報Ⅰとは?現科目「情報の科学」・「社会と情報」との違い
2022年度の学習指導要領における新科目「情報Ⅰ」・「情報Ⅱ」は現行科目である「情報の科学」・「社会と情報」の内容から再構成・追加した内容になります。
今回は、「情報Ⅰ」について、現行の「情報の科学」・「社会と情報」からどのような変更があるのかをまとめました。
「情報Ⅰ」は
「第一章 情報社会の問題解決」
「第二章 コミュニケーションと情報デザイン」
「第三章 コンピュータとプログラミング」
「第四章 情報通信ネットワークとデータの活用」
の全4章から構成されており、「第一章 情報社会の問題解決」を実現するための方法として二章から四章の内容について詳しく学習していく、という構成になっています。
それぞれの章に対応する現行の「情報の科学」・「社会と情報」の学習指導要領から「情報Ⅰ」への主な変更箇所としては以下の通りです。
第一章 情報社会の問題解決
従来「理解」と表記されていた部分が「必要な力」「適切に対応する力」「提案する力」へと変更されており、理解を前提として「思考力・判断力・表現力」まで求められる内容に。
第二章 コミュニケーションと情報デザイン
「情報の表現・伝達の工夫」が「問題を発見・解決する方法」へと変更され、それぞれのメディアの特性とコミュニケーション手段の特徴を科学的に理解した上で、問題解決のために適切に選択できるようになることを意識。
第三章 コンピュータとプログラミング(いわゆる”プログラミング必修化”)
第二章同様、第三章も「問題の発見・解決に応じたもの」を重視。「プログラミングを学ぶ」だけでなく、「プログラミングで学ぶ」ことができるような内容に。この点がよく言われている「プログラミング必修化」に該当します。
第四章 情報通信ネットワークとデータの活用
情報通信ネットワークはセキュリティ面について大幅に強化。高等学校学習指導要領にも「小規模な情報通信ネットワークを設計する活動を取り入れるものとする」と明記。
データの活用については中学校の数学、高校の数学Ⅰと連携。
上記の通り、全体として生徒が自ら考え、問題を解決する手段を選択し、実行に移す力を身につけることができるような内容へと変更されています。
また、他教科との連携も意識されており、数学科で学んだ内容を「情報Ⅰ」で活用する、という前提の構成になっているため、学校で学習した内容を実社会の問題解決にどう役立てることができるのか、ということも理解しやすくなっていると言えるでしょう。
次回からは、それぞれの章で学習する内容について、更に掘り下げて解説していきます。
「情報Ⅰ」用語集(大学入学共通テスト新教科「情報」対応)
「情報Ⅰ」ほぼすべての教科書をチェックして学習範囲を網羅した用語集を作成しました。
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